傷寒論

傷寒・金匱方剤解説 254 まー8
音順
まー8
方剤名
傷寒論・金匱要略条文
生薬構成 および製法・服用方法
読み および解訳・その他
麻黄(苦温)2g・赤小豆(甘平)14g・連軺(苦平)2g・杏仁(甘温)1.7g・大棗(甘平)4g
生梓白皮(苦寒)10g・生姜(辛温)2g・甘草(甘平)2g
上の 8 味を雨水 400mlにて、先ず麻黄を煮て、沸え立った時に一旦火より下ろし、諸薬を入れ 120mlに煮詰め、
滓を去り 3 回に分け半日の内に温服用する。
弁陽明病脈証併治第八第 84 条(傷寒論)
麻黄連軺赤小豆湯
あ
つかさど
」
「傷寒、瘀熱裏に在れば、身必ず黄を発す。麻黄連軺赤小豆湯之を 主 る。
解訳 太陽病に罹って、表証(発熱、悪寒、無汗、脈浮など)があって、その上に瘀熱が裏に侵入し、湿と結合して、湿熱が裏に欝積
して、黄疸が生じたもので、口渇、小便不利も伴う。この様な時は、麻黄連軺赤小豆湯で表邪を発散し、裏に停滞した湿熱を清
利する。
麻黄連軺赤小豆湯の麻黄・杏仁・生姜で宣肺発表し、赤小豆・連翹・梓白皮で清利湿熱し、大棗・甘草で健脾和中により、
扶正駆邪する。
「方剤決定のコツ」の注釈
瘀熱が裏に侵入し、その内熱が肺に伝われば、喘となり、咳がでる様になるのである。
麻黄連軺赤小豆湯証は、
黄疸や皮膚病で、汗が出ず、小便も出ないときに用いる。
黄疸があり、表証(発熱、悪寒、無汗、脈浮)
、口渇、小便不利があり、腹満は無い。また、麻黄連軺赤小豆湯は、尿量が
少なく、浮腫、腹水、黄疸のある肝臓病、皮膚掻痒のある皮膚病を合併した腎炎などにも応用される。
麻黄連軺赤小豆湯証
新古方薬囊によれば「黄疸、又は皮膚に吹き出物が出て、汗出でず、小便少なき者等。
」と記されている。
参考 黄疸に対する対応
茵蔯蒿湯は、瀉熱で、湿熱黄疸を瀉下退黄する。
梔子柏皮湯は、清熱で、清化退黄する。
麻黄連軺赤小豆湯は、散熱で、解表退黄する。
茵蔯四逆湯は、寒湿黄疸を温化退黄する。
抵当湯は、瘀血黄疸を逐瘀退黄する。