週間天気予報解説資料 2015 年 12 月 26 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 12 月 27 日から 1 月 2 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):期間の前半は、日本付近は北日本を中心とした冬型の気圧配置となり、北日本と東日本の日本海側を中心に 大荒れや荒れた天気、また大雪になる所もある。その後は数日の周期で天気は変化し、明瞭なじょう乱の接近や通過は予想されな いが、日本付近を気圧の谷が通過する。期間の終わりは冬型の気圧配置となる日もあるが、長続きしない予想。北日本や東日本の 日本海側では雲が広がりやすく、曇りで雨または雪の日が多い。西日本と東・北日本の太平洋側では晴れる日もあるが、気圧の谷 の影響で雲が広がる日もある。沖縄・奄美では、気圧の谷や前線の影響で、曇りや雨の日が多い。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は、バイカルの西~モンゴル付近がリッジ、サハリン付近には寒冷渦があるが、 日本の南~沖縄の南ではサブハイが強く、北日本で負偏差の他は正偏差。予報期間は、モンゴル付近がリッジで、ベーリング海に 寒冷渦が進む。一方でサブハイが強い状態は持続し、全国的に正偏差となる。 ●29日: 5400m付近と5700m付近のトラフが日本の東へ進み、西北西の流れとなる。日本付近は北日本を中心とした冬型の気圧配 置となる。また、日本の南を気圧の谷が東進する。北日本と東日本の日本海側では、雪または雨が降る所があり、西日本の日本 海側も雲が広がりやすい。北~西日本太平洋側では晴れる所が多いが、気圧の谷の影響で東日本南岸では雲の広がる所もある。 ●30日~31日:5460m付近のトラフが浅まりながら日本付近を通過し、次の5460m付近のトラフが深まりながら日本海に進む。 また、5700m付近のトラフが東シナ海北部に進む。日本付近は次第に西南西の流れが強まる。地上では、高気圧は日本の東へ移動 し、日本海を気圧の谷が東進する。また、四国の南や関東の南では下層シアがあり、降水域がまとまりながら東進する予想。3 0日は北日本では寒気の影響が残る所がある。西・東日本の日本海側では次第に雲が広がりやすくなる。また、東日本の南岸では 雲が広がる所もある。31日は全般に雲が広がりやすく、日本海側の地方や西・東日本の南岸では雨または雪の降る所がある。 ●1月1日:トラフは日本付近を通過し、西北西の流れとなる。地上では冬型の気圧配置となるが、黄海に高気圧が移動して西から 緩んでくる。日本海側では曇りで、北・東日本を中心に雪または雨が降る。太平洋側は高気圧に覆われて、概ね晴れる。 ●2日:5400m付近のトラフが沿海州付近へ進み、5700m付近のトラフが東シナ海北部に進む。地上では高気圧が本州付近から日本の 東へ移動し、東シナ海付近が気圧の谷となる。北・東日本の日本海側では寒気の影響が残り雪または雨の降る所がある。また、 西日本では雲が広がりやすく、九州では雨の降り出すところもある。 ●沖縄・奄美:気圧の谷や前線の影響で、曇りや雨の日が多い。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:2日に予想される低気圧の位置は、東シナ海や四国の南が、それぞれ全体の約1割。日本海北 部~サハリン付近が全体の約1割ある。 ・ スプレッド:昨日資料と比べて、5、6日目は拡大したが、他は縮小した。特定高度線は、期間の前半は概ね揃っているが、期 間の後半は5400mのトラフの位相にバラつきがある。 ・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、高降水頻度域は、29日は本州の南で縮小。31日は本州の南~沖縄で拡大し、1日は北日 本で拡大した。 ・ 予想T850時系列:北日本と東日本は期間の前半は負偏差で、期間の後半は短い周期で正・負偏差が変わる。西日本は、期間の前半 は 平年並~負偏差で、期間の後半は正偏差となる。沖縄・奄美は、正偏差が続く。 2.防災事項等 ・ 明日にかけて、冬型の気圧配置が強まり、北・東日本の日本海側を中心に大荒れや荒れた天気となり、大雪となるおそれもある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 日本付近は冬型の気圧配置が続くが、500hPaの5520m付近のトラフがボッ海付近から日本海に進み、日中は日本海が低圧部となり、 西日本中心に一時的に冬型の気圧配置が緩む。南西諸島では500hPaの5760m付近の流れに沿ってトラフが接近し、沖縄の南では下 層のシアーラインが明瞭となる。 ・ 天気は、北日本から西日本は、日本海側中心に雲が広がりやすく、雪や雨が降る。太平洋側は晴れる所が多い。南西諸島では下層 シアーラインの影響で雲が広がりやすく、沖縄・奄美では雨が降る。 4.全般週間天気予報(案) ・ ・ ・ ・ 北日本から西日本の日本海側では、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。 北日本から西日本の太平洋側では、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や寒気の影響で雲の広がる日もある。 沖縄・奄美は、気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多い。 最高気温・最低気温とも、北日本は期間の前半は平年並か平年より低く、期間の後半は平年並か平年より高い。東日本と西日本 は平年並か平年より高いが、期間の前半に平年より低い所がある。沖縄・奄美は平年並か平年より高い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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