3月号 (2757k) - 石油エネルギー技術センター

2004
March
3
Petroleum Energy Center News
財団法人 石油産業活性化センター
ホームページアドレス http://www.pecj.or.jp/
編集・発行 財団法人 石油産業活性化センター 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目3番9号 住友新虎ノ門ビル
TEL 03-5402-8500 FAX 03-5402-8511
C
O
N
T
E
N
T
S
◆特 集 ■「石油精製汚染物質低減等技術開発」
事業 ……………………………………… 1
軽油の超深度脱硫技術の開発
◆トピックス 最近の動き …………………………… 13
■ 米国の環境保護局(EPA)副長官来所
■ 第2回アジア石油技術シンポジウム開催
特集 「石油精製汚染物質低減等技術開発」事業
軽油の超深度脱硫技術の開発
研究開発の背景
自動車排気ガス、特にディーゼル車の排
す。そのためにはディーゼル車への連続再
気ガスに含まれる窒素酸化物、及びすす等
生式DPF等の排気ガス後処理装置の装着
の粒子状物質による大気汚染は、大都市を
が有効であり、後処理装置を十分に機能さ
中心として依然として深刻な状況にあり、
せる為には軽油中の硫黄分の低減が不可
その早急な低減が重要課題となっていま
欠となっています。
(図1参照)
図1
何故低硫黄軽油が必要か
1
国内の軽油硫黄分規制は現行500ppmか
を実施した経緯があり、更なる規制強化に
ら平成16年末には50ppm、更に平成19年に
対応するに当たっては大幅な改造(設備投
は表1の様に10ppmへと強化されます。石
資)を必要としない高活性な触媒の開発が
油業界は500ppm規制への対応で設備更新
切望されていました。
表1 軽油サルファーフリー化(硫黄分10ppm以下)
の動向
平成17年 : 部分供給
平成19年 : 全面供給
当センターは(独)新エネルギー産業技
術総合開発機構の委託を受けて、軽油中の
に、軽油品質適正化等の周辺技術の開発に
ついても併せて実施しました。
硫黄分を大幅に低減させる触媒開発を中心
軽油超深脱触媒開発の目標
及びコンセプト
当初目標(50ppm)をH13年度に達成し、新目標(サルファーフリー)を目指す
プロジェクトは平成11年からの5年計画
年度に達成し、開発された触媒は平成15年
でスタートし、当初目標は軽油中の硫黄分
7月よりコスモ石油(株)坂出製油所にて
50ppm以下に対応する新規触媒の開発であ
実用に供され、現在も順調に運転中です。
りました。しかし、この目標は既に平成13
13年度開発触媒
低硫黄化への更なる社会的要請を受けて、
平成13年度以降、実質的にはサルファーフ
2
開発触媒を導入した軽油脱硫装置
リー(硫黄分10ppm以下)を目指す触媒開
発に目標を変更しました。
(図2参照)
3
図2
研究開発スケジュール
硫黄分500ppmの深度脱硫(以下「深脱」
)
を効率良く脱硫する必要があります。各研
対応触媒を用いて10ppm以下の規制に対応
究室が取った触媒開発のコンセプトを図3
するにはリアクター容積を3倍以上に増加
に示します。
する必要があると言われており、換言すれ
この他に反応塔内で生成する硫化水素や
ば触媒活性を500ppm対応触媒の約3倍程
アンモニアは脱硫反応を阻害することか
度に上げることが必要となりました。
ら、これらのガスを効果的に除外して脱硫
脱硫活性を上げるには4、6ジメチルジ
効率を上げる技術の開発を行いました。
ベンゾチオフェン等の難脱硫性硫黄化合物
図3
触媒開発のコンセプト
3
各研究室のアプローチ
1)固体酸を付与したCoMoアルミナ触媒(幸手研)
異性化能を持つ固体酸(HY型ゼオライ
ト)をCoMoアルミナ触媒に付与すること
(異性化)させて脱硫反応を促進します。
(図4参照)
で、硫黄に隣接しているアルキル基を移動
