市場調査部レポート - マネースクウェア・ジャパン

2015 年 5 月 15 日(金)発行 No.060
市場調査部レポート
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ウィークリー・アウトルック
【アウトルック】
ドイツ金利上昇・ユーロ高は一服か
【高金利通貨】
豪ドルと NZ ドルの値動きの違いの要因は?
【アウトルック】 ドイツ金利上昇・ユーロ高は一服か
来週の注目通貨ペア:
米ドル/円→ FOMC 声明はややタカ派的だったが、利上げに慎重なハト派的議論もあったかも。
フィラデルフィア連銀景況指数は改善するか、CPI は弱めか。
<材料>FOMC 議事録(20 日)、フィラ指数(21 日)、CPI(22 日)
ユーロ/米ドル→ ドイツ金利の上昇が一服すれば、ユーロ高にも歯止めがかかりそう。
ただし、ギリシャとユーロ圏の交渉が進展すれば、ユーロ高要因。
<材料>ドイツ金利、ギリシャとユーロ圏の交渉
豪ドル/円→ RBA 議事録で今後の金融政策について何らかの手掛かりが示されるか。
利下げ打ち止め観測を強めるものになれば、豪ドルは一段高の可能性も。
<材料>RBA(豪中銀)議事録(19 日)
NZ ドル/円→GDT 指数は前回、約 5 年 9 か月ぶりの低水準をつけた。19 日のオークションで
反発すれば、 NZ ドルの下支え材料となりそう。
<材料>GDT(乳製品電子オークション、19 日)
トルコリラ/円↓物価上ブレにもかかわらず、利上げは困難か。それを見越したトルコリラ売りも。
<材料>TCMB(トルコ中銀)の会合(20 日)
◆↑↓→は筆者が予想する相場の方向性(あくまで予想であり、結果を保証するものではありません)
今週のレビュー:ドル円は小幅下落、クロス円は総じて上昇
ドル円は 4 月の米小売売上高など経済指標の軟調を受けて、一時 119 円を割り込む場面も。ただ、日米
金利差の拡大がドル円を下支えしたため、ドル円の下落は小幅でした。一方で、ドルは円以外の通貨に対し
て対円以上に下落したので、クロス円は総じて堅調でした。
ユーロは堅調でした。ドイツ金利の急騰を受けて上昇した 4 月下旬以降の流れが継続しました。ユーロ圏
の 1-3 月期の GDP は市場予想の通りでしたが、前期からの改善が示されたことでユーロをサポートしました。
ポンドも大幅に上昇しました。先週の総選挙で保守党が予想外に単独過半数の議席を獲得したことで、政
治の不透明が払拭されたことが大きかったようです。11 日の BOE(英中銀)の金融政策委員会は現状維持
を決定しましたが、今週発表された鉱工業生産などの経済指標は景気堅調を示唆し、ポンド高要因となり
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ました。
利下げ打ち止め観測が台頭した豪ドルや、原油価格の堅調を受けたカナダドルも上昇しました。一方、利
下げ観測が強まった NZ ドルは例外的に対ドルで下落しました。
トルコリラや南アランドも対ドルで上昇しましたが、独自の材料というよりドル安の裏返しの面が強かったよう
です。トルコリラの上昇が目立ち、先月の下落分をほぼ戻しました。
来週のプレビュー:ドイツ金利上昇、ユーロ高は一服か。来週は中銀イベントが目白押し
