週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 3 月 13 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
3 月 14 日から 3 月 20 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):期間のはじめに深いトラフが通過し、その後も短い周期で日本付近をトラフが通過する。期間の中頃は高気
圧に覆われて晴れる所が多いが、期間のはじめと終わりは日本付近を低気圧が通過して広い範囲で天気が崩れる。また、期間の後
半は北日本から西日本にかけて気温が平年よりかなり高くなる見込み。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、中国東北区付近と日本海北部がトラフで、日本付近は負偏差に覆われる。予報期間は、
バイカル湖の東がリッジで、日本付近は西北西の流れとなる。日本付近は広く高度が上昇し、全国的に正偏差となる。
●16~17日:西北西の流れの中を5580m付近のトラフが日本付近を通過する。日本付近は高気圧に覆われて晴れる所が多いが、
17日は西日本では高気圧の後面となり、雲が広がりやすくなる。また、北日本の日本海側で寒気の影響で雲が広がり、雪が降
る所もある。
●18~19日:5640m付近のトラフが黄海付近から西日本付近に進み、5400m付近のトラフが沿海州に進む。地上では、18日は低
気圧が東シナ海付近に進み、19日は西日本~東日本を東進する。18日は北日本は高気圧に覆われて晴れる所が多い他は雲が
広がりやすく、西日本中心に雨となる。19日は北日本から西日本の広い範囲で雨が降る見込み。
●20日:トラフが日本の東に進む。地上では低気圧が日本の東で発達し、日本付近は冬型の気圧配置となる。日本海側は寒気の影
響で雲が多く、北・東日本では雨や雪の所がある。太平洋側は、北・東日本では低気圧の影響が残りはじめ雨の所がある見込み。
西日本は晴れる所が多い。
●沖縄・奄美:期間の前半は高気圧に覆われて晴れる日もあるが、低気圧や前線の影響で雲が広がりやすく雨の降る日がある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:19日の低気圧の予想位置については、東・西日本付近が約4割、三陸沖が約2割、日本海が
約1割。関東の東海上が約1割となっている。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、2日目はやや拡大したが、その他の日は縮小した。特定高度線は、5400m線は期間のはじめから
クラスター間の差があり、後半は大きくばらついている。5700m線は後半、クラスター間の位相差が大きい。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、大きな違いは見られない。19日は高頻度域が東西に広がる様になった。
・ 予想T850時系列:期間のはじめは北日本はほぼ平年並、他の地方は負偏差。中頃以降は全国的に正偏差となる。
2.防災事項等
・ 期間の終わりに西日本では大気の状態が不安定になる見込み。短時間強雨などに注意。
・ 期間の終わりは今後の経過によっては北~西日本では荒れた天気となる可能性がある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 500hPaでは、はじめ北日本から東日本にのびるトラフが通過し、日本付近は北西流場となる。地上では、トラフ前面を進む低気圧
が、伊豆諸島の南から日本の東を発達しながら北東進する。日本付近は一時的に冬型の気圧配置となるが、西・東日本は次第に高
気圧におおわれる。850hPa-6℃線は北陸付近から東北南部に予想される。
・ トラフの深まり程度が、GSMと海外センター間でばらつきがあるため、低気圧の発達程度などに違いがある。今後の予想に留意。
・ 北日本から北陸では、寒気移流による降水が予想されるが一時的。寒気移流の影響を受ける地域では曇りベースを検討し、その他
は晴れベースを検討。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北~西日本は天気は数日の周期で変わる。高気圧に覆われて晴れる日もあるが期間のはじめと終わりは気圧の谷や低気圧の影響
で雨や雪が降る日がある。
・ 沖縄・奄美は期間の前半は高気圧に覆われて晴れる所もあるが、低気圧や前線の影響で雲が広がりやすく、期間のはじめと終わ
りは雨の降る日がある。
・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本は平年並か平年より高い日が多く、期間の後半は平年よりかなり高い所がある。沖縄・
奄美は、期間のはじめに平年より低い日がある他は、平年並か平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。