傷寒論

傷寒・金匱方剤解説 74 けー9
音順
けー9
方剤名
傷寒論・金匱要略条文
生薬構成 および製法・服用方法
読み および解訳・その他
桂枝湯 +炮附子(甘平)0.2g
桂枝(辛温)3g・芍薬(苦平)3g・甘草(甘平)2g・生姜(辛温)3g・大棗(甘平)4g
炮附子(辛温)0.2g
上の 6 味を水 280mlを以って煮て 120mlとなし、滓を去り、3回に分けて服用する。
桂枝湯の煎じ方、服み方に準ずる。
弁太陽病脈証併治上第五第 22 条(傷寒論)
桂枝加附子湯
や
もっ
がた
つかさど
」
「太陽病汗を発し、遂に漏れ止まず、其の人悪風、小便難、四肢微急して以て屈伸し難き者は桂枝加附子湯之を 主 る。
解訳 太陽病を発汗したところが、汗が漏れる様にだらだらと、とどめどなく汗をかいて止まらなくなってしまった。そのために悪風
が益々ひどくなり、小便の出も悪くなって、手足がしつこく突っ張りつまる様になってしまったために、手足が屈伸しにくく
なってしまったものには、桂枝加附子湯が主治する。
太陽中風証に誤って麻黄湯を服用させて発汗させたり、表虚熱症のように見えても、足冷えや小便回数が多いなどの裏寒の症
がある時に、
桂枝湯を服用させて発汗さたりすると、
汗が漏れるようにダラダラと出て止まらなくなり、
そのために悪風が益々
ひどくなり、また汗が出過ぎて津液が不足するので、小便が出にくくなったり、手足が少し突っ張って屈伸しにくくなる。こ
の様な場合には、桂枝加附子湯が主治する。
桂枝加附子湯証
発汗または下痢による津液不足、陽気不足があり、口渇は無いが小便が気持ちよく出にくい、夏でも身体が冷える、手足
の麻痺やひきつり、痛みがある。
参考 傷寒論の陽虚証は、身体の陽気が不足して、表熱すら出せなくなったもので、裏寒証に移行する手前の段階をいう。
傷寒論の裏寒証は、更に身体の陽気が不足して、陽虚証が亢じて裏の寒が盛んになったものをいう。
桂枝加附子湯証
新古方薬囊によれば「熱があって、悪寒が多く、汗がしきりに出て止まず、小便の出が悪く、手足が引きつって伸びず、屈伸に不
自由なもの。また神経痛とか、関節炎で起居の不自由なものに、汗が出るのと、小便が少ないのと、寒気のあるものを目標とし
て癒えたるものあり。
」と記されている。