4 月下旬以降のドイツ長期金利の急騰はいったん落ち着きそうです。他の主要国の長期金利は既に 1 月
下旬に原油価格の反転上昇に合わせて上昇基調に転じていました。ドイツの長期金利は出遅れていたため
に急上昇しましたが、ボトムからの上昇幅は既に日本を除く他の長期金利と同じとなっており、キャッチアップ
が終わった可能性があります。ドイツ長期金利が落ち着けば、ユーロ高も一服する可能性があるでしょう(本
日のスポットコメント「世界的金利上昇の本質と為替相場」を、ご参照ください)。
急な相場変動にはオーバーシュートがつきものなので楽観は禁物ですが、来週はギリシャとユーロ圏の交
渉を除けば、あまり重要なユーロ関連の相場材料はありません。
来週は、FOMC 議事録やフィラデルフィア連銀製造業景況指数、消費者物価など米国の材料と、各国中
央銀行のイベントに注目です。
4 月 29 日の FOMC 声明文は、「景気の減速は一時的」との判断を示し、利上げに積極的な「タカ派」的と
市場にみなされました。ただ、議論の中では、利上げに消極的な「ハト派」も主張した可能性が高く、その後
の経済指標の弱さに鑑みれば、議事録を受けて利上げ観測が一段と後退する可能性もありそうです。
4 月の ISM 製造業景況指数は前月から横ばいでしたが、「生産」や「新規受注」などの項目は上昇し、先行
きに関して明るい材料でした。したがって、5 月のフィラ連銀指数は小幅反発が予想されますが、最近の経
済指標は市場予想を下回るものが多く注意は必要でしょう。4 月の CPI(消費者物価)は、エネルギーと食料
を除くコアの上昇率が鈍化しそうです。ドル高による輸入価格の下落が物価の下ブレ要因になっていそうで
す。
RBA(豪中銀)の議事録では、利下げの打ち止めに関する議論があったかどうか。利下げの決定が僅差だ
った場合も、打ち止め感が一段と強まるかもしれません。いずれも、豪ドル高の材料となりそうです。
市場では BOE(英中銀)の「次の一手は利上げ」との予想が支配的ですが、議事録で利上げのタイミング
や条件について何らかの示唆があるかが注目です。こちらも、ポンド高の材料となる可能性があります。
TCMB(トルコ中銀)は現状維持を決定しそうです。インフレ率は上振れしていますが、利上げは困難でしょ
う。エルドアン政権は 3 月中旬以降、表立った利下げ要求は控えていますが、6 月 7 日の総選挙前に
TCMB が動きにくいことを見透かしてトルコリラ売りが出るかもしれません。
一方、SARB(南ア中銀)も現状維持を決定しそうです。ただ、クガニャゴ総裁が示唆してきたように「次の一
手は利上げ」との意向が確認されるようであれば、南アランドにとってプラスとなりそうです。
日銀も現状維持を決定するでしょう。黒田総裁は記者会見で、「追加緩和は、今は必要ない」との姿勢を
改めて示しそうです。なお、5 月 29 日に発表される 4 月の消費者物価は昨年 4 月の消費税引き上げの効
果がはく落することで、前年比上昇率は 3 月の+2.3%から 0%台前半まで急低下しそうです。4 月の消費者
物価を受けて、日銀に対する追加緩和期待が高まるかもしれません。
(チーフアナリスト 西田明弘)
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【高金利通貨】豪ドルと NZ ドルの値動きの違いの要因は?
