短期予報解説資料1 2016年 5月2日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①日本付近は上空のリッジ前面 にあり、 北日本と日本の南にある 高気圧に覆われている。 日本海か ら北陸・東北地方にかけて 500hPa5640m 付近の傾圧帯に対 応する雲域がかかっており、 先端 の雨雲が一部陸地にかかり始め ている。 ②1 日21 時の高層気象観測では、 石垣島で 850hPa の相当温位 340K を観測。先島諸島の周辺に は日本の南の高気圧の縁辺を回 りこむ、850hPa の相当温位 336K 以上の下層暖湿気が流入し、 大気 の状態が不安定となっており、90mm/h 程度の降水を解析している所がある。 ③モンゴルには 500hPa5460~5640m 付近のトラフがあって東南東に進んでいる。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点次第 ①2 日の日本付近は、日本の東と日本の南にある高気圧に覆われる。西日本から東日本にかけては晴れ る所が多く、日中は気温が上昇する見込み。北日本は、500hPa5640~5700m 付近の傾圧帯に対応した 雲域が広がりやすい。 ②2 日朝までに 1 項③のトラフに対応した低気圧が華北付近で発生し、その後発達しながら 2 日夜には 黄海に進む。3 日朝までに閉塞過程に入り、中国東北区を北東進する。閉塞点は 500hPa5580m 付近の 強風軸に沿って進む見込み。3 日は低気圧や前線の周辺で気圧の傾きが大きくなるため、九州北部では、 暴風、高波に警戒・注意。その他の西日本でも強風、高波に注意。低気圧や前線の暖域側にあたる南 西諸島から西日本の太平洋側にかけて、850hPa の相当温位 336K 以上の下層暖湿気が南から流入する ため、大気の状態が不安定となる。3 日は、低気圧からのびる前線が接近・通過する西日本や南西諸島 を中心に、落雷、突風、短時間強雨に注意。竜巻などの激しい突風にも留意。4 月の地震で揺れの大き かった地域では地盤のゆるんでいるところがあり、少ない雨量でも土砂災害が発生するおそれがある ので警戒が必要。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とする。降水や風は MSM も参考にする。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はない。 ②波浪(明日まで):九州・中国・四国・近畿 4、東海・北陸・東北・北海道 3m 5.全般気象情報発表の有無 5 時頃に「暴風と高波及び大雨に関する全般気象情報」を発表する予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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