好井 裕明 - 日本大学文理学部

平成26年度 日本大学文理学部個人研究費 研究実績報告書
学科・資格 社会学科・教授
申請者氏名 好井 裕明
研 究 課 題
研究目的
お よ び
報
研究概要
告
研 究
の
の
㊞
被爆表象のメディア社会学(続):エスノメソドロジー的な映像解読・言説解読を中心として
[目的]被爆体験の継承は現代日本が達成すべき重要な課題である。しかし戦後69年が過ぎ、直
接的な体験語りが近い将来それが終わることが予想される現在、いかにして被爆の記憶を継承し
新たに語りだすことができるのか。申請者は、被爆の「伝え方」をめぐりその方法や問題点を検
討した上で継承に効果的な語り方を創造すべきだと考えている。本研究ではこの関心から映画や
ドキュメンタリー、などメディアにおける表象を解読し被爆をめぐる語り口を明らかにしたい。
[概要]市販され一般に入手可能な原爆映画や被爆ドキュメンタリーの詳細な映像解読を試行した。平行
して広島市平和記念館の資料センターに通い、貸出禁止となっている当事者の手記や関連する雑誌の
原爆問題関連記事を渉猟し、必要な文献や箇所などを複写し、言説解読のためのデータを収集した。
本研究は現在継続中で今年度に終了する科研費研究と連動しているものであり、個別年度としての完結
した成果はない。数年後に『原爆映画の社会学』(仮)として研究成果を単著の形で刊行する予定であ
る。そのための研究成果論文として、今年度は、被爆ドキュメンタリーをめぐるエスノメソドロジー的な詳細
な解読を試みた論考を 1 本執筆している。また単著執筆に向けて、映像解読や言説解読をめぐる方法論
的な論考を今年度から来年度の前半をめどに執筆する準備をすすめている。
概
結 果
要
研
究
の
平成26年度は、研究成果を 1 本論文化しているが、これまで執筆してきた関連論文の含めると研究成果
の具体化としては、あまり支障なく研究が進んでいると言える。平成27年度も、さらにこの作業を進め、広
島市平和記念館の資料センターでの貴重な資料の渉猟と映画やドキュメンタリーをめぐる分析を進めるこ
とが可能となっている。調査研究の速度を来年度も守って、数年後に『原爆映画の社会学』(仮)という単
著刊行をめざしたい。
考 察
・
反 省
※この欄は,本報告書提出時点で判明している事項について御記入ください。
研究発表
学会名
発表テーマ
年月日/場所
研究成果物
テーマ
誌 名
巻・号
発行年月日
発行所・者
「定型化する力と個別化する力―被爆を描くドキュメンタリーを解読する」
『理論と動態』
第7号、21-39頁
2014 年 11 月20日
社会理論・動態研究所