NEWS RELEASE

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2016年12月6日
関西ペイントが欧州塗料メーカーを買収―格付に影響せず
関西ペイント(証券コード:4613、発行体格付=A)は 6 日、欧州塗料メーカーの Helios Group 各社
の持株会社である Annagab の全株式を取得すると発表した。買収価額の約 700 億円には、株式取得に加
え、新株予約権、ネット有利子負債などが含まれる。必要な各国の競争法に基づく条件の充足、その他
の一般的な前提条件を満たすことなどを条件とし、2017 年 3 月頃までに買収を完了する見込み。
塗料業界は、グローバルで大型買収が続き、業界再編が進む方向にある。関西ペイントも、成長戦略
を加速するべく、2019 年 3 月期までの 3 年間の中期経営計画で、M&A(合併・買収)や資本提携などの
戦略投資に 1500 億円程度を投入する可能性を打ち出している。2017 年 3 月期に入り、トルコ塗料会社
への 50%出資や北米塗料会社の連結子会社化などを実施、今回の買収も中期経営計画に沿ったものだ。
現在の格付には今回程度の規模の M&A を実施する可能性を織り込んでいた。
Helios Group は、工業塗料分野に強みを持つ塗料メーカーで、中東欧や西欧、ロシアなどで事業を展
開する。2015 年 12 月期の売上高は約 3 億 8700 万ユーロ(約 470 億円)、営業利益は約 3400 万ユーロ
(約 40 億円)。買収が実施された場合、関西ペイントにとって、課題となっていた欧州地域への本格展
開の足掛かりとなろう。また、両社グループの持つ製品や技術、ノウハウを活用することで、拡販の加
速やコストシナジーといった事業展開を加速する狙いだ。
財務面では、ネットデットに転じるほか、自己資本比率も低下が見込まれる。影響は小さくないが、
実施後も格付に遜色ない財務バランスは維持できる見通し。設備投資負担がそれほど重くない塗料事業
の特性や、関西ペイントの収益力・キャッシュフロー創出力を考慮すれば、財務バランスは中期的に回
復していくとみている。以上より、格付には影響しないと判断した。
もっとも、今後も海外を中心とした新規販路の獲得や事業領域の拡充に向けた M&A が検討される可能
性が高く、成長戦略・財務戦略の動向を慎重に見守る必要がある。比較的大型の投資が継続する場合、
収益基盤・財務基盤への影響を精査し、格付評価に反映していく。
主任格付アナリスト:寺田
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