市場調査部レポート - マネースクウェア・ジャパン

2015 年 4 月 17 日(金)発行 No.057
市場調査部レポート
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ウィークリー・アウトルック
【アウトルック】
様子見が強まるなか米ドル軟調をひきずる可能性も!?
【高金利通貨】 重要イベント続々、NZ ドル/円はどうなる!?
【アウトルック】 様子見が強まるなか米ドル軟調をひきずる可能性も!?
来週の注目通貨ペア:
米ドル/円↓119 円大台を守り切れれば反発のチャンスも、戻りは鈍そう。
<材料>3 月耐久財受注(24 日)
ユーロ/円↑ギリシャ問題の再燃がなければ、129 円に近づく可能性も。
<材料>4 月独・ユーロ圏 ZEW 景況感(21 日)、
ユーロ圏財務相・中央銀行総裁会議(24-25 日)
豪ドル/米ドル↑22 日の CPI 堅調なら、利下げ観測後退から 3 月高値更新も!?
<材料>RBA(豪中銀) 議事録公表(21 日)、1-3 月期 CPI(22 日)
トルコリラ/円↓利下げ圧力は後退したが、政治面で不透明感が残り、軟調が続きそう。
<材料>政策金利発表(22 日)、4 月設備稼働率(24 日)
◆↑↓は筆者が予想する相場の方向性(あくまで予想であり、方向性を保証するものではありません)
今週のレビュー:米経済指標の下振れなどで米ドルが全面安
今週の為替相場は、米経済指標が市場予想を下回ったことなどから、米ドルが総じて軟調となりました。
米ドル/円は、週初に一時 120.80 円まで上昇したものの、10 日に一時 2 万円を超えた日経平均が軟調
に転じたことや、14 日の米小売売上高が市場予想を下回ったこと、IMF が米国の成長率見通しを下方修正
したことなどから、15 日には一時 118 円台に下落しました。ユーロは、ギリシャ財政懸念で週初は弱含みと
なりましたが、米ドル軟調をうけ週間を通して強含みの推移となりました。ECB は 15 日に政策金利据え置き
を決定しました。ポンド/円は、来月 7 月総選挙への不透明感から 14 日には一時 175 円割れとなりました
が、与党・保守党の支持率が上昇したことが材料視され、週後半は右上がりで推移しました。
豪ドルは、中国 3 月貿易収支が市場予想を大幅に下回ったことから、週初は軟調。しかし、米ドル軟調の
影響や、豪雇用統計が市場予想より良好だったことから、週末にかけて上昇しました。NZ ドルは、豪ドル同
様に週前半は軟調も、週後半は堅調に転じました。住宅売上高が大幅に増加したことも買い材料となりまし
た。カナダドル/円は、WTI 原油先物が続伸したことが好感され、1 月中旬以来の水準に上昇しました。
トルコリラは、6 月総選挙で与党・公正発展党(AKP)が苦戦しそうだとの世論調査で大幅に続落。南アラン
ド/円は、とくに材料のないなか、15 日には一時 9.78 円と 3 月 19 日以来の水準に下落しました。
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来週のプレビュー:様子見が強まるなか米ドル軟調をひきずる可能性も!?
来週は、市場の関心が翌週 29 日の米第 1 四半期 GDP や FOMC にシフトするなか、引き続き米国景気、
ならびに米ドルへの信認の揺らぎが目立ち易い一週間になるかもしれません。
IMF(国際通貨基金)は 14 日に最新の世界経済見通しを公表。ユーロ圏、日本の 2015、2016 年成長率
見通しを前回(今年 1 月)の予想から上方修正する一方、米国は 2015、2016 年ともに前回から下方修正
しました。米ドル高が純輸出を押し下げるとみられることが要因です。
4.0
先進国の成長率見通し (前年比GDP伸び率、IMF予想)
%
2015
3.5
3.1
2016
3.1
3.0
2.7
2.3
2.5
2.0
1.5
1.5
1.0
1.7
1.2
1.0
0.5
0.0
日本
米国
ユーロ圏
英国
出所:IMF WEO をもとに作成
先進国の中では引き続き高い成長率見通しを維持する米国ですが、「米経済・米ドル独り勝ち」の構図に
揺らぎが生じたことで、市場のコンセンサスとなっている「年央以降の利上げ」への懐疑心を生むことになり、
それが米ドルの軟調に繋がり易いと考えられます。
来週は米経済指標発表の「端境期(はざかいき)」にあたり、材料が乏しい一週間となります。翌週 29 日の
FOMC に向けて、様子見姿勢の強まりからこう着感が高まり易く、米ドルは対ユーロ、対円とも今週の方向感
= 米ドル軟調をひきずる可能性がありそうです。
米ドル/円は、今週の下値支持線となった日足一目均衡表の先行スパン下限 118.93 円を強く意識する
展開が続きそうです。同水準を NY 市場終値で割り込む場合は、3 月 26 日安値 118.33 円が次の節目と
みられます。割り込まない場合も、120 円台半ばが戻りのメドになりそうです。
ユーロ/円は、米ドル軟調なら週足ボリンジャーバンド(周期 26 週)のマイナス 1 シグマ(17 日時点 130.50
円)前後まで上昇するかもしれません。ただ、米ドル安・円高の影響から上値の伸びは限定的になりそうです。
ギリシャ財政懸念が再燃すると、14 日安値の 126.07 円を下回る可能性もあるでしょう。
豪ドル/円、NZ ドル/円とも、米ドルが一段安すると、3 月高値を更新、さらに上値が伸びるかもしれません。
ただ、20 日は NZ 第 1 四半期 CPI、21 日は RBA(豪中銀)議事録公表、22 日は豪第 1 四半期 CPI と指標
発表が目白押しとなり、発表の直前直後には揺れが生じるかもしれません。
22 日にはトルコの政策金利が発表されます。ここもとのトルコリラ急落で政府筋からの利下げ圧力も後退、
次の一手は利上げとの観測が浮上しています。利上げが実施されれば一旦は下げ止まりそうですが、6 月
総選挙への懸念も残り、再び軟調に転じる可能性もありそうです。
(シニアアナリスト 山岸永幸)
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【高金利通貨】 重要イベント続々、NZ ドル/円はどうなる!?
