2016 年 5 月 23 日 コマニー(7945) 担当 織田真由美 レーティング:NEUTRAL(2015/6/1)→ NEUTRAL 会社発表の今期業績予想は強気の印象。下振れ懸念があることからNEUTRAL継続。 売上高 (百万円) 伸び率 (%) 連 13/3 28,154 連 14/3 29,466 連 15/3 30,479 連 16/3 31,106 連 17/3(予) 33,900 株価(2016/5/20) 期末発行済み株式数(16/3 末) 期末自己株式数(16/3 末) 時価総額 企業価値(EV) ROE(16/3 実績) 予想配当利回り 予想 PER BPS(16/3 実績) PBR CFPS(16/3 実績) PCFR EV/EBITDA(16/3 実績) +2.8 +4.7 +3.4 +2.1 +9.0 営業利益 (百万円) 伸び率 (%) 経常利益 (百万円) 伸び率 (%) 純利益 (百万円) 伸び率 (%) EPS (円) 1,204 1,422 1,535 1,858 2,770 1,786 9,924 1,025 17,724 13,812 4.9 2.6 8.7 2,450.42 0.7 78.2 22.8 3.7 +94.7 +18.2 +7.9 +21.0 +49.1 円 千株 千株 百万円 百万円 % % 倍 円 倍 円 倍 倍 1,252 1,463 1,638 1,846 2,820 +92.4 +16.9 +11.9 +12.7 +52.7 1,178 1,602 1,621 1,079 1,820 +114.4 +35.9 +1.2 -33.4 +68.7 132.45 180.01 182.20 121.26 204.52 1 株配 (円) 28.00 30.00 32.00 37.00 46.00 株価チャート(日足) 出所:コマニー、ブルームバーグ、今村証券 間仕切り業界大手。デザイン性の高い製品や遮音性が高い製品などで他社と差別化を図り、 パーティションのリーディングカンパニーとしての地位を確立している。2015 年 6 月に東証 2 部に上場した。 2016 年 3 月期連結決算は増収増益、受注高 は前期比 5.5%増の 336 億 62 百万円と、2006 年度の 331 億 88 百万円を上回り過去最高と なった(資料1参照)。受注残高も前期比 28.2%増の 116 億 32 百万円と過去最高の水準 だ。売上高は過去最高の 341 億 19 百万円 (2006 年度)には届かなかったものの、前期 比 2.1%増の 311 億 6 百万円と 6 期連続の増収 となった。医療・福祉施設向けが前期比 10.8% 減となった一方、オフィス市場向けが前期比 4.7%増となったほか、工場市場向けが前期比 29.8%増と伸張したことが要因だ。 損益面では、販売単価の改善に加え、原価低減活動や収益管理の強化が奏功し、売上総利益 率が 41.1%と前の期に比べて 0.5 ポイント改善、 営業利益、 経常利益がともに 2 桁増益となった。 半面、当期純利益は前の期に格満林(南京)実業有限公司の全出資持分譲渡に伴い、関係会社株式 売却益を計上したことの反動から減益となった。 事業環境は持ち直している。財団法人 建設経済研究所の「建設経済モデルによる建設投資 コマニー(7945) 1 2016 年 5 月 23 日 の見通し(2016 年 4 月)」によれば、オフィス空室率が全国的に改善する中で、需給の引き締ま りからオフィスへの投資が堅調で、老朽化設備の更新、生産性合理化、低金利を背景に工場への 投資も堅調だ。2016 年度についても堅調な様子で、民間非住宅建築投資見通しは 0.3%増と小幅 ながら 6 年連続の増加が見込まれる(資料2参照)。また、森ビルの調査資料によれば、今後 5 年間の東京 23 区の大規模オフィスビルの供給量は 114 万㎡/年と、過去実績年平均の 103 万㎡/ 年を上回り、堅調に推移する見通しだ(資料3参照) 。アベノミクスによって首都圏の不動産投 資は活発化しており、2020 年の東京五輪開催に向けて首都圏のインフラ投資が見込まれること などが背景にある。新規案件に加え、リフォーム需要も期待できることから、同社の業績は当面 堅調に推移しそうだ。 会社発表の今期業績予想は 9.0%の増収、5 割程度の増益予想で、営業利益、経常利益は過去 最高益を更新する見通しとしている。これは 2015 年 5 月に発表した中期経営計画に基づくもの だが、2015 年度決算を踏まえると強気の印象を受ける。前期末の受注残高が 116 億 32 百万円と 高水準なこと、利益率が改善していることなどポジティブに受け止めるべき要因はあるものの、 市場の伸びは限定的で、最高益更新は来期にずれこむ公算が高そうだ。 株価は PBR が 1 倍割れ、PER が 9 倍以下と、バリュエーション面では割安感が強い。ただ、今 期業績に下振れ懸念があることから投資判断はNEUTRALを継続する。 (参考)パーティションメーカーのバリュエーション(株価は 5 月 20 日現在) 直近株価 7945 コマニー 東2部 7949 小松ウオール 東1部 1,786 1,674 売上高 伸び率 営業利益 伸び率 経常利益 伸び率 純利益 伸び率 (百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%) 31,106 33,900 29,332 33,500 2.1 9.0 -3.1 14.2 1,858 2,770 2,902 3,160 21.0 49.1 -24.3 8.9 1,846 2,820 2,910 3,200 コマニー(7945) 2 12.7 52.7 -25.0 10.0 1,079 1,820 2,086 2,300 EPS (円) 配当金 (円) BPS (円) 予想 PER (倍) 予想 配当 利回り PBR (倍) -33.4 121.26 37.00 2,450.42 0.7 68.7 204.52 46.00 8.7 2.6% -16.4 216.44 60.00 3,091.47 0.5 10.2 249.56 60.00 6.7 3.6% (上段は2016年3月期、下段は2017年3月期見通し。) 2016 年 5 月 23 日 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明 本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解 を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬 も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義 O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。 N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場 合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様 への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お 客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま すようお願い申し上げます。 本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成 しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている 場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり ませんし、お客様が本資料に依拠した結果としてお客様が被った損害または損失については一切責任を負いません。ま た、今村証券は本資料に関するお客様からのご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社 および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買い または売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係 会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘 を行う場合があります。 日本および外国の株式・債券への投資は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評 価の変化、金利・為替の変動などにより、投資元本を割り込むリスクがあります。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承認なく、また電子的・機械的な方 法を問わず、本資料の全部もしくは一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。 コマニー(7945) 3
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