短期予報解説資料1

短期予報解説資料1 2016年 5月24日03時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①台湾付近から日本の南には前
線が停滞しており、
海上では発雷
や激しい雨を解析。23 日 21 時の
高層観測では、石垣島の 850hPa
で相当温位 350K 程度を観測。
②アムール川上流には 500hPa の
寒冷渦に対応する水蒸気画像の
上層渦がありゆっくり東進して
いる。
ボッ海付近には寒冷渦を回
るトラフに対応する暗域がみら
れる。
2.主要じょう乱の予想根拠と
解説上の留意点
①南西諸島にかかっている前線
は 25 日にかけてほとんど停滞する。前線付近には 850hPa に相当温位 345K 程度の暖湿気が断続的に流
れ込む。落雷や突風、短時間強雨に注意。
②23 日 21 時に北海道付近の高気圧は 25 日にかけて日本の東に東進し、日本海にある高気圧は北海道
付近から東進する高気圧と一体になりながら次第に不明瞭となる。高気圧の東進に伴って、高気圧の
西側となる西日本から日本海にかけて、850hPa に相当温位 336K 以上の暖湿気が流れ込み、大気の状
態が不安定となる所がある。落雷や突風に注意。
③1 項②の500hPa のトラフは、
高度場を下げながら、
中国東北区から25 日夜にはサハリン付近に進む。
地上ではトラフに対応して 24 日夜に沿海州付近で低気圧が発生し、25 日夜にはサハリン付近に進む。
この低気圧と日本の東の高気圧との間で気圧の傾きが大きくなる。北日本では強風や高波に注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①総観場は最新の GSM を基本とする。降水や風の予想は MSM も参考にする。
4.防災関連事項[量的予報と根拠]
①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):九州北部 100mm。2 項の短時間強雨に注意。
②波浪(明日まで):北海道・近畿 3m。
③高潮(明日まで):大潮の時期。西日本や北日本では、注意報基準に近づく所がある。
5.全般気象情報発表の有無
発表の予定はありません。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。