三井物産が減損で最終赤字 - 格付投資情報センター

NEWS RELEASE
2016年3月24日
三井物産が減損で最終赤字―今後のリスク耐久力の動向を注視
三井物産(証券コード:8031、発行体格付=AA-)は 23 日、2016 年 3 月期の連結業績予想を 1900 億
円の黒字から 700 億円の赤字に修正した。第 3 四半期決算発表時に期初の連結業績予想を 2400 億円から
下方修正していたが、昨今の資源・エネルギー市況及び今後の需給動向を踏まえた長期価格の見直しを
主因に追加で減損損失を計上する。
R&I は 2 月、大規模な減損損失が発生して、リスク耐久力が大幅に低下する蓋然性が高まっていると
判断し、格付の方向性をネガティブに変更している。今回計上した減損額は多額だが、R&I が想定した
ストレスシナリオの範囲内にとどまる。余裕はなくなったもののリスク耐久力は AA ゾーンの水準を満た
しており、格付を直ちに見直す必要はないと判断した。
資源・エネルギーの市況価格は、年初のようなストレス環境からは脱した感はあるが、依然、長期の
価格見通しがプラスに働く材料に乏しい。総合商社の中でも、資源・エネルギー分野の収益依存度が高
い三井物産の収益力・キャッシュフロー創出力は低下しており、中期的にみても格付対比で改善の余地
がある状態が続くとみている。
三井物産は基礎営業キャッシュフローを重視して株主還元する方針を新たに打ち出し、株主配当を含
めてフリーキャッシュフローの黒字化を図る。ただ、長期の価格前提のさらなる見直しなど、よりスト
レスがかかる可能性も否定できない。今後の財務戦略に注目していくとともに、投資規律の遵守状況と
リスク耐久力の動向を注視していく。
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