PDFダウンロード - ピクテ投信投資顧問株式会社

Today’s Headline
ご参考資料
ご参考資料
“ジュネーブから今を見る”
今日のヘッドライン
“ジュネーブから今を見る”
今日のヘッドライン
アジア
2015年3月18日
中国アジアインフラ投資銀行(AIIB)に欧州勢参戦
中国が主導する、インフラ投資を主要目的としたAIIBに対して、米国を筆頭に西側諸国は参加に否定的でしたが、3
月末が締め切りといわれる創設メンバーに英国が名乗りを上げたことで反AIIB陣営に亀裂が生まれた格好です。
アジアインフラ投資銀行:独仏伊3ヵ国が中国
主導のアジアインフラ投資銀に参加へ
ドイツ、フランスとイタリアは2015年3月17日、中国主導のア
ジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加する方針を明らかにしま
した。英国はすでに3月12日にAIIB参加の意向を表明してい
ます。ドイツ財務省は声明で、ユーロ参加国のこれら3ヵ国
が将来的な創設メンバー国になる意向があるとし、AIIBには
アジアで必要とされている大規模なインフラ事業に資金を提
供する上で重要な役割を担うと説明しています。
AIIB設立には2014年10月にインドやベトナム、シンガポール、
タイなど21ヵ国が覚書に署名していましたが、その後参加を
表明する国も増えています(図表1参照)。
AIIBは中国が主導する開発金融機関であることから、アジ
ア開発銀行(ADB)などの既存機関に対抗する存在となる可
能性があります。米国ホワイトハウスのアーネスト報道官は
3月17日の定例会見で、中国主導のAIIBに参加する計画は
ないと改めて表明するなど懸念を示しています。日本も菅義
偉官房長官が17日の閣議後会見で、米国同様参加に慎重
な姿勢を維持しています。
どこに注目すべきか
韜光養晦、人民元自由化、一帯一路
中国主導でインフラ投資を主要目的としたAIIBに対して、米
国を筆頭に西側諸国はAIIB参加に否定的でしたが、3月末
が締め切りといわれる創設メンバーに英国が名乗りを上げ
たことで反AIIB陣営に亀裂が生まれた格好です。AIIB創設メ
ンバー参加を巡り、改めて中国の存在感(プレゼンス)が脚
光を浴びる中、以下の点に注目しています。
まず、中国の外交政策の積極化です。中国外交の基本方
針は以前は「韜光養晦(とうこうようかい)(国力が整うまで、
国際社会で目立たずに力を蓄える)」と表現されたこともあり
ました。しかし、中国の経済力が存在感を高める中、中国は
今後、対外投資などを通じ海外への進出を積極化させてい
くと見られます(今日のヘッドライン2015年1月5日参照)。中
ピクテ投信投資顧問株式会社
国の人民元の自由化の進展も、この積極的な外交政策の延
長上にあると見ています。
次に投資プロジェクトの魅力です。2015年末に創設が予定さ
れているAIIBの投資先プロジェクトへの関心は徐々に高まっ
ています。例えば、AIIBが投資(シルクロード基金に加えて)
する可能性のある「一帯一路」(陸のシルクロードと海のシル
クロードのインフラ整備、開発で中国から欧州にまたがる壮
大な計画)は関係国に多大なビジネス機会が期待されていま
す。既存の開発金融機関であるアジア開発銀行は一帯一路
に匹敵するプロジェクトは打ち出すにいたっていません。
参加国の顔ぶれにも大きな変化が見られます。最近になって
新たに参加を表明した英国、ドイツ、フランス、イタリアは投資
資金を拠出する側であり、今まで資金を受ける側に偏ってい
た創設メンバー構成から一歩、先へ進んだ印象です。
最後に大切な点として、改めて中国の存在感を認識する必要
があることです。中国はAIIBに参加を表明した多くの国の輸
出相手国で上位となっています。例えば、現在参加を表明し
ていないものの可能性が示唆されている韓国の最大の輸出
相手国は中国です。北朝鮮の脅威を考えれば、国防上、米
国との関係を尊重すべき韓国でさえもAIIB参加が噂されるほ
ど中国の存在感は高まっていると見るべきと思われます。
図表1:AIIBに参加を表明した国
(時点:2015年3月17日)
地域
国名
アジア
中国、ASEAN10ヵ国、インド、スリランカ、ネパー
ル、パキスタン、バングラデシュ、モンゴル
中東
サウジアラビア、オマーン、カタール、クウェー
ト、ヨルダン
大洋州
モルディブ、ニュージーランド
欧州
ウズベキスタン、タジキスタン、カザフスタン
英国、ドイツ、フランス、イタリア
※ASEAN10ヵ国:インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、
ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス
出所:各種報道等を使用しピクテ投信投資顧問作成
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と
したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に
よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆
あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、
その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、
作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ
び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構
の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ
ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも
のではありません。