ご参考資料 ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート F o c u s 2015 年 2 月号 日本の投資家の皆様へ短期的な投資環境見通し (1~3 ヵ月程度)を毎月お届けします 中央銀行発のボラティリティ上昇 ■推奨資産配分 世界経済は一時的に伸び悩んでいるも のの、各国の金融緩和策や原油価格下 落による消費刺激効果を考慮し、株式に 対する中立、債券に対するやや弱気評 価を据え置きます。 ゴールドについては、為替変動率の上昇 やマイナス金利が相次いでいることから 保険としての魅力が相対的に高まってお り、評価を中立へと引上げます。 アンダーウエイト (弱気) ニュートラル (中立) オーバーウエイト (強気) 先月から の変化 ◀◀ ▷▷ 株式 債券 ▷ ゴールド 米ドル ■推奨通貨配分(対円) ユーロ 米景気への慎重論からドル円は上値が 重くなっていますが、FRB の利上げ観測 後退は行き過ぎと思われ、米ドルに対す るやや強気の評価を維持します。 ユーロは ECB の大規模緩和策により下 方圧力が残ること、豪ドルやレアルは資 源価格の底入れが確認されるまでは軟 調が続くと見られることから、現状のや や弱気評価を継続します。 豪ドル ブラジルレアル 世界高配当公益株式 ▷ 新興国高配当株式 ■推奨ポートフォリオ配分 業績好調な日本株への強気評価を維持 する一方、バリュエーション面で割高感 が見られる米国株を多く含む世界メジャ ー・プレイヤー企業株式の評価を引下げ ます。また資源価格の下落に一服感が 期待され、打診買いの意味合いから新 興国株式やブランド企業株式の評価を やや引上げます。 債券では新興国国債が魅力的な水準ま で下落したと判断し、弱気評価を 1 段階 引上げます。また金の評価も中立へと引 上げます。 バイオ医薬品 関連株式 世界メジャー・プレイヤー 企業株式 日本ナンバーワン 企業株式 ◀ プレミアム・ブランド 企業株式 優良先進国国債 (円ヘッジ) 新興国国債 (円ヘッジ) ▷ ◀ ▷ 資源国国債 金 ピクテ投信投資顧問株式会社 ▷ 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 ご参考資料 Focus ピ ク テ の 資 産 運 用 戦 略 マ ンス リ ー レ ポ ー ト 今月の投資環境 ユーロ圏でも景気は緩やかな回復に向かっています。 欧州中央銀行(ECB)による本格的な量的金融緩和の発表 を受けて消費者信頼感指数が改善を示しているほか、銀 世界経済の伸び悩みは一時的 行が貸出態度を緩めたことや企業の借り入れ需要の増加 もあって信用供給も下げ止まりから増加に転じました。中 ピクテの世界景気先行指数は足元でやや伸び悩んで いるものの、3 ヵ月連続で改善を示しており、拡大基調が続 いているとの認識に変わりありません。米国では住宅市況 が堅調である上に、原油価格の下落が消費支出を押し上 国では人民元高が進んだことで流動性環境の悪化が懸念 されましたが、中国人民銀行が 2 月 4 日に預金準備率を 0.5%引下げると発表しており、機動的な金融政策が景気を 下支えするものと見ています。 げると見られ、2015 年の経済成長率は 3%台に達するもの と見ています。日本では鉱工業生産や小売売上高が足元 中銀発の為替変動率上昇 で市場予想を下回るなど消費増税後の落ち込みからの回 復が遅れているものの、企業業績は輸出セクターを中心 一方で先月は各国中央銀行では幾つかの大きな政策 に好調であり、いずれは賃金アップや設備投資につながる 変更が行われ、為替市場には激震が走りました。まず 1 月 でしょう。また日銀は 2015 年度の物価見通しを 1%に引下 15 日、スイス国立銀行(SNB)は 2012 年に導入した対ユー げましたが、2%の目標を放棄したわけではなく、ハト派の ロでのスイス・フランの上限を撤廃すると発表し、フランは 原田審議員が 3 月に任命されることを考えれば、今年後半 対ユーロで一気に 2 割も上昇しました。ピクテの試算によ にも追加緩和に踏み切る可能性があると見られます。 れば、輸出が GDP の約50%に相当するスイスにとって 2 割 ピクテ世界景気先行指数 (月次、期間:2012年12月~2014年12月) の自国通貨高は 4%の利上げに匹敵する景気下押し効果 があると思われ、2015 年のスイス経済は景気後退および 物価下落が避けられない見通しです。 その後 1 月 22 日には、ECB が国債買取りを含む大規 模な量的金融緩和策を発表しました。今年3 月から少なくと も 2016 年9 月まで月間600 億ユーロの資産買取りを行うと いう内容で、規模の大きさもさることながら、2%程度の物 価上昇が見通せるまでは期間無制限で行うという点で市 場の予想を上回るものでした。さらにギリシャの総選挙で 急進左派連合が勝利し、ユーロ離脱懸念が再燃した(前月 号の当レポート参照)ことも手伝って、ユーロは対ドルでお よそ 11 年ぶりとなる安値まで下落しました。 