ご参考資料 ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート F o c u s 2017年 1月号 日本の投資家の皆様へ短期的な投資環境見通し (1~3 ヵ月程度)を毎月お届けします 期待と現実の狭間で アンダーウエイト (弱気) ■推奨資産配分 ニュートラル (中立) 米国をけん引役として先進国の景気見通し は改善が続いていますが、世界的に流動性 供給が減少していく見込みであることはリス ク資産の上値を抑える要因となります。また、 トランプ氏の米大統領就任を控える中、今 後政治的な現実を目の当たりにすることに よって金融市場に混乱が生じる可能性も考 慮し、株式、債券ともに中立評価を継続しま す。 ■推奨ポートフォリオ配分 トランプ・ラリーを受けた金利の急騰は一服 したと見ており、バリュエーション面で投資妙 味の出てきた世界高配当公益株式の評価 を一段階引き上げ、やや弱気とします。また、 バリュエーションが魅力的な水準にあること から、バイオ医薬品関連株式の評価はやや 強気を据え置きます。 ◀◀ ▷▷ 債券 ゴールド 米ドル ユーロ 豪ドル ◀ ブラジルレアル ▷ 世界高配当公益株式 新興国高配当株式 バイオ医薬品 関連株式 世界メジャー・プレイ ヤー企業株式 日本ナンバーワン 企業株式 プレミアム・ブランド 企業株式 欧州株式 ロボ関連企業株式 セキュリティ関連 企業株式 エコ関連企業株式 優良先進国国債 米欧投資適格社債 (中短期) 米国ハイイールド債券 新興国国債 資源国国債 ゴールド ピクテ投信投資顧問株式会社 先月から の変化 株式 ■推奨通貨配分(対円) 米国経済が堅調に推移している他、2017年 の利上げ回数は市場の想定を上回る見通 しであることからドル高基調が続くと考え、 米ドルのやや強気評価を維持します。ユー ロは、フランスの大統領選挙やオランダ、ド イツの総選挙を控える中、政治リスクが上値 を抑えると見ており中立評価を継続します。 また、米次期政権が保護主義的な政策を打 ち出していること、オーストラリアの景気先 行指数が相対的に弱含んでいることなどを 考慮し、豪ドルの評価を中立に引き下げま す。 オーバーウエイト (強気) 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 ご参考資料 Focus ピ ク テ の 資 産 運 用 戦 略 マ ンス リ ー レ ポ ー ト 日本の景気先行指数も改善が続いています。堅調な労 今月の投資環境 働市場が個人消費の伸びを支えていることに加えて、円安 は輸出企業の業績にプラスに働くと期待されます。 対照的に、中国に対しては警戒の度合いを強めていま 世界経済は拡大する見通し す。金融政策が引き締めに転じていることに加えて、資本 世界の景気見通しは改善を続けており、ピクテでは2017 年の世界の経済成長率を+2.9%と予想しています。米国と 資源国をけん引役として、+2.6%と予想している2016年より 流出の加速を背景として人民元の下落圧力が高まってお り、中国企業が抱えるドル建て債務の返済コストが上昇し ているためです。もっとも、新興国にとって明るい材料もあ ります。資源価格の上昇や先進国の需要増に伴う貿易の も景気は拡大する見通しです。 米国では、個人消費や住宅市況、製造業活動がいずれ 拡大から恩恵を受ける国もあるからです。 も堅調に推移しています。債券利回りの上昇やドル高、原 油高に伴うマイナスの影響など景気に対する不安材料は トランプ大統領のお手並み拝見 ありますが、トランプ次期米大統領の政策は経済成長率に 対して総じてプラスの効果を及ぼすと見ています。 ユーロ圏では、緩和的な金融政策や、ユーロ安によって 輸出が促進されるとの期待もあり、景気見通しは良好です。 堅調な労働市場を背景とした個人消費の伸びが依然として 経済成長のけん引役ですが、製造業活動も改善が続いて 2016年11月の米大統領選挙で共和党のドナルド・トラン プ氏が勝利してからというもの、トランプ次期米大統領の掲 げる減税やインフラ支出の拡大といった公約が好感され、 恩恵を受けると予想される銘柄は大幅に上昇しました。し かし、市場は過度に楽観的になっている可能性もあり、少 います。 なくとも短期的には過熱感が見られます。株式市場にプラ スとなる政策ばかりに気を取られてマイナス材料への気配 ピクテ世界景気先行指数 (月次、期間:2014年11月~2016年11月) 4% りを忘れてはいけません。2017年も米連邦準備制度理事 会(FRB)による追加利上げが見込まれている他、ドル高は 前3ヵ月平均比% ピクテ世界景気先行指数(年率) 多国籍企業の業績にマイナスの影響を及ぼします。また、 3年移動平均 米国株式は既に割高な水準で取引されており、金融政策 3% が引き締めに転じる局面ではバリュエーション(投資価値評 価)に縮小圧力がかかることも覚悟しなければなりません。 2% 1月20日にトランプ氏は第45代米国大統領に就任します。 上下両院共に共和党が過半数を占めていることから、トラ ンプ次期米大統領の政権運営は比較的容易であると考え 1% られます。もっとも、同氏の掲げる政策が共和党の内部か ら抵抗を受ける可能性はあります。