短期予報解説資料1 2016年11月21日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①500hPa5700~5760m 付近のト ラフが華中・華北を東進。前線を 伴う低気圧が種子島・屋久島の東 海上を東北東進。 ②東海道沖から伊豆諸島にかけ て東西走向のシアーラインがあ り、北東風と南東風が収束。伊豆 諸島では非常に激しい雨を解析。 ③北海道を中心に、 日本海から寒 気移流に伴う筋状の対流雲が流 入。5cm 前後の 3 時間降雪量を観 測。 ④ モ ン ゴ ル に 500hPa5280 ~ 5400m 付近、-39℃以下の寒気を 伴うトラフがあって東南東進。シベリアには 500hPa で-48℃以下の寒冷渦があって南南東進。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①の低気圧が、22 日朝には伊豆諸島付近を通過。1 項②のシアーラインが次第に北上し、21 日 夜には房総半島付近で新たに低気圧が発生する。前者の低気圧や前線に向かって 850hPa の相当温位 327K 以上の下層暖湿気が流入し、大気の状態が不安定となる。南西諸島・西日本の太平洋側では 21 日夜まで、伊豆諸島・関東地方南部では 22 日朝にかけて、落雷や突風、短時間強雨に注意。いずれの 低気圧も 22 日朝までに最大風速 35kt[GW]級の勢力となる見込み。低気圧周辺では強風や高波にも注意。 ②22 日から 23 日にかけて日本付近は冬型の気圧配置となり、下層寒気移流が強まる。全国的に気圧の 傾きが大きくなるため強風、 高波に注意。 1 項④のトラフが22 日夜遅くから23 日未明に北日本を通過。 1 項④の寒冷渦は 23 日朝には沿海州に進む。23 日朝には 850hPa の-6℃線が北陸・東北南部まで南下、 -12℃線は東北北部まで南下し、北日本・北陸には平年にくらべ 10℃程度低い下層寒気が流入。22 日 から 23 日にかけて、北日本・北陸を中心に、日本海から寒気移流に伴う筋状の対流雲域が流入するた め、降雪の強まりに注意。 ③22 日は日本海西部に日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が形成され、23 日朝にかけてゆっくり西進する。 収束帯対応のシアーライン近傍では、メソβスケールのじょう乱が形成されやすくなり、海上から北 陸・山陰に進入する可能性があるため、局地的な降水や風の強まりに留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とする。風や降水の予想は MSM も参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨・大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間): [雨]伊豆諸島 100mm。2 項の短時間強雨に注意。 [雪]北海道 25cm。② 波浪(明日まで):東北・北陸・伊豆諸島・近 畿・中国・沖縄 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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