短期予報解説資料1 2016年 2月19日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①日本海から北日本にかけて帯状 の雲域があり、北日本では 3 時間 降雪量 5cm 程度を観測。水蒸気画 像では日本海に 500hPa の-33℃以 下の寒気を伴ったトラフに対応し た上層渦がみられ、発雷も検知。 ②日本海の低気圧と日本の南や日 本の東の高気圧との間で気圧の傾 きがやや大きくなっており、北日 本で 2.5m 前後の波を観測。 ③日本の南の高気圧を回る暖湿気 が先島諸島から東シナ海に流れ込 んでおり、18 日 21 時の石垣島の高 層観測で 850hPa の相当温位 318K 以上を観測。与那国島では激しい雨を観測。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①のトラフは 19 日昼頃にかけて北日本を通過する。落雷や突風、降水の強まりに注意。 ②1 項②の日本海の低気圧は 19 日夜には宗谷海峡付近まで進み、19 日は北日本で気圧の傾きが大きく なる。風雪や高波に注意。 ③先島諸島から東シナ海に流れ込む暖湿気の先端となる東シナ海南部で 19 日朝までに低気圧が発生し、 前線を伴って 20 日朝には九州南部付近で 40kt[GW]、20 日夜には関東地方付近に達して 45kt[GW]まで 発達する。低気圧付近では 850hPa に 327K 程度の暖湿気が予想されており、大気の状態が不安定。短 時間強雨、落雷、突風に注意。また、850hPa では低気圧や前線よりも北側となる 0℃付近にシアーラ インが予想されている。シアーラインよりも南側では 50kt 以上の風速で温度線に直行する風向が予想 されており、暖気移流が強く、積雪の多い地域では雪解けが進む。大雨や融雪による土砂災害、河川 の増水、低い土地の浸水、なだれに注意。低気圧の動きは速く、21 日朝には千島近海まで進む。北海 道では 20 日夜から 21 日にかけて風雪が強まるのおそれがある。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とする。降水や風は MSM も参考とする。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):沖縄 150mm。2 項の短時間強雨に注意。積雪地では降水量 に融雪による水量が加わることに留意。 ②波浪(明日まで):東北・関東・伊豆諸島 5、その他 3~4m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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