共和党が目指している 0% 14年11月 15年5月 15年11月 16年5月 16年11月 ※世界景気先行指数はピクテが独自で算出している指数 出所:ピクテ・アセット・マネジメントのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 のは基本的に「小さな政府」であり、減税および公共投資 の拡大を実現するにあたっては、財源を示す必要に迫ら 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 1 | ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート| 2017 年 1 月 ピクテ投信投資顧問株式会社 ご参考資料 Focus ピ ク テ の 資 産 運 用 戦 略 マ ンス リ ー レ ポ ー ト れるかもしれません。結果的には、大部分の公約が実現 もあります。 することになると思われますが、実現に至るまでの過程で は、「トランプ大統領」への過度な期待が剥落し、相場が調 整する場面も見られるでしょう。景気刺激的な政策を実現 辛抱する木に金がなる に導き、マイナス材料を上回るプラスの効果を米国経済に もたらすことが出来るのか、トランプ次期米大統領の政権 運営に注目が集まります。 2017年の金融市場は、トランプ次期米大統領の政権運 営や欧州の政治情勢、原油価格の動向に左右されると見 ています。トランプ氏が大統領に就任した後は市場も現実 原油の減産は遵守されるのか? を直視せざるをえません。トランプ次期米大統領が掲げる 政策に対する過度な期待は一部剥落すると予想され、今 後は政権運営の巧拙が問われます。また、欧州では政治 2016年11月末の石油輸出国機構(OPEC)会合でおよそ8 イベントに事欠きません。フランスでは大統領選挙、オラン 年ぶりの減産合意に至った他、12月にはロシアを始めとす ダおよびドイツでは総選挙を控えています。大陸欧州でも る非OPEC加盟国とも減産で合意したことから、原油価格 ポピュリスト政党が勢いを増す中、英米に続いて「想定外」 は騰勢を強めました。2017年1月より、各国は合意に基づ の結果がもたらされる可能性は軽視できません。加えて、 いて減産を開始する予定であり、今後は遵守状況に注目 英国が強硬な姿勢で欧州連合(EU)との離脱交渉に臨むと が集まります。国際エネルギー機関(IEA)によれば、2017年 の観測が浮上するたびに英ポンドが売り込まれるなど、 には需要の増加も見られることから、年後半には需要超過 「ブレグジット」の行く末も引き続き相場を動かす材料です。 に転じる見通しです。加えて、減産が合意通りに実施され 原油については、相場動向の鍵を握っているのはOPECで ればさらに需給が引き締まることとなるため、原油価格は あり、減産の進捗度合いを注視していく必要があります。 堅調に推移すると見られます。 「辛抱する木に金がなる」という相場の格言があります。 もっとも、原油価格が底堅く推移すれば米国のシェール 辛抱、忍耐の大切さを説いた相場訓の一つですが、2017 オイル企業が増産に動くことも予想され、需給調整は一筋 年の心構えとしてふさわしいと考えています。トランプ次期 縄では行かない可能性もあります。また、中国の景気減速 米大統領の公約や原油の需給均衡など、いずれも効果が が懸念される中、原油需要の伸びが想定を下回る可能性 現れるには時間がかかります。しかし、相場は相当程度好 もあります。さらに、OPECおよび非OEPC諸国の減産が合 材料を織り込んでおり、過度な期待が剥落すれば、当面は 意通りに進まないようであれば、供給過剰の解消が2018 株が売られる事態も覚悟しておく必要があります。もっとも、 年以降に先延ばしになる可能性もあり、原油価格が再び調 年後半以降は、米国経済の改善や原油の供給過剰解消な 整する事態も念頭に置いておく必要があります。ピクテで どの効果が目に見えて確認できると予想しています。下げ は2017年の世界経済をけん引する一翼は資源国であると 局面はむしろ買い場であると見ており、買い余力を蓄えて 見ていますが、これは原油価格が堅調に推移し、産油国 おきたいと思います。 の経済成長率にプラスの影響を与えることを前提にしてい ます。原油価格次第では景気見通しの大前提が崩れる恐 (※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容 れもあり、2017年の相場のかく乱要因の一つになる可能性 が変更される場合があります。) 