短期予報解説資料1 2016年11月24日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①大陸の高気圧が張り出し、 日本 海や黄海には、 衛星赤外画像で寒 気の吹きだしによる筋状雲が見 られる。23 日 21 時の札幌の高層 観測では、850hPa に-18℃以下の 真冬並みの寒気が流入し、 北海道 では 3 時間降雪量が 5~10cm と なっている。 北日本~西日本の岬 や海峡では、 強い風や非常に強い 風が吹き、 海は波が高まっている。 ②東西日本の太平洋沿岸では、 日 本の東の低気圧からのびるシア ーライン(850hPa6℃対応)付近 で、降水エコーが広がり、1~2 ㎜/h 程度の降水を観測。舘野の 850hPa の高層観測では、23 日 21 時‐2.3℃と 9 時から 4.5℃下降し、 下層寒気移流と降水による冷却により、関東地方では内陸や沿岸部で地上気温が下降している。 ③黄海を 500hPa5400~5520m 付近のトラフが東進しており、トラフ前面の日本海西部では発雷を検知。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①の大陸の高気圧が張り出し、24 日は気圧の傾きが大きく下層寒気移流の強い状態が続く。24 日は全国的に、強風や高波に注意し、25 日は伊豆諸島や南西諸島で、高波に注意。 ②1 項②のシアーライン上に、24 日朝には前線を伴った低気圧が発生する見込み。低気圧の発生によ り、関東甲信地方には下層寒気移流が強まり、850hPa の気温は真冬並みの‐5℃程度となる見込み。関 東甲信地方では、山沿いを中心とした大雪に注意し、関東地方の平地でも積雪による交通障害に留意。 低気圧による寒気移流の強まりや、降水による気温低下により、平地でも局地的に大雪注意報程度の 降雪となるおそれがある。低気圧や前線の近傍となる伊豆諸島では、落雷や突風、短時間強雨に注意。 ③1 項③のトラフは、24 日午前西日本、午後東日本・北日本を通過し、25 日には同様に 500hPa5520m 付近のトラフが通過する見込み。日本海西部には、トラフに対応する地上低気圧が、シアーライン上 に発生する。低気圧近傍では、落雷や突風、短時間強雨(降雪の強まり)、強風や高波に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は GSM を基本に考えるが、風や気温・降雪分布は MSM も参考。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はないが、2 項の短時間強雨に注意。 ②大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間):北海道 25、関東甲信 15、東北 10、関東の平地 5cm。 ③波浪(明日まで):沖縄・伊豆諸島 5m、全国的に 3~4m。 ④高潮(明日まで):九州では副振動の振幅の大きな状況が続いているため実況に留意。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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