りそなが関西の2地銀を子会社化―新たな成長戦略に注目

NEWS RELEASE
2017年3月6日
りそなが関西2地銀を子会社化―財務負担先行も新たな成長戦略の動向に注目
りそなホールディングス(証券コード:8308、発行体格付=A)は 3 日、傘下で大阪を地盤とする地域
銀行の近畿大阪銀行と、三井住友フィナンシャルグループ(証券コード:8316、発行体格付=A+)傘下
の地域銀行で大阪や滋賀県を地盤とする関西アーバン銀行(証券コード:8545)及び兵庫県を地盤とす
るみなと銀行(証券コード:8543)との経営統合に向け協議・検討を進めていくことで基本合意したと
発表した。りそなホールディングス傘下に中間持株会社を設立し、近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、
みなと銀行がその完全子会社になる。営業エリアが重なる近畿大阪銀行と関西アーバン銀行については
合併も検討する。りそなホールディングスが過半を出資する中間持株会社は上場する。
今回の経営統合は、りそなグループの成長戦略が新たなステージを迎えたことを象徴していると R&I
は考えている。りそなグループはもともと、広域の地域銀行を束ねるスーパーリージョナルバンク構想
を掲げて発足したものの、公的資金を注入された経緯から、動きは沈静化していた。2015 年 6 月の公的
資金完済を経て、今回明らかになった成長戦略は、中間持株会社の上場という形で地域金融グループの
独立性を一定程度保ちつつ、事務・システムの統合を基礎としたオペレーション改革や信託・不動産な
どのソリューション提供というプラットフォームを提供し共有することで成果を得ようというものだ。
他の地域銀行がりそなグループに加わるハードルはこれまでよりも低下するとみられ、今後の展開も注
目される。
関西アーバン銀行とみなと銀行の自己資本比率はともに低く、りそなグループにとっては財務面での
負担が先行する形になるが、格付への影響は限定的だ。もっとも、近年改善トレンドにあるりそなグル
ープのリスク耐久力の改善ピッチは鈍化しそうだ。今回の経営統合を大きなプラスへと転換できるかは、
りそなグループのオペレーション改革やオムニチャネル戦略、信託・不動産などのソリューション提供
の強みを早期に関西アーバン銀行とみなと銀行に展開できるかが鍵を握る。上場子会社となる地域金融
グループの経営管理への関与度合いや不動産業向け与信のリスクテーク方針も注目点だ。
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