短期予報解説資料1 2014年 8月 3日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①台風第 12 号は黄海にあって動 台風は最新の台風予報参照。 きが遅い。 衛星画像では中心付近 台風第12号は、4日午 では、 下層渦が見られる程度だが、 後にはTDとなるが、動 東側に活発な雨雲を伴っている。 きが遅い。西日本は4 日にかけ大雨に警戒。 ②台風第 12 号に南から吹き込む うねりを伴った高波に 下層暖湿気 (850hPa で350K 前後) も注意。 が四国を中心とした西日本に流 入しており、 四国では断続的に猛 烈な雨を観測している。 台風の動 きが遅いため総雨量が多くなっ ており、 すでに8月の月降水量の 平年値を大きく超えているとこ ろもある。 土砂災害や河川のはん 濫に厳重警戒。 ③東日本の上空には 500hPa-6℃ 前後の寒気が残っており、 山沿い を中心に熱的不安定による対流雲が発達して発雷している。 4日、前線がのび る北海道では短 時間強雨に注意。 東日本~東北では、 4日にかけ南から 暖湿気が流れ込む。 局地的な対流雲の 発達に注意。 前線記号はFT48は白塗り 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①台風第 12 号は勢力を徐々に弱めながら 4 日午前には朝鮮半島に上陸し、4 日午後には TD に弱まる見 込み(最新の台風予報参照)。台風の東側から日本海北部には暖湿気が流入して、4 日夜には前線 (500hPa5760m 付近に対応)が顕在化する見込み。 ②台風第 12 号は中心付近では風が弱く周辺の風が強い。衰弱は比較的ゆっくりで 4 日にかけても九州 を中心に風が強く、波も高い状態が続く見込み。また、台風の動きは遅いため、西日本では下層風系 に大きな変化なく、サブハイ後面からの南よりの暖湿気が流れ込む状態が 4 日にかけて続く。すでに かなりの雨量を観測しており、引き続き土砂災害や河川のはん濫、低地の浸水に警戒が必要。 ③東日本や東北付近では、前項の暖湿気の一部が 4 日にかけ広がる。次第に強まるサブハイの圏内に 位置するが、日中の昇温の影響も加わり局地的に対流雲が発達する。雷を伴った短時間強雨に注意。 ④北海道では 4 日は次第に前線が顕在化し、5 日には低気圧が接近する見込み。前線や低気圧に向かっ て 850hPa345K 前後の暖湿気に流入し、4 日後半以降、激しい雨のおそれがある。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①降水の予想は、GSM よりも MSM が実況に近く、MSM 寄りに検討。 ②波:フィリピンの東の台風第 11 号を波源とするうねりが、4 日には西日本~東日本の太平洋側に到 達する。モデル波高は過小で 4 項程度の波高に上方修正。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):四国 400、九州北部、 九州、近畿 150mm。②波(明日まで) :九州北部 4、九州南部、沖縄、近畿、小笠原 3m。 5.全般気象情報発表の有無 「大雨と雷及び突風に関する全般情報」17 時頃発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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