物理薬剤学

物理薬剤学
Physical Pharmacy
科目担当者
授業概要
講 義
必 修
1 単位 10 講
3 年 前期
1 クラス
佐藤 隆司
医薬品及びその製剤の物性を理解するための必要な基礎理論を学ぶ。
1. 物質の変換過程を理解するために、化学反応速度論、および反応速度に影響を与える諸因
子に関する基本的知識を修得する。
一般目標
(GIO)
2. 水溶液中での物質の性質を理解するために、各種の化学平衡に関する基本的知識を修得す
る。
3. 薬物と製剤材料の性質を理解し、応用するために、それらの物性に関する基本的知識を修
得する。
1. 反応次数と速度定数について説明できる。
2. 代表的な反応次数の決定法を列挙し、説明できる。
3. 代表的な複合反応(可逆反応、平行反応、連続反応など)の特徴について説明できる。
4. 反応速度と温度との関係(Arrhenius の式)を説明できる。
5. 拡散および溶解速度について説明できる。
6. 沈降現象について説明できる。
到達目標
7. 化学物質の pH による分子形、イオン形の変化を説明できる。
(SBO)
8. 分配平衡について説明できる。
9. 溶液の濃度と性質について説明できる。
10. 物質の溶解とその速度について説明できる。
11. 物質の溶解に対して酸・塩基反応が果たす役割を説明できる。
12. 粉体の性質について説明できる。
13. 薬物と製剤材料の安定性に影響する要因、安定化方法を列挙し、説明できる。
14. 粉末X線回折測定法の利用法について概略を説明できる。
区
分
1
項
目
授
1. 薬剤学概論
1. 講義の概要
2. 医薬品の溶解性(1)
2. 弱電解質の溶解度
業 内 容
3. 難溶性塩の溶解度
(対応 SBO 7,9)
1. 医薬品の溶解性(2)
1. 溶解速度と溶解過程モデル
2. 溶解速度式
2
3. シンク条件下および多粒子径の溶解速度
4. 溶解性に影響する要因
(対応 SBO 5,9,10,14)
1. 油/水分配平衡
1. 分配の法則
2. 非電解質の分配係数
3
3. 弱電解質の油/水間分配
(対応 SBO 8)
1. 医薬品の安定性(1)
1. 安定性と化学反応速度論
2. 反応速度と反応次数
4
3. 反応定数と半減期
(対応 SBO 1,2)
5
1. 医薬品の安定性(2)
1. 併発反応、逐次反応、可逆反応
(対応 SBO 3)
1. 医薬品の安定性(3)
1. アレニウス式、活性化エネルギー
2. 遷移状態理論
6
(対応 SBO 4)
1. 医薬品の安定性(4)
7
1. 特殊酸・塩基触媒反応、一般酸・塩基触媒反応
2. イオン強度、誘電率、光、酸素、その他
(対応 SBO 11)
1. 医薬品の安定性(5)
1. 化学構造の修飾と易溶化、難溶化
2. 複合体の形成
8
3. 容器・包装と保存法
(対応 SBO 13)
1. 粉体の性質(1)
9
1. 粒子径の測定法:顕微鏡法、コールター・カウンター法、
ふるい分け法と沈降法、透過法と吸着法
(対応 SBO 6,12)
1. 粉体の性質(2)
10
1. 粉体の物性:粒子の密度と充てん性、付着凝集性および
流動性、吸着性とエルダーの仮説、粒度分布、粒子径
(対応 SBO 6,12)
テキスト
栄田敏之
参 考 書
砂田久一 他編「マーチン 物理薬剤学(第 4 版)(廣川書店)
金尾義治 他編「NEW パワーブック 物理薬剤学・製剤学(第 2 版)」(廣川書店)
吉岡澄江 著「医薬品の安定性」(南江堂)
日本薬局方解説書編集委員会 編「第十六改正日本薬局方解説書」(廣川書店)
成績評価
定期試験(100%)により評価する。
科目担当者
教員研究室:B415、メールアドレス:tsatoh(at)hokuyakudai.ac.jp
*(at)は@に置き換えてください。
との連絡
他編「製剤学・物理薬剤学(第 2 版)」(廣川書店)
事前学修・ 1. 講義の内容をより理解するために、演習問題集(解答方法付)を配付するので、予習・
復習に際に活用すること。
事後学修
関連科目
備
考
物理化学Ⅰ、物理化学Ⅱ、生物薬剤学
1. テキストを補完するため、必要に応じプリントを配付する。
2. 配付したプリントは講義の際に毎回持参すること。なお、配付資料は「HPU-Moodle」に
アップロードする。