2012 年 9 月 12 日 日華化学(4463) 担当 近藤 浩之 レーティング: NEUTRAL NEUTRAL(2012/2/14)→ 2016 年度に売上高 500 億円・営業利益 40 億円を目指す。 売上高 伸び率 (百万円) (%) 連 09/3 29,090 -10.9 連 10/3 29,384 1.0 連 11/3 30,809 4.8 連 12/3 31,021 0.7 連 13/3(予) 34,500 11.2 第 1 四半期累計期間 連 11/4-6 7,648 -0.1 連 12/4-6 7,949 3.9 株価(2012/9/7) 発行済み株式数(12/6 末) 自己株式数(12/6 末) 時価総額 企業価値(EV) ROE(12/3 実績) 今期予想配当利回り 予想 PER BPS(12/6 実績) PBR CFPS(12/3 実績) PCFR EV/EBITDA(12/3 実績) 営業利益 (百万円) 451 1,417 1,007 1,043 1,350 伸び率 (%) -67.0 214.1 -28.9 3.6 29.4 経常利益 (百万円) 276 1,366 837 1,103 1,350 伸び率 (%) -77.3 393.5 -38.7 31.8 22.4 当期利益 (百万円) -363 753 266 494 800 伸び率 (%) -64.6 85.3 61.7 EPS (円) -20.62 42.77 15.16 28.11 45.46 1 株配 (円) 4.00 10.00 10.00 10.00 10.00 318 374 491 17,710 109 8,696 20,988 5.0 2.0 10.8 599.81 0.8 77.6 6.3 8.7 -18.4 17.6 円 千株 千株 百万円 百万円 % % 倍 円 倍 円 倍 倍 317 337 -8.3 6.4 156 203 -3.3 30.4 8.88 11.58 - 株価チャート(週足) 出所:日華化学、ブルームバーグ、今村証券 界面活性剤が主力。化学品事業では、繊維加工用薬剤(平滑剤、染料、撥水撥油剤等)のほか、 紙パルプ加工用(脱墨剤、感熱紙用顕色剤等)、自動車関連(金属関係の離型剤、シートの難熱 加工剤・抗菌防臭加工剤等)の薬剤などを手掛ける。近年は、化粧品事業(美容室向けシャンプ ー・コンディショナー・スタイリング剤等)にも注力している。 2013 年 3 月期第 1 四半期業績は増収増益(資料1)。化粧品事業が好調だった。新商品の拡販、 新ブランドの投入が奏功した。化粧品事業は利益率が高いため(資料2)、利益面での貢献も大 きかった。一方で、主力の化学品事業の売上高はほぼ横ばいにとどまった。国内は自動車産業が (資料1) 業績の推移(四半期) <営業利益> 1 13 4Q .3 期 2Q 1 (計 Q 3Q 画 (計 ) 4Q 画 (計 ) 画 ) 2Q 3Q 12 4Q .3 期 1Q 2Q 3Q 3Q (注) 13.3 期 3Q、4Q は下期計画を等分。 日華化学(4463) (%) 7 6 5 4 3 2 1 0 -1 -2 営業利益(左軸) 売上高営業利益率(右軸) 11 4Q .3 期 1Q 1Q (百万円) 700 600 500 400 300 200 100 0 -100 -200 2Q その他 10 .3 期 3Q 化粧品 13 4Q .3 期 2Q 1 (計 Q 3Q 画 (計 ) 4Q 画 (計 ) 画 ) 2Q 3Q 化学品 12 4Q .3期 1Q 2Q 3Q 1Q 2Q 10 .3 期 11 4Q .3 期 1Q <売上高> (百万円) 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 2012 年 9 月 12 日 昨年の東日本大震災に伴った落ち込みから回 復したことがプラスに働いた半面、製紙産業 の低迷が響いた。海外では、中国で繊維産業 が停滞したものの、韓国では撥水、撥油機能 のある薬剤の売上が好調に推移した。 (資料2) 売上高営業利益率の推移 (%) 30 化学品 25 化粧品 全体 20 15 10 同社は「長期ビジョン 2016」と題した目標 を設定している(資料3) 。この目標達成のた めの強化ポイントとなるのが、①中国、②化 粧品――である。 5 12 /4 -6 11 /4 -6 .3 期 11 12 .3 期 .3 期 10 .3 期 09 .3 期 08 06 07 .3 期 .3 期 0 (資料3) 業績目標 (計 画 ) 17 .3 期 13 期 .3 期 (計 画 ) 12 .3 期 期 (計 画 ) 17 .3 期 期 期 期 期 期 13 期 .3 期 (計 画 ) 12 .3 11 .3 10 .3 09 .3 08 .3 07 .3 06 .3 期 0 11 .3 10,000 10 .3 20,000 期 30,000 売上高営業利益率(右軸) 09 .3 40,000 (%) 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 営業利益(左軸) 期 50,000 <営業利益> (百万円) 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 08 .3 その他 期 化粧品 07 .3 化学品 期 <売上高> 06 .3 (百万円) 60,000 ① 中国 同社は繊維製品向け薬剤に強みを持つが、 (資料4) 化学繊維生産(2011年) その繊維業界は中国が高いシェアを有する (資料4、出所:日本化学繊維協会)。