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 2 | ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート| 2017 年 1 月 ピクテ投信投資顧問株式会社 ご参考資料 Focus ピ ク テ の 資 産 運 用 戦 略 マ ンス リ ー レ ポ ー ト 参考データ 世界の主要株価、 外為、 債券、 商品市況 (2016年12月) 世界の主要株式市場 当月末 前月末 前年末 月間騰落率 年初来騰落率 (米)NYダウ工業株30種 (米)ナスダック総合指数 (日)TOPIX (日)日経ジャスダック平均 (欧)ユーロ・ストックス50種 (英)FTSE100指数 19,763 5,383 1,519 2,739 3,291 7,143 3,104 22,001 60,227 26,626 1,152 - 19,124 5,324 1,469 2,668 3,052 6,784 3,250 22,790 61,906 26,653 1,029 - 17,425 5,007 1,547 2,648 3,268 6,242 3,539 21,914 43,350 26,118 757 - +3.3% +1.1% +3.3% +2.7% +7.8% +5.3% -4.5% -3.5% -2.7% -0.1% +12.0% +2.7% -0.1% +13.4% +7.5% -1.9% +3.5% +0.7% +14.4% -12.3% +0.4% +38.9% +1.9% +52.2% +6.8% +7.1% 当月末 116.49 122.70 143.00 114.21 84.36 86.46 前月末 112.42 119.70 140.46 111.11 84.14 83.68 前年末 120.61 131.77 178.78 121.52 87.92 87.18 月間騰落率 年初来騰落率 +3.6% +2.5% +1.8% +2.8% +0.3% +3.3% -3.4% -6.9% -20.0% -6.0% -4.0% -0.8% 16.78 16.54 18.53 +1.4% -9.4% 35.84 1.72 1.94 3.24 8.58 33.69 1.64 1.73 3.16 8.10 30.41 1.82 1.67 3.34 7.87 +6.4% +4.9% +12.1% +2.5% +5.9% +17.9% -5.5% +16.2% -3.0% +9.0% (中国)上海総合指数 (香港)ハンセン指数 (ブラジル)ボベスパ指数 (インド)SENSEX30指数 (ロシア)RTS指数$ (世界)MSCI世界株価指数 (新興国)MSCI新興国株価指数 東京外為(対円、TTM) 米ドル ユーロ 英ポンド スイスフラン 豪ドル 加ドル 中国元※ ※ ブラジルレアル インドルピー ロシアルーブル タイバーツ 南アフリカランド (※トムソン・ロイター・データストリームの参照レートによる) 主要債券市場及び政策金利 当月末 2.45% 0.05% 0.11% 2.77% 0.75% -0.10% 0.00% 前月末 2.37% 0.02% 0.20% 2.74% 0.50% -0.10% 0.00% 前年末 2.27% 0.25% 0.63% 2.96% 0.50% 0.10% 0.05% 月間変化幅 年初来変化幅 米10年国債利回り 日10年国債利回り 独10年国債利回り 豪10年国債利回り 米政策金利(FFレート) 日政策金利(無担コール翌日) 欧政策金利(リファイナンス金利) +0.08% +0.03% -0.09% +0.03% +0.25% +0.00% +0.00% +0.18% -0.21% -0.53% -0.19% +0.25% -0.20% -0.05% 商品市況 当月末 前月末 前年末 月間騰落率 年初来騰落率 53.75 1,157.49 49.41 1,173.76 37.13 1,062.38 +8.8% -1.4% +44.8% +9.0% 原油(WTI期近、1バレル、ドル) 金(1オンス、ドル) ※ MSCI 指数は、MSCI が開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利は MSCI に帰属します。また MSCI は、同指数の内容を変更す る権利および公表を停止する権利を有しています。 ※ 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 当資料をご利用にあたっての注意事項等 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨 やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等 を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性,、使用目的への適合性 を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等 ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。●登録金 融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その 他に係る助言を構成するものではありません。 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 3 | ピクテの資産運用戦略マンスリーレポート| 2017 年 1 月 ピクテ投信投資顧問株式会社
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