またルーブル防衛のため2014年12月に政策金利を ※世界景気先行指数はピクテが独自で算出している指数 出所:ピクテ・アセット・マネジメントのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 17%へと引き上げたばかりのロシアは、借入需要の減退 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 1 | ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート| 2015 年 2 月 ピクテ投信投資顧問株式会社 ご参考資料 Focus ピ ク テ の 資 産 運 用 戦 略 マ ンス リ ー レ ポ ー ト や欧米の経済制裁による景気悪化に対処するため、2015 年1月30日には一転して2%の利下げを行いました。カナダ 落ちるナイフは掴むな やオーストラリアも相次いで利下げに踏み切っており、い ずれも金利据え置きを予想していた市場参加者は予想外 強力な物価下落要因となってきた原油価格に変化の の利下げに驚かされました。金融緩和の動きはエネルギ 兆しが見え始めています。シェール革命によって米国の産 ー輸入国でも広がり、物価下落を背景にインドやトルコ、シ 油量が飛躍的に伸びたことや石油輸出国機構(OPEC)が ンガポールなどが金融緩和策を実施しています。 減産を見送ってきたことから原油生産は供給過剰に陥り、 WTI の原油先物価格は一時 1 バレル 45 ドルを割り込んで FRB の利上げ観測は萎んでいるが いました。しかし流石にこの水準では多くの石油生産者が 採算割れに追い込まれた模様で、米国の油田掘削装置の 稼動数を見ると 1 月末時点で 2 ヵ月前と比べて 20%も減少 各国の中央銀行が雪崩を打って金融緩和に傾く一方、 するなど、ようやく生産調整が始まったようです。 米連邦準備制度理事会(FRB)は2015年前半に利上げに踏 み切るとの見方が主流でした。ところが最近の米国の経済 ただし米エネルギー情報局が週次で発表する統計は 指標を見ると、失業率が順調に改善している割には労働者 原油在庫が過去30 年間で最高水準にまで積み上がってい の賃金は上昇しておらず、消費者物価や個人消費も下振 ることを示しており、需給の改善は未だ確認されていませ れています。このため市場ではFRBの利上げ観測が急速 ん。このため目先の原油価格は様々な思惑から激しい値 に後退しており、FF金利先物から逆算される利上げ確率を 動きが予想され、値頃感だけで買いを入れると痛い目に遭 見ると、2015年12月に0.25%の利上げが行われる確率が う危険があります。海外の相場格言にも「落ちるナイフは ようやく50%を超えている状況です。利上げ観測の後退に 掴むな」という言葉があるように、落下中のナイフを素手で 呼応するように米10年国債利回りは1.8%台にまで低下し、 掴むような投資行動は、決して賢明とは言えません。 ドル円相場も117円前後での膠着が続いています(2月6日 時点)。 こういう時の対処法は、ナイフが床に落ちきった後に 拾うこと、すなわち相場が底を打って反転したことを確認し しかしピクテはFRBの利上げ先送り観測は行き過ぎと てから買いを入れることです。大底を買うことはできないか 考えています。確かに労働者の平均時給は伸び悩んでい も知れませんが、原油や鉄鉱石などの資源は、供給過剰 ますが、より広範な実態を示す雇用コスト指数は着実に上 による価格下落と投資不足による価格上昇を長期的に繰り 昇しています。また2014年12月の個人消費の下振れはガ 返すため、大きなトレンドを確認してからでも十分間に合う ソリン価格低下に伴う燃料支出の減少が主な要因なので はずです。辛抱強く機を窺い、チャンスが来たら思い切っ すが、市場は表面的な数字だけに注目する一方で、消費 て行動することが幸運の女神と仲良くなる秘訣です。 者信頼感が14年ぶりの高水準に達している点はあまり考 慮していないようです。こうした理由から、米国景気の先行 きに対する市場の懸念は一側面を見たものに過ぎず、 2015年7~9月に0.25%の利上げが行われるとのシナリオ (※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容 を変える必要はないと考えています。 が変更される場合があります。) 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 2 | ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート| 2015 年 2 月 ピクテ投信投資顧問株式会社 ご参考資料 Focus ピ ク テ の 資 産 運 用 戦 略 マ ンス リ ー レ ポ ー ト 参考データ 世界の主要株価、外為、債券、商品市況 (2015年1月) 世界の主要株式市場 (米)NYダウ工業株30種 (米)ナスダック総合指数 (日)TOPIX (日)日経ジャスダック平均 (欧)ユーロ・ストックス50種 (英)FTSE100指数 (中国)上海総合指数 (香港)ハンセン指数 (ブラジル)ボベスパ指数 (インド)SENSEX30指数 (ロシア)RTS指数$ (世界)MSCI世界株価指数 (新興国)MSCI新興国株価指数 当月末 17,165 4,635 1,415 2,357 3,351 6,749 3,210 24,507 46,908 29,183 737 - 前月末 17,823 4,736 1,408 2,364 3,146 6,566 3,235 23,605 50,007 27,499 791 - 前年末 17,823 4,736 1,408 2,364 3,146 6,566 3,235 23,605 50,007 27,499 791 - 月間騰落率 -3.7% -2.1% +0.5% -0.3% +6.5% +2.8% -0.8% +3.8% -6.2% +6.1% -6.7% -0.6% +1.4% 年初来騰落率 -3.7% -2.1% +0.5% -0.3% +6.5% +2.8% -0.8% +3.8% -6.2% +6.1% -6.7% -0.6% +1.4% 東京外為(対円、TTM) 米ドル ユーロ 英ポンド スイスフラン 豪ドル 加ドル 当月末 118.25 133.88 178.29 128.35 92.06 93.72 18.79 前月末 120.55 146.54 187.03 121.80 98.07 103.63 19.33 前年末 120.55 146.54 187.03 121.80 98.07 103.63 19.33 月間騰落率 -1.9% -8.6% -4.7% +5.4% -6.1% -9.6% 年初来騰落率 -1.9% -8.6% -4.7% +5.4% -6.1% -9.6% -2.8% -2.8% 43.76 1.93 1.72 3.61 10.25 45.10 1.91 2.04 3.67 10.38 45.10 1.91 2.04 3.67 10.38 -3.0% +1.0% -15.7% -1.6% -1.3% -3.0% +1.0% -15.7% -1.6% -1.3% 当月末 1.68% 0.29% 0.27% 2.43% 0.25% 0.10% 0.05% 前月末 2.18% 0.33% 0.54% 2.81% 0.25% 0.10% 0.05% 前年末 2.18% 0.33% 0.54% 2.81% 0.25% 0.10% 0.05% 月間変化幅 -0.50% -0.05% -0.27% -0.38% +0.00% +0.00% +0.00% 年初来変化幅 -0.50% -0.05% -0.27% -0.38% +0.00% +0.00% +0.00% 当月末 47.79 1,273.24 前月末 53.45 1,186.33 前年末 53.45 1,186.33 月間騰落率 -10.6% +7.3% 年初来騰落率 -10.6% +7.3% 中国元※ ブラジルレアル※ インドルピー ロシアルーブル タイバーツ 南アフリカランド (※トムソン・ロイター・データストリームの参照レートによる) 主要債券市場及び政策金利 米10年国債利回り 日10年国債利回り 独10年国債利回り 豪10年国債利回り 米政策金利(FFレート) 日政策金利(無担コール翌日) 欧政策金利(リファイナンス金利) 商品市況 原油(WTI期近、1バレル、ドル) 金(1オンス、ドル) ※ ※ MSCI 指数は、MSCI が開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利は MSCI に帰属します。また MSCI は、同指数の内容を変更 する権利および公表を停止する権利を有しています。 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 当資料をご利用にあたっての注意事項等 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推 奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果 等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性,、使用目的への適合 性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金 等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。●登録 金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資そ の他に係る助言を構成するものではありません。 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 3 | ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート| 2015 年 2 月 ピクテ投信投資顧問株式会社
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