そのた め、売上拡大には中国事業の推進が不可欠に なっている。 中国へ初進出した約 20 年前は中国で生産 0 10000 20000 30000 40000 50000 し日本で販売する製品向けの薬剤を主力とし (千t) ていた。その後、現地企業へのアプローチを 日本 韓国 台湾 中国 ASEAN インド 米国 西欧 その他 進め、現在では現地向け製品の売上高は日本 向け製品と同水準にまで拡大した模様だ。今 後更に現地向け製品の売上を伸ばしていくことを目論む。 今年 3 月には上海にある研究所を拡充した。現地で掴んだニーズをすぐに研究・開発に生かす 体制を整えた。また、現地での原料調達を増やし、価格面でも現地メーカーと勝負できる製品を 生産する。 台湾での動きも活発だ。7 月に新工場が完成し、従来の工場と比較して生産能力は 2 倍に高ま った。中国との経済協力枠組協定(ECFA)の締結に伴う関税撤廃のメリットを活かして、中国へ の供給を拡大する。台湾の製造業で大きな位置を占めるエレクトロニクス産業での採用や、東南 アジアへの供給拡大も目指す。 ② 化粧品 国内では化粧品事業を伸ばす。現在、マルチブランド戦略を推し進めている。従来からのヘア ケアブランド「デミ」による美容室向けの商品販売に加えて、2010年に「イーラル」、今年「ア ンサージュ」というブランドを立ち上げた。「イーラル」は独自の商品を使って頭皮マッサージ などの施術するサービスを提供し、「アンサージュ」は30代女性向けスキンケア商品をネット販 売している。2つの新ブランドはともにエイジングケアの商品であり、市場の拡大が見込まれて いる。今後も新ブランドを導入しながら、需要の取り込みを図っていく。 日華化学(4463) 2 2012 年 9 月 12 日 その他、韓国では、順次新規設備を導入し、好調な撥水、撥油機能のある薬剤の生産を拡大す る。主にスポーツウエア、レインコートといった衣料品で用いられているが、今後は自動車シー トの耐久性を高めたり、スマートフォンの画面コーティングし指紋付着を防いだりする用途での 受注獲得も狙う。 中国での研究所拡充、台湾での新工場完成など、 「長期ビジョン 2016」の目標達成に向けた種 まきを終えた。今後はこれらを活かした新規顧客の獲得、高付加価値製品の開発が求められる。 コスト管理の徹底も重要となるだろう。もっとも目標が非常に高く、達成には不確実性が残る。 投資指標面で割安感が乏しいことも踏まえて、投資判断はNEUTRALを継続する。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明 本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解 を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬 も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義 O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。 N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場 合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様 への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お 客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま すようお願い申し上げます。 本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成 しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている 場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり ませんし、お客様が本資料に依拠した結果としてお客様が被った損害または損失については一切責任を負いません。ま た、今村証券は本資料に関するお客様からのご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社 および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買い または売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係 会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘 を行う場合があります。 日本および外国の株式・債券への投資は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評 価の変化、金利・為替の変動などにより、投資元本を割り込むリスクがあります。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承認なく、また電子的・機械的な方 法を問わず、本資料の全部もしくは一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。 日華化学(4463) 3
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