代謝毒性学 Enzymatic Toxicology 科目担当者 講 義 必 修 1 単位 10 講 4 年 前期 1 クラス (科目責任者) 丹保 好子、杉田 修(非常勤教員) 授業概要 医薬品や化学物質による作用の発現や不活化の機構を薬物代謝学的観点から学ぶ。 一般目標 1. 有害な化学物質などの生体への影響を回避できるようになるために、化学物質の毒性な どに関する基本的知識を修得する。 (GIO) 1. 代表的な有害化学物質の吸収、分布、代謝、排泄の基本的なプロセスについて説明でき る。 2. 第一相反応が関わる代謝、代謝的活性化について概説できる。 3. 第二相反応が関わる代謝、代謝的活性化について概説できる。 4. 発がん性物質などの代謝的活性化の機構を列挙し、その反応機構を説明できる。 5. 変異原性試験(Ames 試験など)の原理を説明し、実施できる。(技能) 到達目標 6. 発がんのイニシエーションとプロモーションについて概説できる。 (SBO) 7. 代表的ながん遺伝子とがん抑制遺伝子を挙げ、それらの異常とがん化との関連を説明で きる。 8. 薬物代謝酵素の遺伝的多型性及びそれに基づく個人差・人種差について、例を挙げて説 明できる。 9. 化学物質の毒性を評価するための主な試験法を列挙し、概説できる。 10. 肝臓、腎臓、神経などに特異的に毒性を示す主な化学物質を列挙できる。 11. 化学物質の安全摂取量(1 日許容摂取量など)について説明できる。 区 分 1 2 項 目 1. 薬物代謝(異物代謝)とは 2. 毒性学とは 1. 薬物代謝機構 (1) 授 業 内 容 1. 異物とは何か 2. 代謝的活性化と不活性化の概念 3. ADME (対応 SBO 1) (丹保) 1. 官能基導入反応 2. シトクロム P450 反応機構 3. ミクロソームの電子伝達系 (対応 SBO 2) (杉田) 3 1. 薬物代謝機構 (2) 1. シトクロム P450 の分類・命名法 2. シトクロム P450 の種類と代表的基質 3. フラビン含有モノオキシゲナーゼの反応機構 4. 非ミクロソーム系による異物の酸化 (対応 SBO 2) (杉田) 4 1. 薬物代謝機構 (3) 1. ミクロソーム系による異物の酸化 (対応 SBO 2) (杉田) 1. 薬物代謝機構 (4) 1. 抱合反応 2. グルクロン酸抱合 3. 硫酸抱合 4. グルタチオン抱合 5. 腸内細菌による異物代謝 (対応 SBO 3) (杉田) 1. 薬物代謝の性差、年齢差、動物種差 2. 遺伝的多型 3. 酵素誘導 4. 酵素阻害 (対応 SBO 8) (杉田) 5 6 1. 薬物代謝に影響を及ぼす因子 1. 化学物質の毒性 (1) 7 1. 化学物質の毒性 (2) 8 1. 化学物質の毒性 (3) 9 1. 毒性試験 10 テキスト 参考書 鎌滝哲也 1. 肝障害をもたらす物質 2. 腎障害をもたらす物質 3. 呼吸器障害をもたらす物質 (対応 SBO 10) (丹保) 1. 神経系障害をもたらす物質 2. 血液毒性・造血器障害をもたらす物質 3. 発がんのメカニズム (対応 SBO 6,10) (丹保) 1. がん原遺伝子とがん抑制遺伝子 2. 一次発がん物質と二次発がん物質 3. 発がん物質の代謝活性化 (対応 SBO 4,7) 1. 突然変異原性と発がん性 2. Ames 試験 3. 一般、特殊毒性試験 (対応 SBO 5,9,11) (丹保) (丹保) 他編「医療薬物代謝学」(医学評論社) 加藤隆一 他編「薬物代謝学-医療薬学・医薬品開発の基礎として-(第 3 版)」(東京化学同 人) 堀江 透 他編「臨床薬物代謝化学」(廣川書店) 佐藤政男 他編「衛生薬学(改訂第 3 版)」(南江堂) 佐谷戸安好 監「新公衆衛生学(第 5 版) 」(廣川書店) 緒方文彦 他著「パザパ薬学演習シリーズ 11:衛生薬学演習」(京都廣川書店) 成績評価 定期試験(100%)により評価する。 科目担当者 丹保 教員室:B117、メールアドレス:y-tampo(at)hokuyakudai.ac.jp *(at)は@に置き換えてください。 との連絡 事前学修・ 事後学修 関連科目 備 考 1. テキストの該当部分を事前に予習しておくこと。 2. 講義の後、該当する「パザパ薬学演習シリーズ 11:衛生薬学演習」の演習問題を行い、 復習すること。 衛生化学Ⅰ、衛生化学Ⅱ、公衆環境衛生学 1. テキストを補完し理解を助けるために、適宜プリントを配付する。 2. 科目担当者(杉田)の本務:北海道大学病院臨床研究開発センター教授
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