模擬試験問題 本試験の予定時刻など 科目:電磁気学 A 教員:斎藤晴雄

模擬試験問題
本試験の予定時刻など
科目:電磁気学 A 教員:斎藤晴雄 12 月 25 日(金)5 時限(16:50-18:30) 90 分間
クラス:S23-21,23,24 問題用紙 1 枚、解答用紙 1 枚、計算用紙 1 枚 持ち込み不可
以下ヒントの式を示します。これはヒントなので文字の定義は示しません。
𝜕𝐴
𝜕𝐴
𝜕𝐴
, div 𝐴⃗ = 𝑥 + 𝑦 + 𝑧 ,
)
𝜕𝑧
𝜕𝑥
𝜕𝑦
𝜕𝑧
𝜕𝜙 𝜕𝜙 𝜕𝜙
grad 𝜙 = (
,
𝜕𝑥 𝜕𝑦
,
𝜕𝐴
𝜕𝐴
(rot 𝐴⃗)𝑧 = 𝑦 − 𝑥
𝜕𝑥
𝜕𝑦
⃗⃗⃗⃗ = 𝜇0 𝐼, 𝐷 = 𝜀0 𝐸 + 𝑃, 𝑃 = 𝜀0 𝜒𝐸 = 𝜀0 𝜀 ′ 𝐸 = 𝜀𝐸
⃗⃗ ∙ 𝑑𝑙
∬ 𝐸𝑛 𝑑𝑆 = 𝜀0 ∭ 𝜌𝑑𝑉 , ∮ 𝐵
⃗⃗
⃗⃗
𝜕𝐵 (𝑥⃗,𝑡)
1
⃗⃗(𝑥⃗, 𝑡) − 𝜀0 𝐸(𝑥⃗,𝑡) = ⃗𝑖(𝑥⃗, 𝑡)、ε0 div𝐸⃗⃗(𝑥⃗, 𝑡) = 𝜌(𝑥⃗, 𝑡)、div𝐵
⃗⃗(𝑥⃗, 𝑡) = 0
rot𝐸⃗⃗(𝑥⃗, 𝑡) +
= 0、 rot𝐵
𝜕𝑡
𝜇0
𝜕𝑡
第一問、第二問は解答用紙の表面に、第三問以降は裏面に解答してください。
第一問
(1) 座 標 原 点 に 静 電 ダ イ ポ ー ル が あ り 、 そ の 大 き さ と 方 向 は 、 𝑚
⃗⃗⃗ = 𝑞𝑙⃗ 、 𝑙⃗ =
(𝑙𝑥 , 𝑙𝑦 , 𝑙𝑧 )である。点(𝑥, 𝑦, 𝑧)における電位を答えよ。
(2) 𝑙⃗ = (0,0, 𝑙𝑧 )の場合の点(𝑥, 𝑦, 𝑧)における電場ベクトルを答えよ。
第二問 ある2次元の座標系(xy 座標系)をとったとき、以下の式で表現できるスカラー場
を考える。
𝜙1 (𝑥, 𝑦) = exp(−𝑘1 𝑥 2 − 𝑘2 𝑦 2 )
(1)grad 𝜙1 の x 成分と y 成分を求めよ。
(2)div(grad 𝜙1)を求めよ。
(3)rot (grad 𝜙1)の z 成分を求めよ。
(4)(𝑥0 , 𝑦0 )を通る等高線の線の方向に平行な方向ベクトルを答えよ。(方向違いで2通り
あるがどちらでもよい。大きさは 1 にしなくてよい。)
(5)次に別のスカラー場𝜙2 (𝑥, 𝑦) = exp(𝑘1 𝑥) + exp(𝑘2 𝑦 )を考える。(𝑥0 , 𝑦0 )を通る等高線の
線の方向に平行な方向ベクトルを答えよ。(方向違いで2通りあるがどちらでもよい。大き
さは 1 にしなくてよい。
)
(6) xy 座標系で
⃗⃗ = (0)
𝑉
𝑦
と書けるベクトル場がある。これを別の座標系 x'y'系で表現せよ。xy 系と x'y'系の関係は図
のようになっており xy 軸を反時計まわりにθ回すと x'y'軸に重なる。
第三問
(1)原点を中心として球対称な固定された電荷分布がある。電荷 q をこの電荷分布の中に置
いたところ、力が中心からの距離 r の 8 乗に比例していた。電荷分布の関数形を示せ。
第四問 xyz 座標系があって、z 軸のうち z が負である半直線上を電流 I が-∞から原点まで
流れている。原点には電荷が時間と共に溜まっていく。t=0 では電荷ゼロ、すなわち Q=It
とする。
(1)A 点(x,0,0)における磁束密度の大きさを答えよ。ただし x>0。
(2)任意の点(z 軸上をのぞく)の磁束密度ベクトルを求めよ。
(3)A 点における rot B(ベクトル)を求めよ。
(4)A 点に磁気ダイポールを置く。磁気ダイポールに加わるトルク(力のモーメント)を求
めよ。
(5)同様に、A 点に置いた磁気ダイポールに加わる並進力を求めよ。
(6)A 点に置いた静電ダイポールに加わる並進力を求めよ。
第五問 分子密度ρが十分小さい気体があったとする。これを平たい箱に詰めて、広い面の
法線方向に電場をかける。気体の外部での電場は𝐸0 である。真空中の誘電率をε0 とする。
(1)内部の電場𝐸を𝐸0 と気体の誘電率εとε0 とであらわせ。また分極密度 P を E とεとε0 と
で表せ。
(2)気体分子の分極率αとは、一つの気体分子に対して、その分極 p(小文字)が
𝑝 = 𝛼𝐸1
となる値である。𝐸1 は気体分子を置く前にその場所に存在した電場である。(1)で考えた気
体に対して、密度ρが大きくなければ、分極密度は
𝑃 = 𝜌𝛼𝐸′′
と書ける。E''は気体分子に加わる電場である。この E''として、(1)の𝐸を使った場合にαと
εの関係を求めよ。(ただし(1)の E を使うのが適切かは明らかではない。)
(3)気体中の光の屈折率 n は
ε
𝑛=√
ε0
である。n をρとαで表せ。
(4) (2)で、𝑃 = 𝜌𝛼𝐸0 と仮定した場合、(2)(3)の結果はどのように修正されるか。またρが小
さい場合は違いがなくなることを示せ。