げおけつとう 下瘀血湯(金匱要略)

傷寒・金匱方剤解説 92 けー27
方剤名
傷寒論・金匱要略条文
音順
けー27
下瘀血湯
生薬構成 および製法・服用方法
読み および解訳・その他
大黄(苦寒)3g・桃仁(苦平)2.4g・䗪虫(鹹寒)6g
上の 3 味を末となし、煉蜜に混和して 4 丸となし、酒 40mlを以って 1 丸を煮て 32mlとなし、滓を去りて頓服
する。服後、豚の肝臓の様な色をした血の塊が下ることがある。これが臍下の乾血である。
婦人産後病脈証併治第二十一第 4 条(金匱要略)
「師曰く、産婦腹痛、法当に枳実芍薬散を以ってすべし、もし癒えざる者此れ腹中に乾血有りて臍下に着くと為す。宜しく下瘀血湯之を主る
べし。亦経水不利を主る。
」
まさ
も
さい か
つかさど
また
当に、以って、臍下、 主 る、亦
解訳 師がいわれるのには、産後すぐの婦人が腹痛を起こした場合には、原則として、枳実芍薬散を服用させるべきであるが、もし枳
実芍薬散を服用しても腹痛が癒えないものは、腹中に乾いた瘀血があって、それが臍下に着いて離れないからである。その様な
血の滞りと、熱によって生じた瘀血が臍下に着いて離れない場合には、下瘀血湯を用うるべきである。下瘀血湯は月経が無い者
にも用いる。
下瘀血湯は、䗪虫で結血を破り、桃仁で瘀血を通利し、大黄で結熱を去る。
下瘀血湯証
新古方薬囊によれば「産後のおりものが少き為、下腹部張りて痛みあり眠ることが出来ぬ者、此の場合には先ず枳実芍薬散を用ひ
てみるのが常法なり。而してなお痛み止らざる者を本方の證とするのである。枳実芍薬散の薬方は枳実の條下に在り参照すれば
よい。然れども悪露が普通にありて下腹部が痛む者あり、或は腰、背中に及ぼす者あり、之は当帰建中湯などのゆく所の者に多
し。よく注意して用ひらるべし。下瘀血湯はまた月経不順にて何ヶ月も経水が下らざる者に宜し。
」と記されている。
注意として、下瘀血湯を服したる後凝固したる血大いに下る者あり、此れは藥が病に的中したる證拠にして病の癒ゆる徴し
なれば決して驚くに当らざるべし。