化学平衡論 Chemical 1年 Equilibrium 後期(第 4 学期) 2 クラス 講義・実習 必 修 1 単位 11 講 科目担当者 吉岡 忠夫 授業概要 化学物質の物理的および化学的変化における化学量論を基に化学平衡の基礎を理解し、 酸塩基平衡、沈殿溶解平衡、錯体生成平衡、酸化還元平衡、分配平衡について学ぶ。 一般目標 1. 物質の変換過程を理解するために、化学平衡に関する基本的事項を修得する。 (GIO) 2. 可逆反応の方向予測の考え方や平衡に関わる分子種の濃度の計算法を修得する。 1. 化学平衡理論と反応速度論の関係、ギブズエネルギーと平衡定数の関係を説明できる。 (独自) 2. 化学平衡に及ぼす圧力および温度の影響について説明できる。(C1-(2)-④-3) 3. 酸・塩基平衡の概念について説明できる。(C2-(2)-①-1) 4. pH および解離定数について説明できる。(技能:C2-(2)-①-2) 5. 溶液の pH を測定できる。(技能)(C2-(2)-①-3) 6. 緩衝作用や緩衝液について説明できる。(C2-(2)-①-4) 7. 代表的な緩衝液の特徴とその調製法を説明できる。(独自) 到達目標 8. 錯体・キレート生成平衡について説明できる。(C2-(2)-②-1) (SBO) 9. 沈殿平衡について説明できる。(C2-(2)-②-2) 10. 酸化還元平衡について説明できる。(C2-(2)-②-3) 11. 起電力とギブズエネルギーの関係について説明できる。(C1-(2)-⑦-1) 12. 電極電位(酸化還元電位)について説明できる。(C1-(2)-⑦-2) 13. 電極電位の濃度依存性(Nernst の式)について説明できる。(独自) 14. 膜電位の発生と能動輸送機構の関連について説明できる。(独自) 15. 分配平衡について説明できる。(C2-(2)-②-4) 16. 共役反応の原理について説明できる。(C1-(2)-④-4) 区 分 項 目 授 業 内 容 1. 可逆反応と動的平衡、化学平衡の考え方 1 1. 化学平衡理論 (1) 2. 質量作用の法則、平衡定数 3. 化学量論、反応速度論、熱力学との関係 (対応 SBO 1) 1. 反応商、化学反応の方向予測 2 1. 化学平衡理論 (2) 2. 化学平衡に影響する因子 3. ルシャトリエの法則 (対応 SBO 2) 1. 酸と塩基の定義、解離平衡、共役酸・共役塩基の考え方 3 1. 酸塩基平衡 (1) 2. 水のイオン積、プロトン濃度と pH 3. 酸・塩基の強弱と化学構造の関係 (対応 SBO 3) 1. 酸・塩基の強弱と電離度の関係 4 1. 酸塩基平衡 (2) 2. 酸・塩基の強弱と解離定数の関係 3. 酸・塩基の水溶液の理論 pH 値の計算法 (対応 SBO 3,4) 1. 多塩基酸・多酸塩基の解離定数 5 1. 酸塩基平衡 (3) 2. 塩の加水分解、塩の水溶液の pH 計算法 3. 中和反応の滴定曲線、滴定における理論 pH 値の計算法 (対応 SBO 3,4,5) 1. ヘンダーソン・ハッセルバルヒ式 6 1. 酸塩基平衡 (4) 2. pH 緩衝液、代表的な pH 緩衝液と使用可能な pH 範囲 3. 緩衝作用(緩衝能)に影響する因子 (対応 SBO 5,6,7) 1. 錯体生成平衡定数(逐次生成定数と全生成定数) 7 1. 錯体生成平衡 2. 錯体生成平衡定数と錯体の安定性、錯体の反応性 3. キレート効果 (対応 SBO 8) 1. 溶解度、モル溶解度、溶解度積の相互関係 8 1. 沈殿溶解平衡 2. 共通イオン効果によるモル溶解度の低下 3. 沈殿溶解平衡に影響する因子 (対応 SBO 9) 1. 酸化還元反応における酸化数変化、化学量論、反応計数 9 1. 酸化還元平衡 (1) 2. 電極電位、電池、起電力 3. 酸化還元平衡と起電力およびギブズエネルギーとの関係 (対応 SBO 10,11,12) 1. 電極電位の濃度依存性(Nernst の式) 10 1. 酸化還元平衡 (2) 2. 生体膜電位の発生 3. 膜を介した能動輸送機構との関連 (対応 SBO 13,14) 1. 水-有機溶媒間の物質の分配理論、分配平衡と抽出率 1. 分配平衡 11 2. 共役反応の平衡論 著 2. 共役反応の定義、共役反応の具体例と化学平衡 (対応 SBO 15,16) テキスト 吉岡忠夫 「薬学基礎化学」(京都廣川書店) 参 考 書 姫野貞之 著 「化学平衡の基礎」(学術図書出版) 姫野貞之、市村彰男 共著 「分析化学(第 2 版)」(化学同人) 黒澤隆夫 他著「パザパ 薬学演習シリーズ 7 薬学計算演習」(京都廣川書店) 成績評価 定期試験(80%)、演習プリント(20%)の得点により評価する。 科目責任者 教員室:B107、メールアドレス;yoshioka(at)hokuyakudai.ac.jp *(at)は@に置き換えてください。 との連絡 事前学修・ 1. 講義前にはテキストの該当する部分を予習しておくこと。 事後学修 2. 講義後は「HPU-Moodle」の「要点と練習問題」を読み、問題を解くこと。 関連科目 基礎化学、無機化学、物理化学、熱力学、反応速度論 1. テキストを補完するために、プリントを配付する。 備 考 2. 講義の中で、プリント配付により演習を行う。 3. 演習プリントは必ず提出すること。解答内容は成績評価に反映する。
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