図4
固体酸の付与による難脱硫性物質の立体障害の緩和
2)高分散型NiMoアルミナ触媒(袖ヶ浦研)
担持金属の増量、高分散化によりNiMoS
促進します。これによりアルキル基をベン
活性点を増やすことでNiMoアルミナ触媒
ゼン環の上下どちらかに移動させて脱硫反
の水素化能を高めてベンゼン環の水素化を
応を促進します。
(図5参照)
図5
4
水素化活性の高いNiMo触媒の活性点の高分散化
3
3)選択水添CoMoチタニア触媒(千代田研)
高活性ではあるが、低表面積とブロード
な細孔径分布という欠点を持つチタニア触
面積化と細孔径分布の改良を図りました。
(図6、7参照)
媒について、pHスイング法を用いて高表
図6
pHスイング法の原理
図7
pHスイング・チタニア
担体と市販チタニア担
体の細孔分布比較
4)H2S分離システム/NiW触媒(戸田研)
反応塔の上流部分で生成する硫化水素や
スを反応塔の中間部で抜出し、下流部分に
アンモニアは脱硫反応の阻害物質として下
新規に開発したNiW触媒を使用すること
流部分で高濃度に存在します。これらのガ
で脱硫反応を促進します。
(図8参照)
図8
硫化水素分離システムの概要
5
研究室開発触媒の評価/
寿命評価/適正化
4研究室全てでサルファーフリーを達成
各研究室で開発された触媒は一律の条件
で初期活性の評価を行いました。
図9
その結果、全ての触媒が
反応温度と硫黄分
(SV=1.5)
の関係
• L H V S =1.5
• 反応温度 340°
台
で図9に示すように
生成油硫黄分 10ppm
硫黄分(wtppm)
• 水素分圧 5.0MPa
を達成しました。
実装置でのLHSVは若干この値より低下
反応温度(℃)
すると見込まれますので、反応温度の更な
る低下が期待されます。
本評価の水素消費量を図10に示します。
図10 硫黄分と
水素消費量の関係
表現は出来ませんが、チタニア系触媒は同
一硫黄分での低減をより低水素消費量で達
成出来る特徴を持つことが明らかになりま
した。
水素消費量(Nm3/KL)
ベンチプラント結果であるので、定量的な
硫黄分(wtppm)
触媒寿命については各研究室にてそれぞ
れの条件で実施しており目標とする寿命を
図11 長期寿命試験結果
(10ppm対応触媒)の一例
図11に示します。
サルファーフリー軽油の品質について
は、当センターの石油基盤技術研究所で検
討を行い、ディーゼル燃料としての実用性
15,10ppmS 要求温度/℃
越える結果が得られています。その一例を
10ppm運転
15ppm運転
能に関し、現行軽油とほぼ同等の品質に適
正化出来ることを確認しました。
6
通油日数/day
3
開発触媒の実用化
本事業で開発したサルファーフリー軽油
製造のための触媒はコスモ石油(株)の千
図12 サルファーフリー
軽油用脱硫触媒
葉、四日市、堺製油所の軽油脱硫装置への
充填を検討中です。この触媒は4年間の連
続運転が可能であると推定しております。
大学との連携
これら研究室の触媒開発に当たっては、
大学等の要素技術開発による産学連携が不
の一つといえます。触媒開発の研究体制を
図13に示します。
可欠であり、この結果も本技術開発の成果
図13 石油精製汚染物質低減等技術開発平成15年度実施体制
7
軽油超深度脱硫触媒開発の
克服すべき課題
目標達成のため異性化・硫化水素の除去・新触媒担体の開発よりアプローチ
1)脱硫性能の向上
軽油中の硫黄化合物には、ベンゾチオ
す。水素化脱硫反応とは、硫黄化合物から
フェン(BT)やジベンゾチオフェン
図14に示すように炭素骨格をそのまま残
(DBT)のアルキル誘導体が多数見られま
して硫黄を硫化水素の形で除くことです。
図14 水素化脱硫反応
ジベンゾチオフェン
4, 6ジメチルジベンゾチオフェン
ガスクロマトグラムの分析では、500ppm
メチル基の立体的な反応阻害(立体障害)
対応の脱硫軽油に残る硫黄化合物には
によるとされ、このメチル基の立体障害を
