日立物流がSGHDと提携 - 格付投資情報センター

NEWS RELEASE
2016年3月30日
日立物流がSGHDと提携―日立連結から外れるも格付には響かず
日立物流(証券コード:9086、発行体格付=A)は 30 日、佐川急便を傘下に持つ SG ホールディングス
との資本・業務提携を発表した。今年 5 月に、日立物流の株式の 5 割強を握る日立製作所が議決権所有
割合の 3 割を 900 億円弱で SG に譲渡し、日立物流は SG から傘下の佐川急便株式の 2 割を 700 億円弱で
取得する。日立製作所の連結対象から外れ持分法適用会社になるが、日立物流の格付はもともと同社自
体の収益・財務基盤の評価をベースにしており、株式譲渡による格付への影響はない。
日立物流は自前の物流網が弱く、用車をはじめ外注への依存度が高い。人手不足を背景にした外注コ
ストの増加が利益成長を鈍らせる一因になっている。宅配便市場で高いシェアを握る SG が構築した国内
屈指の物流ネットワークを活用できれば、コスト面で競争力を高められる。提携をテコにシナジーを創
出し、佐川急便株式の取得で悪化する財務基盤を改善できるか注視していく。また、日立製作所との資
本関係が薄くなることの影響や、経営の自由度が高まる中で独自の経営戦略をどう描いていくかも注目
点になる。
国内の物流需要は中長期的に減少する見通しだ。こうした中、ドライバー不足を中心とした人手不足
は深刻さを増している。業界内で幹線輸送の共同配送などはこれまでもあったが、業界 2 位グループを
形成する今回の提携が、こうした動きを加速する可能性がある。2015 年 12 月には国内最大手の日本通
運(9062、発行体格付=AA-)がトラック輸送に強みを持つ名鉄運輸との資本・業務提携を発表している。
日立物流と SG の関係強化にとどまらず、他の大手各社の動きも注目されよう。
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