短期予報解説資料［pdf］

短期予報解説資料1 ２０１６年１２月３１日１５時４０分発表
気象庁予報部
１．実況上の着目点
①500hPa5220m 付近のトラフが
北海道の東海上を東進。
日本付近
の上空は西北西流場で、西日本・
東日本は黄海に中心を持つ高気
圧に覆われ、北日本・北陸を除い
て晴れている所が多い。
②北日本には下層寒気が流入。
850hPa の-6℃線は東北まで、
-12℃線は北海道まで南下。31 日
9 時の高層観測では秋田上空
850hPa で -7.3 ℃ 、札幌上空
850hPa で-14.9℃を観測。北日本
には、
日本海から寒気移流に伴う
筋状の対流雲域が流入。
雲域は縮
小傾向にあるが、3～5cm/3h 程度の降雪を観測。衛星画像では、日本海西部から北陸にかけて、地上
のシアーラインに対応した、一部対流雲を含む下層雲主体のバンド状の雲域が観測されており、北陸
へ流入している。
③500hPa5460～5520m 付近、-30℃以下の寒気を伴うトラフが黄海を東南東進。
２．主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①1 項③のトラフが 1 月 1 日前半に、東北・東日本を通過。北陸には日本海からのびるシアーラインが
停滞し、一部対流雲を含む下層雲主体の雲域が流入する。1 項③のトラフの影響で、北陸を中心に 1 日
未明から昼前にかけて大気の状態が不安定となる。落雷や突風に注意。短時間強雨、降雪の強まりに
留意。1 項③のトラフ通過後は、シアーラインも不明瞭となる見込み。
②1 月 1 日から 2 日朝にかけて、500hPa5280m 付近、-36℃以下の寒気を伴うトラフがモンゴルから沿
海州・中国東北区へ進む。2 日朝にはトラフ前面の日本海で低気圧が発生する見込み。2 日はトラフ前
面の上・中層雲が西日本から北日本に広がり、日本の南に中心を持つ高気圧の縁辺を回る湿った空気
が流入しやすくなる。1 日後半から 2 日にかけて北日本では気圧の傾きが大きくなるため、強風や高波
に注意。
③1 月 2 日にかけて、南西諸島では吹送距離の長い東風が持続するため、引き続き高波に注意。
３．数値予報資料解釈上の留意点
①総観場は最新 GSM を基本とし、降水の分布や強度・種別、風は MSM を参考する。
４．防災関連事項 [量的予報と根拠]
①大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間)：東北 20、北陸・関東甲信 15cm。
②波浪(明日まで)：東海・沖縄 3m。
③高潮(明日まで)：大潮の時期。北日本の太平洋側で、注意報基準超過または接近する所がある。
５．全般気象情報発表の有無発表の予定はありません。
1
量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。

Download Report