より広く、身近に。ロボティクス市場の現状と見通し

ご参考資料
ピクテ・グローバル・マーケット・ウォッチ 2016年2月1日
グローバル
Pictet Global Market Watch
より広く、身近に。ロボティクス市場の現状と見通し
これまで、効率化や安全の代名詞であったロボット。近年ではその精度の向上、技術の多様化などの様々な要
因によって、その市場規模は拡大傾向にあります。また、株価パフォーマンス面でも過去5年間、世界株式に対し
て上回って推移しました。この背景には、期待される長期的な利益成長トレンドが寄与したと考えられます。
ロボティクス市場の変遷
2035年までにサービス分野が急速に拡大
図表1:2035年までの国内ロボティクス市場見通し
期間:2015年~2035年、値は予想値
2035年
従来、産業用ロボットが大きなシェアを持っていたロボ
9兆7,080億円
国内ロボティクス市場
ティクス市場ですが、近年、その市場に変化が見られま
+9.4%(年率)成長
す。経済産業省および新エネルギー・産業技術総合開
発機構(NEDO)によると、2015年に1兆5,990億円程だっ
た日本国内のロボティクス市場の市場規模は2035年ま
2015年
国内サービス
でに9兆7,080億円にまで拡大し、およそ9.4%(年率)で成
ロボティクス市場
1兆5,990億円
製造分野 28%
+13.8%(年率)成長
長していくことが予想されています(図表1参照)。また、
2015年時点では製造分野が約63%を占めていましたが、
サービス 51%
サービス 23%
今後、個人向けロボットやヘルスケア機器などを含む
ロボット(RT)
サービス分野が年率13.8%で急成長し、市場構造にも変 農林水産物
16%
3%
製造分野 63%
化をもたらすことが期待されます。これはロボット・テクノ
ロボット(RT)
ロジーの精度の高まりや低コスト化などを受けて、従来
11%
農林水産物 5%
技術の応用が盛んになったことが背景のひとつです。例
えば、自動車部品メーカーであるデンソー(日本)は2015
出所:経済産業省および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
年4月、同社の高いセンシング技術を応用した手術支援
のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
ロボの販売を開始し、ヘルスケア機器セクターへ参入し
ました。
図表2:インターネットに接続される機器の予想推移
今後、このような従来のロボット・テクノロジーの応用が
期間:2011年~2013年(実績値)、2014年~2020年(予想値)
様々なセクターとの接点を増やし、さらなるロボティクス
600
市場の成長が期待されています。
530
ITがテクノロジーの成長に拍車をかける
<次ページに続きます>
ピクテ投信投資顧問株式会社
IoTデバイス数(億個)
ITの拡大もロボティクス市場の成長を加速させています。
例えば、自動運転システムにおいて、ITを活用した地図
データがその実用化に大きく貢献しています。地図情報
会社ゼンリン(日本)は各種道路ネットワークデータと3次
元高精度空間データをクラウド上でデータベース化する「
ZGM Auto」 の開発を発表しました。この地図データは自
動運転の予測精度を高め、他のセンサー情報などを補
完する第二のセンサーとして注目されています。
このように、ITは多様な情報を集約することで技術の正
確性や効率性を向上させ、テクノロジーの成長に貢献し
ています。また、総務省によれば、インターネットに接続
される機器は2020年までに500億個を超えるとも予想さ
れており(図表2参照)、集約されるデータの多様化、規
模の拡大が進むにつれ、ITのロボティクス市場における
有効性は今後、さらに高まっていくと思われます。
500
466
404
400
349
296
300
242
197
200
158
104
123
100
0
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
予想 予想 予想 予想 予想 予想 予想
出所:平成27年版情報通信白書のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として紹介
したものであり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。
また、記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものでは
ありません。
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
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Pictet Global Market Watch
グローバル
世界株式を大きく上回る
ロボティクス関連株式の株価パフォーマンス
図表3:過去5年間のロボティクス関連株式の
株価パフォーマンス推移
日次、期間:2010年12月31日~2015年12月31日
2010年12月末=100として指数化
200
市場規模や関連セクターを急速に拡大させているロボ
ティクス関連株式は株価パフォーマンスにおいても良好
であるといえます(図表3参照) 。ロボティクス関連株式
(ドルベース・配当込み)の過去5年間(2010年12月末~
2015年12月末)のパフォーマンスを振り返ると、2012年
末以降、世界株式(MSCI AC世界株式指数、ドルベー
ス、配当込み)を大きく上回って推移しました。その結果、
2015年12月末までで、世界株式が+6.7%(年率)であった
のに対して、ロボティクス関連株式は+11.6%(年率)と、
世界株式を大きく上回るパフォーマンスでした。
年率
ロボティクス関連株式
180
+11.6%
世界株式
160
+6.7%
140
120
100
80
10年12月
11年12月
12年12月
13年12月
14年12月
15年12月
※ロボティクス関連株式:ROBO Globalロボティクス・アンド・オートメー
ション指数、世界株式:MSCI AC世界株式指数(全てドルベース、配当
込み)
出所:ブルームバーグを使用しピクテ投信投資顧問作成
株価パフォーマンスを支える高い利益成長
今期は2ケタ成長見通し
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではあ
りません。
ピクテ投信投資顧問株式会社
2015年12月末時点
30
インターネット・ソフトウェア・
サービス
25
1
2
ヵ
月
先
予
想
P
E
R
ロボティクス関連株式
割高
ソフトウェア
20
情報技術サービス
コングロマリット
耐久消費財・アパレル
電気設備
機械
ヘルスケア機器
・サービス
世界株式
15
( )
このような、良好なパフォーマンスの背景にはロボティ
クス関連企業の高い利益成長見通しがひとつの要因と
して考えられます。
ロボティクス関連株式と世界株式のバリュエーション
(投資価値評価)、利益成長見通しを比較してみます。
バリュエーションの観点では、向こう12ヵ月の世界株式
の予想PER(株価収益率)が15倍程度であるのに対して、
ロボティクス関連株式は23倍と相対的に割高な水準と
なっています。 (図表4参照) 。
しかし、ロボティクス関連企業の多くは消費財やIT、ヘ
ルスケア機器などの高利益成長セクターに含まれてい
ます。向こう12ヵ月の一株あたり利益(EPS)成長率予
想ではおよそ+11%(前年比)と2ケタ増益が見込まれ、
世界株式の+7.7%(前年比)を超える水準が予想されて
います。
今後も市場拡大と高成長が期待されるロボティクス関
連企業の動向が注目されます。
図表4:各ロボティクス関連セクターのバリュエーションと
利益成長見通し
家庭用耐久財
倍
10
自動車
割安
5
高利益成長予想
低利益成長予想
0
0
5
10
15
20
25
12ヵ月先予想EPS成長率(%)前年比
(12ヵ月先予想)
※ロボティクス関連株式:ROBO Globalロボティクス・アンド・オートメー
ション指数、ヘルスケア機器・サービス:MSCI世界ヘルスケア機器・サー
ビス指数、ソフトウェア:MCSI世界ソフトウェア指数、耐久消費財・アパレ
ル:MSCI世界耐久消費財・アパレル指数、電気設備:MSCI世界電気設
備指数、家庭用耐久財:MSCI世界家庭用耐久財指数、インターネット・
ソフトウェア・サービス:MSCI世界インターネット・ソフトウェア・サービス
指数、情報技術サービス:MSCI世界情報技術サービス指数、機械:
MSCI世界機械指数、自動車:MSCI世界自動車指数、コングロマリット:
MSCI世界コングロマリット指数、世界株式:MSCI AC世界株式指数(全
てドルベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリーム、ブルームバーグのデータを
使用しピクテ投信投資顧問作成
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