このところ豪ドルは堅調に推移する一方、NZ ドルは弱含んでおり、通貨の強弱が鮮明になっています。
現在の政策金利は、RBA が過去最低の 2.00%の一方、RBNZ は 3.50%です。RBA よりも RBNZ の方が
高く、金利水準の観点では、NZ ドルの方が優位です。それにもかかわらず、豪ドルが強く、NZ ドルが弱いの
は RBA と RBNZ の今後の金融政策見通しの違いが挙げられます。
RBA と RBNZ の政策金利の推移
(出所:Bloomberg)
◆RBA の利下げは 5 月で打ち止めか◆
RBA は 5 月 5 日に 0.25%の利下げ(2.25%→2.00%)に踏み切りましたが、市場では RBA の利下げは
今回で最後との観測が浮上しています。
その要因に 5 日の利下げ決定時の声明があります。声明では、「追加利下げの可能性に言及した文言が
削除」され、豪州経済について、4 月の「トレンドを下回るペースでの成長が続いている」から「家計部門の需
要が過去 6 か月で改善し、雇用がより力強く伸びている」に変わりました。
RBA 声明における金融政策に関する文言
また、豪州最大の輸出品である鉄鉱石価格が足もと反発傾向にあることも、利下げ打ち止め観測につな
がっています。
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鉄鉱石価格の推移
(出所:Bloomberg)
市場の金融政策見通しを反映する OIS(翌日物金利スワップ)をみると、5 月 12 日時点で市場が織り込む
今年 11 月までの RBA の政策金利のメインシナリオは、現在の 2.00%に据え置きです。市場は、RBA の利
下げは 5 月で打ち止めの可能性があるとみていると言えそうです。
市場が織り込む RBA の政策金利の確率
(出所:Bloomberg)
◆RBNZ の利下げ観測強まる◆
一方、RBNZ は昨年 3 月から 7 月にかけて計 4 回 1.00%の利下げを実施。以降、前回 4 月 30 日まで
6 会合連続で政策金利を 3.50%に据え置いています。
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ただ、4 月 30 日の声明で、金融政策の文言が変化したことで、RBNZ の利下げ観測が浮上しました。声明
では、「現時点で利上げを検討していない」「需要が鈍化し、インフレ圧力の一段の低下が示されれば、利下
げを実施する可能性がある」と表明し、利下げの可能性に言及。政策のスタンスが“中立(利上げと利下げ
の両睨み)”から “利下げ方向”へシフトしたことを示唆しました。
RBNZ 声明における金融政策に関する文言
また、賃金上昇率の鈍化や乳製品価格も、RBNZ の利下げ観測を強める要因となっています。
NZ の 1-3 月期の民間部門の賃金上昇率は前期比+0.3%と、市場予想の+0.4%を下回り、10-12 月の
+0.5%から伸び率が鈍化しました。
乳製品国際価格の指標となる GDT 価格指数は 5 日のオークションで 730 と、前回 4 月 15 日の 757
から一段と鈍化。2009 年 8 月以来、5 年 9 か月ぶりの低水準となりました。乳製品を最大の輸出品とする
NZ にとって、乳製品価格の下落は経済に下押し圧力を加えます。RBNZ のウィーラー総裁は 13 日に、「乳
製品価格が低水準で推移すれば、経済に懸念」との見解を示しました。
乳製品価格(GDT 価格指数)の推移
(出所:Bloomberg)
OIS によると、市場は RBNZ が次回 6 月 11 日の会合で利下げを行う確率を 5 割強織り込み、12 月まで
では 9 割近くまで上昇します(5 月 12 日時点)。 市場は、RBNZ は年内に利下げを行う可能性が高いとみ
ています。
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市場が織り込む RBA の政策金利の確率
(出所:Bloomberg)
◆RBNZ の利下げ観測は行き過ぎ感あり◆
以上のように、豪ドルは RBA の利下げ打ち止め観測が支援材料となる一方、NZ ドルは RBNZ の利下げ観
測が下押し圧力となっています。
引き続き、豪ドルは底堅く、NZ ドルは上値が重い展開になりそうです。ただ、NZ ではオークランドを中心に
住宅市場が過熱気味です。利下げは住宅市場を一段と過熱させる危うさがあるため、RBNZ の利下げのハ
ードルは意外と高いとみられます。市場の RBNZ に対する利下げ観測は行き過ぎの可能性があります。利下
げ観測は今後後退することも考えられ、そうなれば NZ ドルは上昇基調に戻る可能性があります。
