「 幾何学序論 B 演習問題」 1. 曲面の定義 (I) 平面上の関数 z = f (x, y) と 単位ベク ト ル e = (a, b) を 考え る 。 以下の問いに 答え な さ い。 た だ し 、 |fy | 6= 0 と する 。 df (P0 + te)|t=0 が最小になる のは、 e が − grad f (i) e を 動かすと き 、 点 P0 = (x0 , y0 ) に対し dt = −(fx , fy ) と 同じ 方向に な る と き であり 、 そ の最小値は q − (fx )2 + (fy )2 である こ と を 示せ。 remark こ れは次に よ う に 考え る こ と ができ る 。 定数 c に 対し て S(c) = {(x, y) ∈ R2 | f (x, y) = c} と な る 等高線 S(c) が、 xy 平面上図1 のよ う に な っ て いる と 仮定する 。 df grad f と は、 が最も 小さ く な る (勾配が最も 下へ急な ) 方向を 向いて いる ベク ト ルであ dt る と 言え る 。 (ii) S(c) が空でな いと し て 、 そ の点 P0 = (x0 , y0 ) に おけ る 接線の方程式は fx (P0 )(x − x0 ) + fy (P0 )(y − y0 ) = 0 (1) と 書け る こ と を 示せ。 remark 従っ て 、 grad f (P0 ) は点 P0 に おいて 接線ベク ト ルと 直交する こ と が分かる 。 (II) R3 ∋ (x, y, z) 上の関数 f (x, y, z) を 考え る 。 ただし 、 |fz | = 6 0 と する 。 与え ら れた実数 c に対し 、 S(c) = {(x, y, z) ∈ R3 | f (x, y, z) = c} と おく 。 S(c) 6= ∅ と し て 次の問いに 答え な さ い。 df (i) S(c) の点 P0 = (x0 , y0 , z0 ) と R3 の単位ベク ト ル e = (a, b, c) に 対し 、 方向微分 (P0 + dt te)|t=0 を 考え る と 、 そ れが最小に な る のは、 grad f k e, | grad f | = と な る 時である こ と を 示せ。 q 1 (fx )2 + (fy )2 + (fz )2 (ii) S(c) は、 閉集合である こ と を 示せ。 (iii) Fc (x, y, z) = f (x, y, z) − c と おく と Fc,z (P0 ) 6= 0 であ る から 、 陰関数の定理よ り P0 の ある 近傍 U (P0 ) で、 z = g(x, y) (∀ (x, y, z) ∈ U (P0 )), z0 = g(x0 , y0 ) と な る 関数 g が存在する 。 こ れは認めて 以下の問いに 答え な さ い。 • z0 = g(x0 , y0 ) の点 P0 = (x0 , y0 , z0 ) に おけ る 接平面の方程式は z − z0 = gx (P0 )(x − x0 ) + gy (P0 )(y − y0 ) と 書け る こ と を 示せ。 • gx (P0 ), gy (P0 ) を fx (P0 ), fy (P0 ), fz (P0 ) を 使っ て 表せ。 • S(c) が空でな いと し て 、 そ の点 P0 = (x0 , y0 , z0 ) に おけ る 接平面の方程式は fx (P0 )(x − x0 ) + fy (P0 )(y − y0 ) + fz (P0 )(z − z0 ) = 0 で表せる こ と を 示せ。 remark 従っ て 、 grad f (P0 ) は点 P0 に おいて 接線ベク ト ルと 直交する こ と が分かる 。 (III) S(c) = {(x, y, z) ∈ R3 | x2 + y 2 + z 2 − c = 0} (c > 0) を 考え る 。 (i) Fc (x, y, z) = x2 + y 2 + z 2 − c と おく 。 S(c) の点 P0 = (x0 , y0 , z0 ) に おけ る grad Fc (P0 ) を 計算し な さ い。 (ii) S(c) の点 P0 ごと に grad Fc (P0 ) を 対応さ せる と 、 S(c) に ベク ト ル場が生成さ れる 。 こ の ベク ト ル場を 図示し な さ い。 (IV) φ : R2 → R3 を (s, t) ∈ R2 に 対し φ(s, t) = (φ1 , φ2 , φ3 ) = (x, y, z) で与え る 。 ! φ1s φ2s φ1t φ2t が可逆である と する 。 こ の時、 φ(R2 ) ∋ (x0 , y0 , z0 ) な る 任意の点を 採る と 、 近傍 U (x0 , y0 ) と こ の近傍上の関数 g が存 在し て 、 曲面 S = φ(R2 ) は、 (x0 , y0 ) の近傍 U (x0 , y0 ) 上で g のグラ フ (x, y, g(x, y)) と 一致する こ と を 示せ。 2 remark 従っ て 、 曲面 S は局所的に は x = x y = y z = g(x, y) と いう パラ メ ータ ー表示を 上の条件で必ず持つ。 (V) R2 上の関数を g と する 。 φ(x, y) = (x, y, g(x, y)) と おく と φ(x, y) : R2 → R3 は一つの曲面を 定める 。 こ の曲面の任意の点 P0 = (x0 , y0 , g(x0 , y0 )) に おけ る 単位椄ベク ト ル、 単位法ベク ト ルを g を 用いて 表せ。 (VI) 教科書 p.56 図 6.2 の回転レ ム ニス ケ ート 曲面が、 実際 教科書の図のよ う に な っ て いる こ と を 以 下に 注意し て 調べよ 。 (i) 極座標 x = r cos θ, (r ≥ 0, 0 ≤ θ < 2π) y = r sin θ を 導入する と 、 回転レ ム ニス ケ ート の方程式は、 (r2 + z 2 )2 − a2 (z 2 − r2 ) = 0 と 書け る 。 さ ら に と 変形する と r = R cos Θ, (R ≥ 0, 0 ≤ Θ < 2π) z = R sin Θ R2 = −a2 cos 2Θ と でき る 。 (ii) (2) を 参考に 回転面の概形を 描け。 (VII) 教科書 p.62 5 を 解け。 3 (2)
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