週間天気予報解説資料 2015 年 3 月 15 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 3 月 16 日から 3 月 22 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):この期間、日本付近は短い周期でトラフが通過する。高気圧に覆われて晴れる所もあるが、雲が広がりやす く、雨や雪の降る日もある。18~19日には低気圧がやや発達しながら日本海を東進するため、全国的に雨の降る所が多くなり、 日本付近には暖かく湿った空気が流入して、荒れた天気や大雨のおそれがある。また、積雪の多い所ではなだれのおそれもある。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、シベリア付近がリッジ、カムチャツカ半島付近がトラフとなっているが、日本付近が ゾーナル~西北西の流れで、正偏差に覆われる。予報期間は、中国東北区付近にトラフ、オホーツク海にリッジがあり、ゾーナル な流れで広く正偏差に覆われる。 ●18~19日:リッジが日本付近を東進し、19日には日本の東へ進む。また、5400m付近や5700m付近のトラフが大陸から東進し、 19日には日本付近へ進む。地上では18日に前線上の低気圧は黄海へ進み、19日には日本海を東進して北日本付近へ進む。 18日は北・東日本を中心に高気圧に覆われて晴れる所もあるが、次第に雲が広がり、西日本を中心に雨となる。19日は全国 的に降水となる。θe850≧315Kが西・東日本へ流入し降水量が増えるおそれもある。 ●20~21日:20日前半に5400m付近のトラフが北日本付近を通過し、21日には5400m付近や5700m付近のトラフが日本付近に 進む。21日にかけて西・東日本の南は気圧の谷となっており、太平洋側の地方を中心に雲が広がりやすい。また、北日本では、 気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、21日は日本海側では雪や雨が降る所がある。 ●22日:5400m付近のトラフが、日本の東へ進む。日本付近は冬型の気圧配置となる。850hPa≦-6℃は東北北部付近。日本海側で は雲が広がりやすく、雨や雪が降る所がある。太平洋側では、晴れる所もあるが、南岸の気圧の谷の影響で雲が広がる所もある。 ●沖縄・奄美:期間の前半は高気圧に覆われて晴れる所もあるが、気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:低気圧の予想位置は、19日は、北日本から日本の東のメンバーが全体の8割強。日本海が2 割、西日本付近は1メンバーのみ。期間の終わりに日本の東に予想するメンバーは約2割、サハリン付近に予想するメンバーは、 約2割。 ・ スプレッド:昨日資料と比べて、4日目と5日目は拡大した他は、同じか縮小した。特定高度線は、期間の中頃から5400mの位相、 深さともに大きくバラつき、5700mも後半はばらつく。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、18日は西日本で縮小した。10%の領域は、期間の終わりに北日本で拡大した。 ・ 予想T850時系列:北日本は正偏差で推移する。東日本~沖縄・奄美は期間の中頃まで正偏差だが、期間の終わりは負偏差となる。 17~19日は西・東日本を中心に偏差が大きい。 2.防災事項等 ・ 期間の中頃は、発達する低気圧の影響で、西日本から北日本にかけて荒れた天気や大雨の可能性がある。また、気温が平年より かなり高くなる所が多く、積雪の多い所ではなだれのおそれもある。今後の資料に留意。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 日本付近の上空は、主に2つの系(500hPa5400m付近と5700m付近)があり、北系(5060m付近)に沿ってトラフが北日本に入る一方、 南系(5700m付近)では、午前中にトラフが日本の東に抜けた後はリッジが入って負渦度の卓越場となる。地上では、トラフ接近に 伴って北海道を中心に北日本では気圧の谷の影響をうける一方、日本の南の前線の活動は、低気圧が日本の東に抜けた後次第に活 動が弱まる見込み。 ・ 天気は、気圧の谷の影響をうける北日本、前線に近い東・西日本太平洋側や南西諸島で雲が広がりやすく、北海道では雪や雨の 降るところもある見込み。その一方、東・西日本の日本海側を中心に比較的晴れ間のでるところがある見込み。 ・ 日本の南の前線上の低気圧については予想が不安定なので最新の資料に留意。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北~西日本の日本海側は、期間の前半は高気圧に覆われて晴れる日もあるが、後半は気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨または雪 の日が多い。 ・ 北~西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる所もあるが、気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、雨または雪の降る日があ る。 ・ 沖縄・奄美は、期間の前半は高気圧に覆われて晴れる所もあるが、気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。 ・ 最高気温・最低気温とも、全国的に平年より高い日が多く、平年よりかなり高い日もある。期間の終わりは、平年並か平年より 低い所がある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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