短期予報解説資料1 - 日本気象

短期予報解説資料1 2014年11月27日15時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①日本の東に[SW]級の発達中の
低気圧が東進中。
東北太平洋側か
ら関東地方の海上では波が高く、
一部でしけている。
②先島諸島近海は 850hPa の暖湿
気(θe約336K)がSEから流入し、
鉛直シアーも大きく、
対流雲が組
織化。午前中に 1 時間 74mm の短
時間強雨を観測。動向に留意。
③沿海州付近の寒冷前線が北海
道に接近中。5400m 付近の寒気伴
うトラフは先行しているため、
断
域内の北海道西海上で対流雲域
がやや拡大・発達傾向。
④500hP5580~5700m のリッジが
日本海を東進中。本州から九州は、日本海の移動性高気圧に覆われてきた。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①1 項①によるうねりが、28 日にかけて東北太平洋側と関東に入る見込み。引き続き高波に注意。
②27 日夜には寒冷前線が北海道北部へ進むが、トラフ先行するため北海道への影響は小さい見込み。
③27 日は夜にかけて華中に 500hPa5700~5760m のトラフが進み、前線(850hPa 面では 9℃付近)が顕在
化。28 日は後続の北のトラフ(5580~5640m)と次第に対応がよくなり、夜に朝鮮半島西岸付近の前線上
に低気圧が発生し、日本海では[W]級の強風を見込む。西日本では 29 日寒冷前線が通過する。この暖
域内では、日本の東へ進む高気圧の後面流による暖湿気が前線接近前に、東海地方付近に流入する見
込み。西日本太平洋側・南西諸島付近では前線前面で下層の SE と SW 風の収束場が形成され、また、
日本海側の地方でも低気圧周辺の暖湿気流入の影響で、大気の状態が不安定となるおそれがある。こ
れらの影響による、雷を伴った短時間強雨に注意。
④先島諸島付近は 28 日にかけても 850hPaθe 約 336K の暖湿気が流入、対流雲の発達・組織化に伴う
短時間強雨・雷に注意・警戒。
3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新初期値の GSM を採用するが、沖縄付近では、MSM のメソじょ
う乱の表現も参考。②波: 28 日にかけて北日本太平洋側と関東ではうねりによる波浪モデルの上方修
正を検討。
4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):高いところ(100mm
以上)はないが、2 項の短時間強雨に留意。②波(明日まで):東北太平洋側・関東 4m、伊豆諸島 3m。
5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はない。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。