ぶしこうべいとう 附子粳米湯

傷寒・金匱方剤解説 234 ふー8
方剤名
傷寒論・金匱要略条文
音順
ふー8
生薬構成 および製法・服用方法
読み および解訳・その他
附子(辛温)0.2g・半夏(辛平)5g・甘草(甘平)1g・大棗(甘平)3g・粳米(甘平)7g
上の 5 味を水 320mlを以って煮て、米が熟して軟らかになる程度にすると湯が出来るから、滓を去って 1 回に
40ml宛 1 日 3 回に服用する。
腹満寒疝宿食病脈証併治第十第 10 条(金匱要略)
附子粳米湯
かん き
つかさど
」
「腹中寒気、雷鳴切痛して胸脇逆満し嘔吐するは、附子粳米湯之を 主 どる。
解訳 腹中が寒気に当てられて腹が張り、ゴロゴロ鳴って腸が切られる程に痛み、脇腹から胸中に押し上げて来て嘔吐する者には、附
子粳米湯が主治する。
元来、陽虚の者で、寒気に当てられて、寒気が裏の腎位に侵入し、腎の陽気が衰亡し、水気を伴った寒邪が上衝すると、腹中
が寒気に当てられて、腹が張り、ゴロゴロ鳴って、腸が切られる程に痛み、更に肺に逆して、脇腹から胸中に押し上げて来て
胸満し、飲食物も滞って逆満し、嘔吐する者には、附子粳米湯が主治する。
附子粳米湯の附子で命門の陽気を補い、寒気の逆上を制し、半夏で寒気に伴って上逆した水気を降下し、甘草・大棗・粳米
で雷鳴切痛の急迫を緩和する。
参考 赤丸は、附子粳米湯と同じく、腹中寒気の証であるが、雷鳴、切痛も無く、嘔吐も無く、ただ腹中に水血が充分寒凝して、手
足は勿論、一身共に厥逆する証である。
附子粳米湯証
新古方薬囊によれば「腹が張りてゴロゴロと鳴り、腸が切られる程に痛み、脇腹から胸中へ押し上げて来て嘔吐する者。腹は発
作の時又は寒さを感じて余計に張り出し、病落ち着くか、腹温まれば、張りの減ずる者。
」と記されている。