4,6DMDBT(ジメチルジベンゾチオフェ
除去あるいは緩和できれば脱硫反応性の飛
ン)に代表される難脱硫性硫黄化合物が多
躍的向上が期待されることになります。こ
く見られます。超深度脱硫ではこれらの難
のためには図15に示すように イ)メチ
脱硫性硫黄化合物を如何に効率よく脱硫す
ル基の分子内移動(異性化)
、ロ)芳香環
るかが重要になります。このため本触媒開
の水素化の促進が課題となります。ハ)ま
発においてもこれまでの検討方法に加えて
た、立体障害の緩和に加えて、本来の水素
新たな取り組みが必要でした。
化脱硫活性の向上も必要です。
4,6DMDBTの難脱硫性は4位と6位の
図15 4,6ジメチルジベンゾチオフェンの水素化脱硫反応経路
8
3
課題の克服方法と問題点は以下の通りです。表2に要点を示します。
表2 課題の克服方法と問題点
課題
克服方法
問題点
メチル基の分子内移動
酸点の付与
分解とコークの生成
芳香環の水素化
水素化活性の高い触媒の適用
硫化水素等の阻害の影響が大
水素化脱硫活性の向上
CoMoS相の効果的な形成
脱硫機構の解明が必要
イ)メチル基の分子内移動(異性化)
芳香族分子内のメチル基の移動(移行反
ますが、酸点が強いと分解やコーク生成を
応)には酸点が必要で、このためにアルミ
引き起こし、触媒寿命を短くするため、酸
ナ担体にシリカやゼオライトが加えられま
点の強度を調整し、移行反応とのバランス
す。4,6DMDBTのメチル基の移行反応は図
を最適化する必要があります。
16のように酸点で起こると考えられてい
図16 酸点による4,6ジメチルジベンゾチオフェンの
メチル基移行反応
※図16∼20は触媒表面の構造モデルを示します。
9
ロ)芳香環の水素化
通常の縮合多環芳香族の水素化には
図17 芳香環の水素化
水素化活性の強化
NiMo系あるいはNiW系触媒が有効であり、
これらの水素化活性を高めることでメチル
基による反応阻害を緩和し、4,6DMDBT等
の難脱硫性硫黄化合物の脱硫を促進するこ
とが可能となります。しかし、水素化能に
優れた触媒系は反応雰囲気下で生成する硫
化水素やアンモニア等による阻害を受けや
すく、また図17に示す様に水素化能に優
れた触媒は芳香族の水素化も促進するため
水素消費量が増加するといった課題を克服
する必要があります。
ハ)水素化脱硫活性の向上
水素化脱硫活性の向上のためには、上述
のメチル基に起因する立体障害の緩和とと
図18 水素化脱硫活性の向上
もに水素化脱硫活性そのものの向上も重要
CoMoS相の性能向上
です。そのためには活性金属の担持量の増
加や担体表面積の増加などの方法に加え
て、図18に示す様に水素化脱硫の活性点
であるCoMoS相を担体上のMoやCoから効
果的に形成させることが重要です。
リン(P)やホウ素(B)の添加で脱硫
活性が向上することが知られていますが、
CoMoS構造の形成にどのように作用して
いるのかは明らかでは無く、またキレート
様な難脱硫性の嵩高い硫黄化合物の接近に
剤の添加はCoMoS相の形成に有効ですが、
有効との説もあります。超深度脱硫触媒の
その作用機構は解明されていません。
開発では、このような個々の添加物の効果
CoMoS相と担体のアルミナとの相互作用
や、その組合せ効果を解明し、種々の効果
機構についても明らかではありませんが、
を最適化する必要があります。
積層化されたCoMoS構造が4,6DMDBTの
10
3
2)反応阻害と触媒劣化
図19 脱硫反応の阻害物質
超深度脱硫触媒の開発では活性の向上と
ともに反応の阻害や触媒の劣化の検討も重
要になります。
反応塔の上流部分で生成する硫化水素や
アンモニアは図19に示す様に脱硫反応の
阻害物質として下流部分で高濃度に存在し
ます。超深度脱硫触媒では、このような物
質に対する耐阻害性が求められます。また
一方でこのような阻害物質を効果的に除去
できれば下流での難脱硫性硫黄化合物の反
