IETC monthly report International Environmental Technology Centre 2015 年 7 月 世界廃棄物管理概況(Global Waste Management Outlook) 人口増加や経済成長、生産と消費パターンの変化に伴い、廃棄物の排出量は世界的に増加し続けてい ます。公衆衛生や環境への悪影響は考慮されず、その廃棄物の多くは回収されることなく投棄または野 焼処分されています。再利用可能な原料の損失は、世界各地で天然資源の枯渇を加速化させています。 こうした状況を踏まえ、UNEP 管理理事会は、第 27 回決議(GC 27/12)において、UNEP に対し、廃棄物 の発生抑制、最小限度化、管理に関する課題、動向、政策方針に関する世界の概況を作成し、国家政策 立案に関するガイダンスを提供するよう要請しました。この要請を受けて、UNEP 事務局長は IETC に対 して、国際廃棄物協会(ISWA)と共同して世界廃棄物管理概況(Global Waste Management Outlook: GWMO)を作成することを依頼しました。 本文を作成するための国際編集チームが設立されるとともに、 世界中の関係者からの追加的な貢献 もありました。各地域から選ばれた査読者や世界廃棄物管理概況作成運営委員会により、様々な視点 からの考察や情報の均等性が確保されました。世界廃棄物管理概況は、2年間の作業を経て、廃棄物の 現状動向、政策助言の提供、既存の資金メカニズムの分析の情報提供を目的とした一連の概況の第一弾 として発表されます。世界廃棄物管理概況は、主に、廃棄物が管理されていない低所得国に向けた提言 を行うとともに、廃棄物管理分野における望ましくかつ必然な改善を達成することを目的とした高官レ ベル意思決定者への行動提言も含まれます。 世 界 全 体 の 概 要 を 示 し て い る 世 界 廃 棄 物 管 理 概 況 は 、 地 域 廃 棄 物 管 理 概 況 ( Regional Waste Management Outlooks)により補完される予定です。地域廃棄物管理概況は、アジア、中央アジア、アフ リカ、ラテンアメリカ・カリブ、そして山岳地方の各地域版の作成が計画されています。これらの地域 概況は、各地域に特化した廃棄物管理状況の詳細な分析や各地域に特化した提言が可能となります。 本書は次の6章で構成されます。 第1章:政治的優先課題としての廃棄物管理-合理性の提示 第2章:背景、定義、概念、指標-GWMO 入門 第3章:世界の廃棄物管理状況-廃棄物発生と管理手法 第4章:廃棄物行政-規制・政策手法、制度整備、利害関係者 第5章:廃棄物管理財政-代替可能な財政方法への取組み 第6章:世界廃棄物管理-結果の統合、結論、持続可能な廃棄 物資源管理に対する活動への提言 イメージ 全章において各主題を詳細な事例を紹介するために、ト ピックシートと事例紹介を例示しています。 世界廃棄物管理概況は、2015 年9月7日にベルギーのアン トワープで開催される ISWA 世界総会 2015 において公開されま す。総会の2つのセッションにおいて、本書の主要メッセージ や提言の概要及び資源と廃棄物の活用に関するプレゼンテーシ ョンが行われる予定です。 詳しくはこちらをご覧ください(英語)。 http://www.unep.org/ietc/OurWork/WasteMagement/GWMO 国際環境技術センター(IETC)は国連環境計画(UNEP) 技術・産業・経済局 (DTIE)の一部門です。 お問い合わせ先: 〒538-0036 大阪府大阪市鶴見区緑地公園 2-110 [email protected] © UNEP IETC, 2015 IETC ネパール地震の災害廃棄物に関する現地調査 monthly report 2015 年 7 月 Page 2 持続可能なアジア太平洋に関する Page 国際フォーラム 2015 第7回持続可能なアジア太平洋に関する国 際フォーラム(ISAP2015)は、2015 年 7 月 28 日から 29 日にかけて、地球環境戦略研究 機関(IGES)の主催より横浜で開催されまし た。