NZ ドル/円は 4 月 14 日に 90 円を割り込む場面がありましたが、再び 91 円台へと値を戻しています。来
週以降、20 日の NZ1-3 月期 CPI(消費者物価指数)や 30 日の RBNZ(NZ 中銀)政策会合といった NZ ド
ルにとって重要な経済イベントを控えています。今回は、RBNZ の今後の政策金利の行方と、NZ ドル/円の
見通しを考察します。
◆CPI をみると、次の一手は「利下げ」!?◆
RBNZ(NZ 中銀)はインフレ目標を導入しており、CPI を前年比で+1~3%の範囲に収まるように金融政策
運営を行っています。CPI は RBNZ の今後の金融政策を予想するうえで重要な手掛かりとなります。
今年 1 月に発表された昨年 10-12 月期の CPI は、原油安の影響で前年比+0.8%と、7-9 月期の
+1.0%から鈍化。RBNZ のインフレ目標を下回りました。
NZ の消費者物価指数(前年比)
*赤枠は RBNZ のインフレ目標
(出所:Bloomberg)
さらに CPI 発表後の 1 月 29 日の会合で RBNZ は、金融政策スタンスをそれまでの「利上げ方向」から「中
立(利上げと利下げの両にらみ)」へと変更。これを受けて、市場では RBNZ の次の一手は「利下げ」ではな
いかとの観測が浮上しました。
4 月 20 日発表の 1-3 月期CPIは、昨年同時期に比べて原油価格は大幅に下落していることを踏まえる
と、10-12 月期の前年比+0.8%から一段と鈍化するとみられ、市場予想は+0.2%となっています。
ただ、CPI について RBNZ は 1-3 月期にゼロ%近辺まで鈍化すると予想しています。その見通しを基に前
回 3 月 12 日の会合で政策金利を据え置いていることから、1-3 月期 CPI が市場予想通りの結果であれば、
4 月 30 日の会合で RBNZ は、政策金利を現在の 3.5%に据え置き、声明で「利上げと利下げの両にらみ」
の姿勢を維持するとみられます。
◆住宅市場の状況が利下げを困難に◆
もしも 1-3 月期 CPI がマイナスになった場合、そのインパクトは大きく、RBNZ の利下げ観測は再び高まる
可能性があります。
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ただ、住宅市場の状況をみると、RBNZ が利下げに踏み切るのは簡単ではなさそうです。REINZ
(NZ 不動産協会)発表の 3 月住宅価格指数は前年比+9.5%となり、2013 年 11 月以来の高い伸びとな
りました。住宅価格の上昇は NZ 最大の都市であるオークランドで顕著となっており、REINZ によると、オーク
ランドの住宅価格は 3 月までの 1 年間で 20.2%上昇しました。
RBNZ は住宅市場の過熱を抑えるために、2013 年 10 月に住宅融資規制を導入し、2014 年 3 月から 7
月にかけて利上げを実施しました。こうした政策もあり、住宅価格の上昇率は 2014 年 10 月にかけて鈍化し
ましたが、足もとで再び加速しています。
NZ 不動産協会全国住宅価格指数(前年比)
(出所:Bloomberg)
RBNZ は住宅市場に対して、警戒感を示しており、今年 3 月 12 日の声明で「住宅市場は、特にオークラ
ンドで上向いている兆候がみられる」と指摘。RBNZ のウィーラー総裁も「オークランドの住宅市場を注視す
る」とコメントしました。利下げは過熱気味にある住宅市場を一段と過熱させる危うさがあります。
それでは、反対に住宅市場対応で「利上げ」できるかというと、CPI がインフレ目標を下回っている状況で
は、それも難しいでしょう。
◆NZ ドル/円はレンジ内の動き継続か◆
NZ ドル/円はここ 2 か月にわたり、おおむね 87 円~92 円で推移しています。RBA(豪中銀)は来月にも追
加利下げに踏み切るとの観測があり、日銀も追加緩和の可能性を残しています。一方、RBNZ が利下げに
踏み切るのは難しく、政策金利の据え置きを続けるとみられます。金融政策見通しの差は、NZ ドル/円を下
支えしそうです。ただ、RBNZ の利下げ観測自体は市場に根強くあるため、NZ ドル/円が一方向に上がる状
況ではないかもしれません。NZ ドル/円は 87 円~92 円の範囲内で上下を繰り返す状況が続きそうです。
(アナリスト 八代和也)