応が促進されるとともに、NiWのような脱
きな活性の低下が起こることが知られてお
硫活性は高いものの硫化水素に被毒され易
り、これを補償するためには通油時間の経
い触媒の適用も可能になります。
過とともに反応温度を徐々に上げていく必
要があります。軽油の水素化脱硫反応に伴
また、超深度脱硫のために反応条件を過
う触媒活性の低化についてはこれまで十分
酷にしますと、図20に示す様に反応に伴う
な知見がなく、劣化の機構の解明とそれに
コークの堆積、活性金属の凝集などが促進
基づいた触媒寿命の延長方法を開発する必
され、特にNiMo系触媒では反応初期に大
要があります。
図20 触媒の劣化
3)新規触媒の開発
工業的水素化脱硫触媒はMo(またはW)
の欠点であります、低表面積とブロードな
とCo(またはNi)をγ-Al2O3に担持してい
細孔径分布について改良研究を行い、実用
ますが、TiO 2担持触媒が優れた活性を有
触媒を製造する技術を確立することが必要
することが報告されています。特に難脱硫
となります。
性硫黄化合物である4,6-DMDBTの水素化
脱硫反応に対してはアルミナ担持触媒より
本事業では大学の支援研究を受けて以上
優れているとする報告も多く出されていま
の課題を克服し、超深度脱硫触媒の開発を
す。従ってチタニア担持触媒の高活性の原
進め、軽油硫黄分の実質10ppmの目標を達
因を明らかにするとともに、チタニア担体
成いたしました。
11
成果報告会
主催者挨拶をする岡田常務理事
このようにして開発しました成果を広く
公表し、技術の普及を図るため、去る2月
27日(金)に虎ノ門パストラルにて「石油
来賓挨拶をする経済産業省 野中課長
行なわれ、盛況のうちに無事報告会を終了
することができました。
報告会では(1)事業全体概要、(2)
精製汚染物質低減等技術開発」事業成果報
軽油超深度脱硫触媒開発の克服すべき課
告会を開催しました。当日はNEDO本城参
題、(3)軽油の超深度脱硫触媒の開発、
事、PEC岡田常務理事に続き、資源エネル
ギー庁石油精製備蓄課長の野中様より来賓
(4)超深度脱硫軽油の品質、
(5)軽油超
深度脱硫触媒開発のための要素技術開発、
挨拶を頂戴し、その後、PEC各研究室、共
(6)研究成果のまとめ(研究成果の総括
同研究先大学の研究成果の報告を行いまし
と今後の展望)の順に各セッションに分け
た。当日は約200人という多数の参加者が
て報告を行いました。
あり、熱の入った報告と活発な質疑応答が
成果報告会の発表風景
12
成果報告会の Q&A 風景
3
ト ピ ッ ク ス
米国の環境保護局(EPA)
副長官来所
アジアの大気環境改善へ協力を要請
本年1月13日、当センターは米国環境保
※PCFV(Partnership for Clean Fuels and
護局(EPA)のスティーブ・ジョンソン
Vehicles)
:2002年ヨハネスブルクで開催
副長官を始めとした関係者の訪問を受けま
された「持続可能な開発に関する世界首
した。訪問の目的は、近年アジア各国で問
脳会議」での宣言に基づき設立され、情
題となっている自動車排ガス問題を改善す
報センターは国連環境計画(UNEP)に
るため、この分野の技術的先進国である日
設置しています。
本にPCFV※(クリーン燃料と自動車のた
めのパートナーシップ)への参加を要請す
※EPA側の来所者
ることです。
・Steve Johnson
PCFVは、クリーンエンジン技術の応用
と共に有鉛ガソリンの排除と軽油およびガ
ソリン中の硫黄分削減を図ることなどを目
的としています。PCFVのリーディングパ
ートナーは国連環境計画(UNEP)と
EPAです。EPAは当センターに対して、
アジア各国への燃料および自動車技術の普
及を働きかけ、アジアの環境改善をリード
する役割を期待しています。
PCFVへの正式な参加については、関係
省庁や関係機関と十分な協議を行ってから
(副長官)
・Jerry Clifford
(国際部部長)
