傷寒・金匱方剤解説160 たー4

傷寒・金匱方剤解説 160 たー4
方剤名
傷寒論・金匱要略条文
音順
たー4
生薬構成 および製法・服用方法
読み および解訳・その他
大黄(苦寒)4g・甘遂(苦寒)2g・阿膠(甘平)2g
上の 3 味を水 120mlを以って煮て 40mlとなし頓服する。血室にあった血が下がるのである。
婦人雑病脈証併治第二十二第 13 条(金匱要略)
「婦人、少腹満すること敦状の如く、小便微に難くして渇せず、生後の者此れ水、血と倶に結ぼれ血室に在りとなす也、大黄甘遂湯之を主る。
」
大黄甘遂湯
たい
かすか
がた
とも
あ
敦、 微 に難くして、倶に、在りとなす、主る
解訳 婦人が、下腹部が張っていて、その状態が食器の様にこんもりとして、小便が少し出にくくて、咽が渇かず、産後にこの様な症
状を起こしたものは、水と血とが一緒に結ぼれて、水と血とが肝臓(または子宮)に結ぼれているのである。大黄甘遂湯が主治
する。
敦は、穀を盛る器、即ち盛り上がった様をいう。生後は、産後の意味で、産後は血虚することが多く、その血虚は血に
水が少なくなって血に熱を持って、手足がほてる。
大黄甘遂湯は、阿膠で血室に凝結せんとする血を融解調和し、大黄で裏の血熱を取り、甘遂で結した水を下す。即ち阿膠で
血室の水と血の結ぼれを緩めて調和するのである。
大黄甘遂湯証
新古方薬囊によれば「下腹部に血と水とが溜まって、其の爲下腹部張り、左右に広がってこんもりと真ん中が突き出し下腹部が張
って居るために、小便する度に腹に響きて小便少し出づらく、咽喉の渇かざる者、本方は主として婦人の病に用ふ。其の原因は、
産後に在る者多し。
」と記されている。