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来週の主要経済指標・イベント
当社予想
市場予想
前回値
7:45 【NZ】消費者物価指数 前年比(1-3月期)
0.1%
0.2%
0.8%
10-12月期の0.8%から一段と鈍化する見通し。ただ、RBNZ(NZ中銀)は1~3月期にゼ
ロ%近辺まで鈍化すると予想している。マイナスにならなければ、RBNZの利上げと利下
げの両にらみスタンスに変化なしか。
4月21日 10:30 【豪】RBA議事録発表(4月7日開催分)
4月20日
RBA(豪中銀)は2月に利下げした後、2か月連続で政策金利を据え置いた。議事録から
追加利下げの時期に関する手掛かりが得られるかどうか。
4月22日 10:30 【豪】消費者物価指数 前年比(1-3月期)
1.2%
1.2%
1.7%
基調インフレ率にも注目。消費者物価指数や基調インフレ率が弱い結果になれば、RBA
の5月利下げ観測が高まる可能性あり。その場合、豪ドルに下押し圧力がかかりそう
17:30 【英】BOE議事録発表(4月8-9日開催分)
カーニー総裁らは「次の一手は利上げ」との見解を表明しているが、実施は年末近くか来
年となりそう。5月7日の総選挙を前に、中銀が市場にメッセージを送る最後の機会
20:00 【トルコ】TCMB政策金利
7.50%
7.50%
7.50%
【トルコ】翌日物貸出金利
10.75%
10.75%
10.75%
【トルコ】翌日物借入金利
7.25%
7.25%
7.25%
対ドルで最安値を更新しているトルコリラの防衛策を協議する予定。防衛策が不十分と市
場に判断され、トルコリラが売られる展開か。逆に、エルドアン大統領の圧力に抗して「利
上げ」に踏み切れば、サプライズでリラ急騰も
【EU】ユーロ圏財務相・中央銀行総裁会議
4月24日
ギリシャが改革の最終提案を承認されるか。完全承認とならず宿題を課される可能性が
ありそう。交渉が暗礁に乗り上げて、「デフォルト」「解散総選挙」の観測が高まれば、ユー
ロ一段安も
17:00 【独】IFO景気動向指数(4月)
108.5
108.2
107.9
昨年10月を底に5か月連続で上昇中。ユーロ安、原油安、QEによる株高や金利低下がド
イツ景気の支援材料になっている模様
21:30 【米】耐久財受注 前月比(3月)
0.5%
0.6%
-1.4%
耐久財受注は昨秋以降に軟調な展開。ドル高や油田の設備投資減少の影響が現れて
いる可能性がある。3月は前月のマイナスからの反動が出そう
市場予想はBloomberg、4月17日10:00現在。発表日時は日本時間。
2015年9月までの金融政策の市場予想
政策金利%
利下げ
現状維持
利上げ
米国
0-0.25
0%
74%
26%
英国
0.50
28%
72%
0%
NZ
3.50
39%
61%
0%
カナダ
0.75
28%
68%
4%
ユーロ圏
0.05
75%
25%
0%
豪州
2.25
88%
12%
0%
OIS(翌日物金利スワップ)を用いた確率。4月16日時点
出所:Bloombergより作成
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<執筆者>
山岸 永幸(やまぎし ながゆき)
市場調査部 シニアアナリスト
1986 年、ユニバーサル証券(現、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券)入社後、株式ス
トラテジスト、アナリスト、チャーチスト、先物トレーダーなど株式業務全般に携わる。
1987 年に出向先の大和証券で「一目均衡表」に出会って以降、28 年間にわたり、均
衡表と実践的な活用法を探究。2012 年春マネースクウェア・ジャパンに入社。セミナ
ー講師として多数の顧客にノウハウを伝えるとともに、多数のレポートを配信。また、
様々なメディアに出演し、活躍中。
八代 和也(やしろ かずや)
市場調査部 アナリスト
2001 年、ひまわり証券入社後、コールセンター、為替関連の市況ニュースの配信、レ
ポートの執筆など FX 業務に携わる。2011 年 12 月、マネースクウェア・ジャパンに入
社。市場調査部に所属し、豪ドルや NZ ドルといったオセアニア通貨にフォーカスした
「オセアニア・レポート」を執筆している。FX に携わり 11 年。
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