・Martin Dieu
(国際部技術協力課長)
・Dennis Leaf
(大気放射線課アドバイザー)
・David Hermann
(駐日米国大使館科学担当書記官)
・名坂氏
(米国大使館)
回答する旨を伝えました。
EPA、スティーブ・ジョンソン副長官と握手する工藤専務理事
会議出席者の記念撮影
13
第2回アジア石油技術シンポジウム開催
当センターは、石油関連技術情報セン
ル、ベトナム、日本の8ヶ国でした。参加
ター整備事業の一環として、第2回アジア
者は総数約140名で、日本からは、経済産
石油技術シンポジウムを平成16年1月28日
業省、群馬大学、JAMA、日本自動車研究
から30日の3日間にわたり、タイのバンコ
所および当センターからの計15名が参加し
クで開催しました。
ました。タイからは、政府省庁、大学およ
このシンポジウムの目的は、技術的な情
びPTT関係者等が多数出席しました。ま
報交流を通して、アジア地域の持続可能な発
た、自動車関係者としてはアジア自動車工
展に寄与するとともに、情報の共有化の推進、
業会からフィリピン(アセアン会長)
、イ
技術協力体制の構築と情報ネットワークの
ンドネシア、マレーシアの会長が参加しま
構築を目指すことにあります。今回のメイ
した。さらにEPAとアジア開発銀行
ンテーマはアジア各国の大気環境改善に向
けた燃料品質や自動車技術改良による排ガ
第一日目は開会式に引き続き技術発表
ス対応技術に設定しました。今回の特徴の
を、共通セッション、ガソリンセッシ
一つは、国連環境計画(UNEP)・米国環
ョン、ディーゼルセッション、シミュレ
境保護局(EPA)の推進する世界的環境改
ーションセッションの分野別に行いまし
善活動であるPartnership for Clean Fuels and
た。また、EPAとADBからそれぞれ行っ
Vehiclesへ協力する形で開催したことであ
ている世界レベルの環境活動についての紹
り、二つ目の特徴は、燃料技術と自動車技
介がありました。
術を融合させた対応が重要であることか
第二日目は、当センターが行ったアジア
ら、石油関係者に加えて自動車関係者が参
都市環境予測シミュレーション調査の報告
加したことです。主催は当センターですが、
があり、引き続きパネルディスカッション
開催国であるタイの国営石油会社(PTT)
形式による大気環境改善に関する討議を行
に加えて、社団法人日本自動車工業会
いました。パネルディスカッションでは始
(JAMA)が共催者として参画しました。
14
(ADB)の2機関も参加しました。
めにアジア各国のクリーン燃料による車両
参加国はタイ、カンボジア、インドネシ
排ガスの改善事例を発表し、各国が抱える
ア、マレーシア、フィリピン、シンガポー
問題点をまとめ、ガソリンとディーゼルの
開会の挨拶をする岡田常務理事
シンポジウムへの期待を説明される経済産業省 池谷課長補佐
3
個別ワーキングに分かれて各国の問題点に
で実施したディーゼル車排ガス規制の紹介
対する対応策や改善事例の活用法について
およびJCAP大気モデルの紹介を行いまし
グループ討議しました。最後に大気環境改
た。日本の脱硫技術や自動車排ガス技術の
善に向けた各国の今後の取組み方法につい
高さや、ディーゼル排ガス車規制の先進性
て確認し合って全体のまとめとし、閉会し
に興味が持たれ熱心な議論が交わされまし
ました。
た。特にJCAP大気モデルについては、タ
第三日目はバイオエタノールプラントを
イ側からバンコクへの適用についての質問
含むタイ王室が推進する農業プロジェクト
がなされるなど大きな関心を呼びました。
設備を見学しました。
個別ワーキングでは、各国それぞれの
参加したアジア各国では経済成長に伴う
大気環境の現状や問題点等に関する具体的
環境問題の解決が優先課題とされ、関心が
で現実的な議論が打ち解けた雰囲気の中で
高く、発表内容もそれに関連するものが多
進めることができました。
