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北米
2016年9月7日
ISM非製造業景況指数、9月利上げ支持派を土俵際へ
8月のISM非製造業景況指数の発表を受けドルが下落するなど、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利
下げ観測は後退しましたが、単月のデータで米国景気に対し過度に悲観的な判断をすべきではないと思われます。
8月の米ISM非製造業景況指数:51.4は2010
年以来の低水準
米供給管理協会(ISM)が2016年9月6日に発表した8月の非
製造業景況指数は51.4と、市場予想(54.9)、前月(55.5)を大
幅に下回り、2010年2月以来の低水準となりました(図表1参
照)。同指数は50が景気拡大、縮小の目安を示します。内訳
を見ると、新規受注指数が51.4と前月の60.3から大幅に低下
しました。雇用指数は50.7と、前月の51.4から小幅ながら低
下しました。
どこに注目すべきか:
ISM非製造業景況指数、米GDP、FOMC
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:ISM非製造業景況指数の推移
(月次、期間:2011年8月~2016年8月)
65
指数
ISM非製造業景況感指数
新規受注指数
雇用指数
60
55
6月は
56.5
7月は
55.5
50
45
11年8月
13年8月
15年8月
図表2:日本円(対ドル)レートの推移
(日次、期間:2015年9月7日~2016年9月7日(日本時間正午))
125 円/ドル
120
115
110
105
100
95
15年9月
15年12月
高 ドル 安
8月のISM非製造業景況指数の発表を受けて、為替市場で
ドルが下落(図表2参照)、米国国債利回りが低下するなど、9
月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げ観測
は後退しました。ただし、単月のデータで米国景気に対し過
度に悲観的な判断を下すべきではないと思われます。
8月のISM非製造業景況指数の51.4は市場予想を大幅に下
回る、サプライズな数字です。ISMの声明によると、8月の
ISM非製造業景況指数から想定されるGDP(国内総生産)成
長率は年率で1%と述べられています。
加えて、9月1日に公表された製造業を対象とするISM製造
業景況指数は49.4と50を下回りました。9月の利上げ観測が
後退するのはもっともと思われます。
ただし、次の点に注意は必要です。
1点目は、単月のデータにはブレがある点です。例えば、8月
のISM非製造業景況指数は低水準でしたが、6月、7月分は
それぞれ56.5、55.5と高水準です(図表1参照)。これらの数字
から想定されるGDP(国内総生産)成長率は年率で各々3%、
2.6%とISMは算出しています。よって6月~8月のGDP成長率
は平均で見れば2%を超える水準と見られます。参考までに、
同様の計算を、8月に悪化したISM製造業景況指数で行うと、
こちらも過去3ヵ月では2%後半の成長率が示唆されます。
2点目は悪化した業種に広がりが見られないことです。ISM
によると、8月に拡大した非製造業の業種は公益、不動産、金
融・保険、情報など11業種に及びます。一方、縮小(悪化)した
業種は輸送、倉庫、卸売りなど7業種となっています。悪化す
る業種が拡散するというよりは、特定の業種の悪化が足かせ
となった格好です。ただ、悪化の原因や、今後悪化が拡散す
るのかを判断するのは今回のデータでは不十分と見られます。
FOMC参加者や米連邦準備制度理事会(FRB)イエレン議長
による講演などで利上げ確率は上昇しましたが、今回の景気
指標の発表で9月の利上げについては可能性が大幅に低下
したと見られますが、今後のデータ次第では年内1回の利上
げの可能性は残っていると見られます。
円(対ドル)
16年3月
16年6月
16年9月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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