見た目は女、だが男の剣士である。 ID:71701

見た目は女、だが男の剣士である。
reira
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︻あらすじ︼
ソードアートオンライン。
通称SAOと呼ばれる、HPが0となると同時に命を失う、デス
ゲーム。
そこではリアルと全く同じ顔、同じ体格でリアルにとてつもなく近
い生活が送られていた。
そのなかにただ一人、現実とは全くかけ離れた姿でゲームに挑んだ
少jy⋮少年がいた。
目 次 全てはここから始まった │││││││││││││││││
1
全てはここから始まった
2022年11月5日
星空がきれいな夜の世田谷区。その隅にあるひっそりと立つ一軒
家。
﹁フンフンフフーン♪﹂
と楽しそうに鼻歌を歌っているのは至って平凡な中学一年生の僕、
小野道 広路︵おのみち ひろ︶。僕は明日をとても楽しみにしてい
た。
学校からダッシュで帰宅し、ご飯も一瞬で食べ終わり、お風呂も5
分も入らずに出て夜7時に寝る支度を整えた程だ。
それもそのはず、明日は前々から楽しみにして予約がとれたソード
アートオンラインとナーヴギアの発売日なのだ。予約は半年前から
していたのにギリギリだった。明日の朝には家に届く。
欲しい
﹂
ている。両親曰く︽自慢の姉︾だそうだ。
そもそもこの姉は、マッドサイエンティストではないけど部屋にこ
も っ て 新 薬 の 調 合 を ほ ぼ 毎 日 や る よ う な 人 な の だ。眠 れ る 薬 位 は
ちょちょいのちょいだろう。
⋮過去に一度試験薬を飲まされて大変な目にあったが。
﹂
﹁はい、どうぞ。そこそこ強力なのにしたから、寝る前に噛まずにコッ
プ一杯の水で飲むのよ
﹁はーい。﹂
そんな姉だから薬の飲み方にもうるさい。
?
1
しかも明日は休日、寝る支度はしたからあとは数少ない宿題をこな
して寝るだけだ。
その様子を姉、小野道 曲路︵おのみち きょくろ︶は苦笑いで見
﹂
つめる。そしてニヤニヤしながら僕に一言
﹁よく眠れる薬、あげようか
?
その問いに、僕はもちろん元気な声で
﹁うん
!
姉は成績優秀で美人、医学の専門家。さらには薬剤師の資格も持っ
!
僕はそそくさと部屋に戻る。
朝だ∼
﹂
この時、僕は姉のいたずらっ子のような笑みに気がつくべきだっ
た。
﹁ん∼
﹁来た
やったー
﹂
その時、ちょうど玄関のインターホンがなった。宅配便だ。
寝ている。
11月6日、ついにこの日が来た。起きた時刻は7時半。姉はまだ
!
ロードだ。
名前はロードにした。小野道の道と広路の路をとって道路、英語で
まず最初に初期設定があるのはお約束。セットアップステージだ。
僕はこの時程、後悔したことはない
そして早速ナーヴギアを装着し、リンクスタートと叫ぶ。
配便が何故顔をそむけていたかもわからなかった。
この時、嬉しさのあまり自分に起きた変化に気がつけなかった。宅
!
2
!
!
︶
珍しいのはボイスレコード。声を録音するらしい。ここでやっと
変化に気がつく
︵なんか何時もより声が高いな
﹂
﹂
もしかして広路
﹁ねぇ、どういうこと
﹁ん∼⋮あれ
﹂
そんな僕に姉はのんびり答える。
﹁また女の子になっちゃったんだけど
﹂
まだ寝ている姉を無理やり起こして問い詰めた。
服がはだけてしまっていた。宅配便が顔をそむけたのも無理はない。
膨らんだ胸によりパジャマのボタンはどこかに飛んでいったのか、
はすぐにログアウトして服装に気がつく。
初期のアバター設定︵もちろん男のアバターだ︶が終了したあと、僕
今日は休日で学校がないのが唯一の救いだ。
ん。
⋮まぁ1日で戻ったが。便所の時は大変だった。これ以上は話さ
と、変な注目を浴びる羽目になった。
﹁どっからどう見ても女じゃん︵笑︶﹂
そのため、
む程度で済んだのだ。が、学校がある日だったのでそれを見られた。
飲まされた際も似たことがあった。あの時は未完成なのか、胸が膨ら
女体化したのはこれが初めてではない。過去に頼まれて試験薬を
ました。
俺の悲痛な叫びは真っ白なセットアップステージにむなしくこだ
﹁ウソだー
に一種の不安がよぎり、慌ててアソコを触るが、ない。
そして異変に気がついた。そこで感じたのは柔らかい弾力。脳裏
ちを触る。目的は不明だが⋮
そして決定的だったのがキャリブレーションだ。身体中のあちこ
でも、これはボイスエフェクタを調節すれば何とかなるだろう。
?
?
!?
﹁いや、ついつい﹂テヘペロ
﹁おい﹂
!
?
3
!
ここでテヘペロとかいらないからしないで欲しい。というか怒っ
ていることに気がつけ。
﹂
﹁大丈夫、睡眠薬の効果もあるし、1日で元に戻る。その点は実験用の
マウスで確認済み⋮﹂
﹁そういう問題じゃない
しょ
﹂
﹁うっ﹂
﹂
﹁そして、アバターもあるからゲームに支障はきたさないでしょ
﹁ううっ⋮﹂
﹁まぁ、お姉ちゃんを助けると思ってお願い
その後この考え方は甘かったことに、このミスがとても重大な物
再起動する。
そして部屋に籠り始めた。僕はしぶしぶ部屋に戻り、ナーヴギアを
﹁じゃ、よろしくねぇ。﹂
違う、姉が上で僕が下だ。姉の言う通りだから、ぐぅの音も出ない。
﹁でもお母さん達は﹁もう了承は得てるの﹂うう⋮﹂
﹂
﹁ま ぁ で も、ど う せ 1 日 中 ほ と ん ど ゲ ー ム す る か ら 外 に 出 な い ん で
と思っていたが
僕と姉はボケとツッコミという関係で成り立っているのだろうか。
!
だったことに今日の夕方僕は気がつくこととなる。
4
!
?
?