IGES は UNEP IETC のコラボレーティン グ・センター(CC)です。IETC 所長は日本 人参加者に向け全体論的な廃棄物管理に関す る基調講演を行うとともに、アジア太平洋地 域における環境上適正な技術(ESTs)につい 出典:固形廃棄物管理技術サポートセンター(SWMTSC) 環境省と UNEP は、2015 年 7 月 21 日から 24 日にかけ て、ネパールにおいて災害廃棄物に関する現地調査を実 施しました。現地では 2015 年 4 月に発生した2度の大地 震によって、社会経済や環境に関する大きな課題に直面 しています。ネパール政府は、2015 年 7 月 23 日にカトマ ンズで開催された「災害廃棄物関係者ワークショップ」 に、環境省の専門家チームと UNEP IETC を招待しました。 環境省の専門家チームは、日本における災害廃棄物処理 て環境省、大阪市、企業からの出席者らと議 論を行いました。さらに IETC は CC の第 1 回 運営委員会会議に出席しました。 IETC フォローアップ活動:IETC は次回運営 委員会会議で議長を務め、CC の経過を報告 します。 済州島 IUCN フォーラムと トレーニングワークショップ 大韓民国環境省と済州特別自治道、国際自 に関する経験の共有や、災害廃棄物を再利用するための 技術的な見解を示しました。環境省と UNE P IETC は、災 害廃棄物における関係者の役割とその活動に関する報告 書に対して、専門的な知識を提供しました。ネパール政 然保護連合(IUCN)は 2015 年7月7日から 9日にかけて、大韓民国済州島において第 1 回世界指導者環境保護フォーラムを開催しま 府は、災害廃棄物を全体論的な廃棄物管理へ統合するた めに、国家及び地域レベルでの廃棄物管理に関する戦略 の必要性を確認しました。 した。フォーラム期間中、UNEP IETC は、2 つのサイドイベント「“世界環境中核都市” 設立に向けた協力ネットワークの強化」及び IETC フォローアップ活動:IETC は、ワークショップにお いてネパール政府より要請された政策決定及び技術移転 に関する支援拡大に向け 、日本政府と協議していきま す。 廃棄物管理の法的枠組み UNEP 環境法・条約局(DELC)は IETC とともに、廃棄物 管理の法的枠組みに関するガイドライン作成のイニシア ティブを取っています。これらのガイドラインは、国及 び都市の廃棄物管理戦略における政策内容 を支援しま す。UNEP IETC はアフリカ、アジア、ラテンアメリカ・カ リブ地域の代表国から環境省の環境政策と関連法の専門 家を招き、2015 年8月 25 日から 27 日にかけて第 1 回ワ ークショップを大阪にて開催する予定です。またネパー ル政府から は、同ワークショップに対し 専門家を派遣 し、「災害廃棄物管理政策」に関する支援を要請する予 定です。 「エコタウン-環境的持続可能な世界モデル 都市」おいて、議長へ就任するとともに基調 講演も行いました。また同週に、IETC との 協力の下、国連訓練調査研究所 済州島国際 訓練センター(UNITAR CIFAL チェジュ)は、 本年4月に引き続き、「第2回トレーニング セッション:全体論的廃棄物管理による環境 都市から環境中核都市への転換」を実施しま した。UNEP IETC は、国及び都市における廃 棄物管理戦略の策定に関する講義を行いまし た。大阪市は両方のイベントに参加し、低炭 素社会構築のための都市間パートナーシップ の重要性について述べました。 IETC フォローアップ活動:IETC はアジア太 平洋地域における廃棄物管理とエコタウンの 能力開発を行うために、UNITAR CIFAL チェジ ュとのパートナーシップを強化し、技術支援 を継続します。第3回目のトレーニングは 2015 年 10 月に予定されています。
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