RBA と RBNZ の政策金利
*点線は市場の見方
(出所:Bloomberg)
(アナリスト 八代和也)
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来週の主要経済指標・イベント
当社予想
市場予想
前回値
5月19日 10:30 【豪】RBA議事録発表(5月5日開催分)
RBAは5日に0.25%の利下げを実施。その際の声明では、今後の金融政策について言及
せず。利下げ打ち止め観測が浮上する中、金融政策について何らかの手掛かりが示され
るかどうか
5月20日 8:50 【日】実質GDP速報値 前期比(1-3月期)
0.3%
0.4%
0.4%
【日】実質GDP速報値 前期比年率(1-3月期)
1.3%
1.6%
1.5%
2四半期連続でプラス成長になれば、2013年7-9月期まで3期連続プラスになって以来の
こと。日銀の考える潜在成長率は「0%台前半ないし半ば」なので、それを上回れば物価
上昇につながり易い
17:30 【英】BOE議事録公表(5月7-8日開催分)
前回は「3年の見通し期間中に利上げしていることに全員が同意した」。「次の一手は利
上げ」とみられるなかで、そのタイミングや条件について何らかの示唆があるか
20:00 【トルコ】TCMB政策金利発表
【トルコ】翌日物貸出金利
【トルコ】翌日物借入金利
7.50%
10.75%
7.25%
7.50%
10.75%
7.25%
7.50%
10.75%
7.25%
インフレ率が上振れしているが、利上げは困難。エルドアン政権は表立った利下げ要求
は控えているが、TCMB(中銀)は圧力を感じていよう
5月21日
3:00 【米】FOMC議事録公表(4月28-29日開催分)
FOMCでは「景気の減速は一時的」との判断が示された。利上げ開始のタイミングや条件
に関して何らかの示唆があるか
【南ア】SARB政策金利発表
5.75%
5.75%
5.75%
クガニャゴ総裁は「次の一手は利上げ」と強く示唆しているものの、3月の消費者物価は
前年比+4.0%と、目標3-6%の中心以下に鈍化しており、利上げを急ぐ理由に乏しい
23:00 【米】フィラデルフィア連銀景気指数(5月)
9.0
8.2
7.5
4月のISM製造業景況指数は前月から横ばいだったものの、「生産」や「新規受注」の項
目は上昇し、先行きに関する明るい材料だった
5月22日
【日】日銀金融政策発表
現状維持が予想される。黒田総裁は記者会見で、「追加緩和は、今は必要ない」との姿
勢を堅持しそう
21:30 【米】消費者物価コア指数 前年比(4月)
1.7%
1.7%
1.8%
ドル高による輸入価格の下落が物価に下向きの圧力を加えている模様
市場予想はBloomberg、5月15日10:00現在。発表日時は日本時間。
2015年11月までの金融政策の市場予想
政策金利%
利下げ
現状維持
利上げ
75%
25%
22%
米国
0-0.25
英国
0.50
13%
65%
NZ
3.50
79%
21%
カナダ
0.75
28%
65%
ユーロ圏
0.05
68%
32%
豪州
2.00
46%
54%
7%
OIS(翌日物金利スワップ)を用いた確率。5月14日時点
出所:Bloombergより作成
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<執筆者>
西田 明弘(にしだ あきひろ)
市場調査部 チーフアナリスト
1984 年、日興リサーチセンターに入社。米ブルッキングス研究所客員研究員などを
経て、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券入社。チーフエコノミスト、シニア債券ストラテ
ジストとして高い評価を得る。2012 年 9 月、マネースクウェア・ジャパン(M2J)入社。市
場調査部チーフアナリストに就任。現在、M2J の WEB サイトで「市場調査部レポート」、
「市場調査部エクスプレス」、「今月の特集」など多数のレポートを配信する他、TV・雑
誌など様々なメディアに出演し、活躍中。
八代 和也(やしろ かずや)
市場調査部 アナリスト
2001 年、ひまわり証券入社後、コールセンター、為替関連の市況ニュースの配信、レ
ポートの執筆など FX 業務に携わる。2011 年 12 月、マネースクウェア・ジャパンに入
社。市場調査部に所属し、豪ドルや NZ ドルといったオセアニア通貨にフォーカスした
「オセアニア・レポート」を執筆している。FX に携わり 11 年。
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