週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 3 月 1 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
3 月 2 日から 3 月 8 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):期間の前半は、高気圧に覆われて西・東日本を中心に晴れる所が多くなるが、3日は北日本に低気圧が接近
して天気の崩れる所がある。後半は高気圧が日本の東に離れて、発達した低気圧がサハリン付近へ進むため、北~西日本にかけて
は南からの暖湿気の影響を受けて雲が広がりやすく、雨の降る日がある。沖縄・奄美は、期間のはじめは高気圧に覆われて晴れる
所が多いが、その後は気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、雨の降る所がある。期間の中頃以降は全国的に気温がか
なり高くなる見込み。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、中国東北区から朝鮮半島にトラフ・負偏差、日本の東はリッジ・正偏差。北~西日本
は負偏差と正偏差の境界付近、沖縄・奄美は正偏差。予報期間は、バイカル湖の東に寒冷渦があり華北へトラフがのびる。日本付
近はリッジで北日本中心に顕著な正偏差に覆われる。
●4日:5400m付近のトラフは日本の東に進み、朝鮮半島付近にリッジが進む。日本付近は西北西の流れとなり、高気圧に覆われる
ため、全国的に晴れる所が多い。
●5日:リッジが日本付近を東へ進み、5400m付近のトラフが深まりながら中国東北区に進んで、西の方から次第に西南西の流れと
なる。地上では、高気圧がゆっくりと日本の東へ進み、日本付近は次第に高気圧の後面となる。一方、低気圧が発達しながら中
国東北区に進む。天気は、西日本では、雲が広がりやすく、雨の降り出す所もある。東日本は、前半は晴れる所もあるが、後半
は雲が広がりやすい。北日本では概ね晴れる。
●6~7日:リッジが日本の東に進み、寒冷渦がアムール川中流付近へ進み、日本付近は西南西の流れが続く。寒冷渦を回る5400m
付近のトラフは、6日は中国東北区、7日にサハリン付近へ進む。地上では、高気圧が日本の東へ移動し、発達した低気圧が沿
海州からサハリン付近を通ってオホーツク海へ進む。日本付近は高気圧の後面や低気圧に向かう暖湿気の影響を受けやすい。6
日は全般に雲が広がりやすく雨の降る所が多い。7日も全般に雲が広がりやすく、北・東日本では雨の降る所がある。
●8日:次のトラフが沿海州付近へ進み、日本付近は西南西の流れが続く。地上は、低気圧がオホーツク海からカムチャツカ半島へ
進む。北日本では高圧部となるが、日本の南は気圧の谷となる。全国的に雲が広がりやすいが、北日本では晴れる所もある。
●沖縄・奄美:期間のはじめは高気圧に覆われて晴れる所が多い。その後は、気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、雨
の降る所がある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:6日の低気圧の位置は、アムール川下流~サハリン付近に予想するメンバーは全体の約6割、
それより南の沿海州~北海道の西付近に予想するメンバーが全体の約4割ある。また、7日に日本の南~小笠原諸島近海に低気
圧を予想するメンバーは全体の約5割ある。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、期間を通して縮小した。特定高度線は、期間の後半、5400m線や5700m線のバラつきが大きくな
る。
・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、高降水頻度域は、3日は北日本で拡大、5日は西日本で縮小、6日は北・東日本で縮小して
西日本で拡大、7日は北日本と日本の南で拡大した。
・ 予想T850時系列:期間のはじめは負偏差~平年値近傍の所が多く、その後は正偏差となり、全国的に顕著な正偏差となる。
2.防災事項等
・ 期間の後半は、低気圧の影響で北日本を中心に荒れた天気となるおそれがある。今後の資料に留意。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 500hPaでは西北西の流れの中を沿海州の5280m付近のトラフが日中、北日本を東進し、後面のリッジが中国東北区に進む。地上低
気圧は日本海中部から東北地方を経て、夜には三陸沖へ進み、日本海には高気圧が張り出す。また、日本の南の高気圧が南西諸
島から東日本付近を覆う。
・ 北日本では雲が広がりやすく一時雪や雨の降る所がある。その他の地方は、高気圧に覆われて概ね晴れる所が多い。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北日本と東日本日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多いが、期間の中頃は高気圧に覆われて晴れる日
がある。
・ 東日本太平洋側と西日本は、期間の前半は高気圧に覆われて概ね晴れるが、後半は気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりや
すく、雨の降る所もある。
・ 沖縄・奄美は、期間のはじめは高気圧に覆われて晴れが、その後は気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨。
・ 最高気温・最低気温ともに、明日(2日)は平年より低い所もあるが、その後は全国的に平年より高い所が多く、かなり高い日
もある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。