NEWS RELEASE 2016年3月4日日本工営が英建築設計会社を買収－格付への影響は限定的日本工営（証券コード：1954、発行体格付＝BBB）は3日、英国の建築設計会社BDP Holdingsの発行済みおよび発行予定普通株式を現金で取得し、完全子会社化すると発表した。買収総額は約102.2百万ポンド（約163.5億円）。株式の引き渡しは2016年6月期第4四半期中を予定している。 BDP社は売上規模で英国第2位の建築設計会社。建築意匠、構造解析、設備設計を統合的に手掛け、歴史的建造物や鉄道駅舎の改修、景観設計、教育施設や医療施設の計画・設計などで基盤があり、著名施設の新築・改修で多くの実績を持つ。日本工営は「グローバル展開の一層の進化」を掲げ、非ODA（政府開発援助）市場の事業を拡大する方針を打ち出している。今回の買収はその一環で、土木系インフラ関連のコンサル事業で得られる情報などを活用し、建築系にも事業を展開することは一定の合理性がある。 BDP社の直近期の営業利益は7.5百万ポンド（約12億円）。日本工営は2015年6月期末の純有利子負債が 104億円のマイナスと財務構成が良好だ。営業キャッシュフローの水準からみると、買収による負担は軽くないが、一時的に悪化する財務構成は緩やかながらも改善に向かおう。このため、今回の買収が日本工営の格付へ与える影響は限定的とR&Iは判断している。これまで日本工営は土木系を中心に海外コンサルタントの事業基盤を整備してきたが、建築系・都市開発系への展開が買収により急速に進む。BDP社との融合の進捗や新規事業領域でのリスク管理体制などを見守っていく。主任格付アナリスト：渡辺 ■お問合せ先 ■報道関係のお問合せ先株式会社：インベスターズ・サービス本部：経営企画室（広報担当） TEL. 03-3276-3511 TEL. 03-3276-3438 格付投資情報センター〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 博紀 E-mail. [email protected] 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性（信用力）に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付（変更・取り下げ等を含む）に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ©Rating and Investment Information, Inc.