く発表されました。タイからは自国農産物
シンポジウムに参加したEPAから、
「こ
からのバイオ燃料開発を国策として推進し
のシンポジウムは、アジアの環境改善へ向
ており、エタノールの自動車燃料化に努め
けての取り組みを相互に話し合いながら研
ていることの紹介がありました。ベトナム
鑽していく場としてふさわしいものであ
からはガソリン車から天然ガス車への転換
り、情報を交換し共有する特別の機会を提
による対応を推進していること、フィリピ
供するものである」との感謝と今後への期
ンではココナツ油からのココナツメチルエ
待のメッセージを受けるなど、盛況のうち
ステルを軽油代替燃料として推進している
に終えることができました。
こと、インドネシアではADBと共同でブ
この機会を通じて知り得た多くの関係者
ルースカイプログラムを展開するために、
と今後引き続き交流を深めて情報交換を図
圧縮天然ガス車の導入を推進していること
ることで、アジアの環境改善に寄与する
などの紹介がありました。
とともに、情報収集と情報ネットワーク
日本からの発表は、自動車排ガス規制へ
構築に役立てて参ります。
の技術対応策を燃料側からの対応紹介、自
動車側からの対応紹介、首都圏(1都3県)
シンポジウム本会議場 熱心なQ & A風景
コーヒーブレイクでも熱心に情報交換
15
財団法人
石油産業活性化センター
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本 部
石油基盤技術研究所
〒105-0001
東京都港区虎ノ門4丁目3番9号
住友新虎ノ門ビル
〒267-0056
千葉県千葉市緑区大野台1丁目4番10号
電話・千葉043
(295)
2233
(代)
FAX・千葉043
(295)
2250
●総務部
電話・東京03
(5402)
8500
FAX・東京03
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●環境・安全基盤研究室
〒105-0001
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8504,8510
FAX・東京03
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●企画調査部
電話・東京03
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8502
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(5402)
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●技術企画部
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Petroleum Energy Department
JETRO Chicago
401 North Michigan Avenue, Suite 660
TEL:+1-312- 832-6007
FAX:+1-312- 832-6066
●JCAP推進部
電話・東京03
(5402)
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FAX・東京03
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8520
●技術業務部
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FAX:966-1-462-1233
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神
谷
りそな銀行 町
交
差
点
16
【交通機関】
地下鉄・日比谷線
「神谷町」下車、徒歩3分
至虎ノ門・霞ヶ関
桜田通り
[凡例]●:地下鉄出入口