週間天気予報解説資料 2016 年 11 月 17 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 11 月 18 日から 11 月 24 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):20日に5100~5400m付近のトラフがサハリン付近を通過した後、21日以降日本付近は西南西の流れになる。 22日から23日にかけてシベリア付近のGSM500hPaで-45℃以下の寒気を伴う寒冷渦がサハリン付近へ南東進するとともに、寒 冷渦を回る5400m付近のトラフが中国東北区から北日本付近に進む。東・西日本は、21日以降西南西の流れの中5700m付近の正 渦度移流が続く。地上では、19~20日と22日頃に北日本を低気圧が通過し、一時的に冬型の気圧配置になるが長続きせず、 21日と24日頃は高気圧が北偏して日本付近を通過する。西南西の流れが続くため、東・西日本太平洋側には前線が残る。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、オホーツク海がトラフで日本付近は北日本中心に西北西流場。北海道は負偏差でその 他は正偏差。予報期間は、中国東北区付近がトラフで、日本付近の等高線の間隔が小さくなって流れは西谷傾向。北海道の偏差 はほぼ平年並になる。 ●20日:北日本を低気圧が通過しオホーツク海で発達する。北日本は寒気移流場となるが東・西日本には寒気移流はない。北・東 日本は概ね冬型の天気分布。東・西日本は北偏した高気圧に覆われ太平洋側で雲が広がりやすい。 ●21日:高気圧が日本付近を北偏して通過。日本海側の降水も寒気移流の強い北海道を除き小康となり、北日本太平洋側や西日本 日本海側を中心に晴れる所があるが、太平洋側では西日本を中心に雲が広がりやすく曇る所がある。 ●22~23日:FEFE19では、日本付近は気圧の谷の表現だけで明瞭なじょう乱はないが、GSMや各メンバーを参考に、北日本を低 気圧が通過すると考える。23日は冬型の気圧配置で、東・西日本にも寒気が南下する。22日は北日本では雪や雨の降る所が 多く、その他も曇る所が多い。北~西日本日本海側では雪や雨。太平洋側も強い寒気と南岸に停滞する前線の影響で曇る所が多 い。 ●24日:冬型の気圧配置は崩れ、北偏した高気圧が日本付近を通過する。21日と同様な天気分布だが、東・西日本にも寒気が南 下しており、21日よりも雲が広がりやすい。 ●沖縄・奄美:20~22日頃は南からの暖湿気、その後は北東風による湿りが入りやすい。期間はじめは高気圧に覆われ晴れるが、 その後は曇りや雨の降る日が多くなる。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:FEFE19では22日、北~西日本太平洋側が“川”のような低圧部となっているが、北日本付近 を通過する低気圧を予想するメンバーは約半数で、東・西日本太平洋側は約1割。 ・ スプレッド:昨日資料と比べて、7日目が縮小した他は拡大。ただし、5日目から7日目にかけてほぼ同じで期末にかけての拡 大はない。1クラスターだけ大きく異なる ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、23日陸地にかかる予想がなくなった。 ・ 予想T850時系列:北日本は19日正偏差のピークの後下降し21日以降は負偏差。GSMは寒気の入るタイミングが23日で遅くな っている。東・西日本は22日まで正偏差、期間終わりが下がり、東日本は24日負偏差。沖縄・奄美は正偏差が続く。後半エ ラーバーが大きいが、ここでも1クラスターだけ他と傾向の異なるものがある。 2.防災事項等 ・ 北日本では、期間終わり頃は、強い寒気が南下し大雪となるおそれがある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 500hPa、5700m付近のトラフは19日朝には黄海、19日夜に日本海中部まで進む。このため、前線上の低気圧が日本海を東北東 に進むため、西日本から東日本の広い範囲で雨となる。東北地方ははじめ晴れるが、次第に雲が広がり、夜には雨となる。 ・ 北海道は、はじめ雨か雪が降る所があるが、概ね曇りとなる。 ・ 南西諸島は、雲が広がるが時々晴れる。 4.全般週間天気予報(案) ・ ・ ・ ・ 北日本日本海側は、低気圧や寒気の影響で曇りや雨または雪の降る日が多い。 北日本太平洋側と東・西日本は、前線や湿った空気の影響で雲が広がりやすく雨の降る日がある。 沖縄・奄美は、はじめ高気圧に覆われて晴れるが、その後湿った空気の影響で曇りや雨の降る日が多い。 最高気温・最低気温ともに、北海道地方は、期間のはじめ平年より高い日があるが、その他は平年並か平年より低くかなり低い 日がある。東北地方から西日本は、期間中頃までは平年より高い日が多くかなり高い日もあるが、期間終わりには最高気温が平 年より低くなる。沖縄・奄美は平年より高く、期間中頃にかけてかなり高い所がある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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