短期予報解説資料1 2015年 2月24日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 24日は発達した低気圧がオホーツ 実況 40kt[GW] ク海を東へ進む。北海道は強風や ①サハリン南部付近には寒冷渦 風雪、高波に注意。24日朝にかけ、 があって水蒸気画像で渦が明瞭。 前線が停滞する沖縄は、落雷や 短時間強雨のおそれ。 地上低気圧はほぼ直下となり、 発 達のピークは越えたとみられる。 ②5400m のトラフが北日本を通 過し、 下層寒気移流は弱いが北日 本の日本海で筋状の下層雲がみ られ、北海道で 3 時間に 5~10cm FT36 の降雪。 北海道日本海側を中心に 西よりの風が強く、しけている。 ③山東半島の西の水蒸気画像の FT36 暗域は、5580m のトラフに対応。 ④5700~5820m の強風軸が華南 前線記号はFT24は黒塗り、FT48は白塗り から日本の南へのび、 強風軸上の トラフが上海の南西方向に解析 できる。沖縄付近には前線(850hPa では 9~12℃付近)が停滞し対流雲が発達している。今後トラフの 接近により前線上にキンクの発生が予想され、沖縄は朝にかけ短時間強雨に注意。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①の寒冷渦は 25 日にかけカムチャツカの南へ進み、直下の低気圧はオホーツク海を東進して 25 日は千島近海で不明瞭となる。1 項③のトラフ後面の負渦度域に対応して、現在、黄海にある高気圧が 25 日にかけ日本付近を東へ移動する。この負渦度域の後面では 5640m 付近の強風軸が顕在化し、25 日 は華中で発生する前線(850hPa で 6~9℃付近)が九州の南へのびる。また、華北に南下する寒冷渦周辺 のトラフ(5400m)に対応して黄海に低気圧が発生する。 ②24 日は北海道を中心に引き続き気圧の傾きが大きく、強風や風雪、高波に注意。西・東日本を通過す る 1 項③のトラフの影響は、下層にシアーが残る関東以外は下層が乾燥し、影響は小さい見込み。 ③25 日夜には前線の影響で西日本では雨が降り出すところがある見込み。夜にはトラフ(5700m)の接近 が予想されており、前線付近では対流雲が活発化する可能性もある。 ④25 日にかけ 925hPa の 0℃線は東北南部付近に位置し、積雪の多い地域でも気温が高い状態が続く。 引き続きなだれに注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①沖縄付近の前線の予想は MSM が GSM の予想に近づいた。GSM の予 想を基本とする。②波浪:東北太平洋側から関東の、東海上からのうねりは次第に低下してきたが、 今後も上昇下降を繰り返して徐々に低下する見込み。③黄砂:予想はないが西日本で視程 10km 前後の 黄砂を観測している所がある。24 日は引き続き実況に注意。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨・大雪ポテンシャル(6 時からの 24 時間):特に高い所はな いが、沖縄は 1 項④の短時間強雨に注意。②波(明日まで):北海道 4、東北・関東・伊豆諸島 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はない。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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