有機化学 Ⅲ

有機化学Ⅲ
講 義
必 修
2 単位 20 講
2 年 後期
2 クラス
Organic Chemistry Ⅲ
科目担当者 金田 京介
授業概要
一般目標
「有機化学Ⅱ」に引き続き有機化合物の構造、物理的性質の発現及び反応性に関する基礎的事
項を学ぶ。
1. 官能基が有機化合物に与える効果を理解するために、カルボニル基、アミノ基などの官能
基を有する有機化合物について、反応性およびその他の性質に関する基本的知識を修得す
(GIO)
る。
1.
2.
3.
4.
5.
アルデヒド類およびケトン類の性質と代表的な求核付加反応を列挙し、説明できる。
アルデヒドおよびケトンの代表的な合成法について説明できる。
カルボン酸の代表的な性質と反応を列挙し、説明できる。
カルボン酸の代表的な合成法について説明できる。
カルボン酸誘導体(酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、アミド、ニトリル)の代表的
な性質と反応を列挙し、説明できる。
6. カルボン酸誘導体(エステル、アミド、ニトリル、酸ハロゲン化物、酸無水物)の代表的
な合成法について説明できる。
7.
アルコール、チオール、フェノール、カルボン酸などの酸性度を比較して説明できる。
到達目標
8.
アルコール、フェノール、カルボン酸、およびその誘導体の酸性度に影響を及ぼす因子を
(SBO)
列挙し、説明できる。
9. アミン類の代表的な性質と反応を列挙し、説明できる。
10. 代表的な生体内アミンを列挙し、構造式を書くことができる。
11. アミンの代表的な合成法について説明できる。
12. 含窒素化合物の塩基性度を説明できる。
13. 代表的な炭素-炭素結合生成反応(アルドール反応、マロン酸エステル合成、アセト酢酸
エステル合成、Michael 付加、Mannich 反応、Grignard 反応、Wittig 反応など)につい
て概説できる。
区
分
1
項
目
1. アルデヒドとケトン
(1)
授
1.
2.
3.
4.
業 内 容
はじめに
カルボニル化合物の種類と構造
カルボニル基の電子構造と性質
アルデヒドとケトンの命名法
(対応 SBO 1)
2
3
4
1. アルデヒドとケトン
(2)
1. アルデヒドとケトンの合成
2. PCCによる酸化
3. アルデヒドの検出試験:Tollens 試薬
4. アルデヒドとケトンの求核付加反応
(対応 SBO 1,2)
1. アルデヒドとケトン
(3)
1. 求核試薬との反応性に影響を与える効果
2. ヒドリドの求核付加
3. 水の求核付加
4. アルコールの求核付加
(対応 SBO 1,2)
1. アルデヒドとケトン
(4)
1. アミンの求核付加
2. Grignard 試薬の求核付加
3. リンイリドの求核付加反応:Wittig 反応
4. 共役求核付加反応
(対応 SBO 1,13)
5
1. カルボン酸とその
誘導体 (1)
1. カルボン酸とその誘導体の命名法
2. 命名法における官能基の優先順位
(対応SBO 3,5)
1. カルボン酸の存在と性質
6
1. カルボン酸とその
誘導体 (2)
2. カルボン酸の酸性度
3. 酸性度に影響を与える因子
(対応SBO 3,7,8)
1. カルボン酸の合成
2. 求核アシル置換反応
7
1. カルボン酸とその
誘導体 (3)
3. アシル化合物の反応性
4. カルボン酸からアルコールへの変換
5. 酸塩化物への変換
(対応SBO 4,5,6)
1. エステルへの変換
8
1. カルボン酸とその
誘導体 (4)
2. アミドへの変換
3. 酸塩化物の化学
4. 酸無水物の化学
(対応SBO 5,6)
9
1. カルボン酸とその
誘導体 (5)
1. エステルの化学
2. アミドの化学
3. ニトリルの化学
(対応SBO 5,6)
1. ケト-エノール互変異性
10
1. カルボニル化合物のα 2. 酸触媒による互変異性
置換反応と縮合反応 (1)
3. 塩基触媒による互変異性
(対応 SBO 1)
1. α置換反応の機構
2. 求核試薬としての役割
11
1. カルボニル化合物のα 3. アルデヒトとケトンのαハロゲン化
置換反応と縮合反応 (2)
4. 1,3-ジカルボニル化合物のα水素原子の酸性度
5. エノラートイオンの反応性
(対応 SBO 1,8)
12
1. カルボニル化合物のα
置換反応と縮合反応 (3)
1. マロン酸エステル合成
2. アセト酢酸エステル合成
(対応 SBO 13)
1. アルドール反応(縮合)
13
1. カルボニル化合物のα 2. 分子内アルドール反応
置換反応と縮合反応 (4)
3. 混合アルドール反応
(対応 SBO 13)
1. Claisen 縮合
14
1. カルボニル化合物のα
置換反応と縮合反応 (5)
2. Dieckmann 縮合
3. 共役付加反応:Michael 反応
4. 生体内カルボニル反応
(対応 SBO 13)
1. アミンの構造
15
1. アミン (1)
2. 命名法
3. アルキルアミンの塩基性度
4. 芳香族アミンの塩基性度
(対応 SBO 9,10,12)
1. 塩基性度に影響を与える因子(置換基効果、共鳴効果)
16
1. アミン (2)
2. アンモニウム塩の性質
(対応 SBO 9, 12)
1. 還元的合成
17
1. アミン (3)
2. S N 2 反応による合成
(対応 SBO 11)
1. アミンの反応
18
1. アミン (4)
19
1. アミン (5)
20
1. アミン (6)
2. アルキル化
3. アシル化
(対応 SBO 9)
1. Hofmann 脱離反応
2. ジアゾ化(Sandmeyer 反応)
(対応 SBO 9)
1. 複素環アミン
2. ピロールとピリジンの物理化学的性質
3. まとめ
(対応 SBO 9)
テキスト
参考書
伊東 椒
他訳「マクマリー有機化学概説(第 6 版)」(東京化学同人)
Susan McMurry 著「マクマリー有機化学概説 問題の解き方(第 6 版)英語版」(東京化学
同人)
伊東 椒 他訳「マクマリー有機化学(上・中・下)(第 8 版)」(東京化学同人)
古賀 健司 他監訳「ボルハルト・ショアー現代有機化学(上・下)(第 6 版)」(化学同人)
成績評価
中間試験(20%)、定期試験(80%)により評価する。
科目担当者
教員室:B108、メールアドレス:kaneda(at)hokuyakudai.ac.jp
との連絡
*(at)は@に置き換えてください。
事前学修・ 1. 講義前にテキストの該当部分を予習しておくこと。
事後学修
2. 講義後にテキストの演習問題を解くこと。
関連科目
有機化学Ⅰ、有機化学Ⅱ、生物有機化学、医薬化学Ⅰ、医薬化学Ⅱ
1. 講義プリントを配付する。
備
考
2. 授業の進行は主にプリントにしたがって行い、テキストは補完として用いる。
3. 配付資料は「HPU-Moodle」にアップロードする。