教科書p.380-382 線積分 ストークスの定理 1 積分 integration 微分 (元の意味は統合) 積分はたし算: 微小量をたくさん加える。 ・高校の数学の積分は、 1次元(直線上)。 differentiation (元の意味は差別化) 「差」を取る。 f ( x)dx ・大学では、いろいろな領域での積分 1) 線積分 曲線上での積分 2) 面積積分 面での積分 3) 体積積分 立体の体積内での積分 積分する領域によって名前が付いている。 A dl C A d S S f dV V 2 積分の基本的性質 高校の数学の1次元積分では、 b a a c c b a b c f ( x)dx f ( x)dx f ( x)dx 大学では、もっと一般的に領域の積分を考える A B A B 領域Aでの積分+領域Bでの積分=領域「A+B」での積分 3 線積分 ベクトル場Aに対して A dl dl C を考える。 dl エル。lineから ある曲線Cに沿った 微小ベクトル 積分すると長さになる。 微小ベクトルとは。 高校の数学で、dxやΔxは勉強した。スカラーの微小量。 では微小ベクトルはどのような量か? 長さが微小。方向は変わる。 4 線積分の例題 問題 図のように、xy面上に原点を中心とする、 一辺の長さ2の正方形がある。 A=(y,-x)とする。 A -1 (1) 辺AD上で図の方向のベクトル (2) 辺AD上で A dl dl を求めよ。 を求めよ。 B y 0 1 D x 1 C -1 AD (3)他の辺についても同様に積分を求め、正方形の周囲全体で A dl を求めよ。 C 5 線積分の問題の解答 A dl y C ベクトル場 A ( y, x) を図にしてみる。 ベクトルの長さは短く書いている。 0 x (1) dl はAD上で水平なのでdxに比例。 左方向なのでベクトル(-1, 0)をかける。 (2) dl (1,0)dx AD上でy=1なので、A (1, x) A dl dx y A 1 D これをAD上で積分すると-2。なぜなら 1dx x 1 (1) 1 1 2 (3)他の辺でも、 Aとdl の向きが 1 1 1 逆なので、全て負になる。1周で-8. -1 B 0 x 1 C -1 6 解答補足:なぜ dl (1,0)dx か dl (2,0)dx dl dx でないのはなぜか は積分すると「長さ」になるベクトル。 を積分すると長さになる。 そのため、dxにかけるベクトルは、 長さ1のベクトルである必要。 ここから ストークスの定理 8 ストークスの定理 後で電磁気で使います。 ベクトル場Aに対して ) dS A dl (rot A C S (1) dS 表面に垂直、外向きのベクトル dS Cは曲面Sの周囲 問題 微小長方形(1辺Δx, Δy)に関して、 y (1)式の左辺と右辺をそれぞれ書いて変形し、 (1)が成立することを示せ。 dl Δy Δx x 9 divとrotの意味 y y 2 11 2 0 2 11 2 0 x rot A (0,0,0) 回転していないベクトル場は、 rot A がゼロになる。 x rot A (0,0,2) 回転しているベクトル場は、 rot A が回転面に 垂直方向になる。 10 ストークスの定理の意味 面Sでのベクトル場の回転を 右辺 2通りの方法で表現している。 (rot A ) d S dS ndS S rot A は回転を表すベクトル。 面Sの法線方向の成分 ( rot A) n は、面Sでの回転を表す。 rot A 回転していない場では、 rot A 0 回転している場では、 が回転面と 垂直方向になる。 11 rot A ストークスの定理の意味 A dl 左辺 C A A dl 0 dl 回転していない場では、 経路上の微小ベクトルとの 内積がゼロになる。 A A dl 0 dl ベクトル場が回転していると、 内積が値を持つ。 12 前問の解答 ) dS A dl (rotA C を示したい。 S 正方形の上と下で左辺を考える。 y+Δy y 上辺で Δy Δx 0 dl (dx,0,0) A ( Ax , Ay , Az ) x x+Δx 内積を取ると、 A の3成分のうち、x成分のみ残る。 上辺ではyの座標は、Δyだけ大きいので、 A dl Ax ( x, y Δy, z)dx 下辺で dl (dx,0,0) (1) A dl Ax ( x, y, z)dx x,y,zの関数の意味 1変数ならf(x) (2) 13 前問の解答 前のページのの(1)と(2)を加える。dxをΔxと書くと、 Ax ( x, y Δy, z) Ax ( x, y, z)x (3) Ax Ax ( x, y Δy, z ) Ax ( x, y, z ) lim y Δy0 Δy A でlimを省略すると、 A ( x, y Δy, z ) A ( x, y, z ) x Δy x x y A よって(3)は x ΔxΔy (4) y 微分の式 14 前問の解答 今度は左右の辺で同じことをすると、 Ay x ΔxΔy (5) (4)と(5)を加えると、 Ay Ax xy rot A z xy x y 15 ストークスの定理の補足 長さの単位をm(メートル)とした時に、 ストークスの定理の両辺の単位が何になるか、 説明して下さい。 16 ガウスの定理(divergence) 以前見せたパワーポイント ベクトル場Aに対して A d S (div A ) dV S 表面積全体の 積分 V S (1) V わきだし 体積内の積分 これがヒント。 補足:コメント「面積積分=体積積分が疑問」について 両辺の単位を比較してみる。 divは場所に関する微分が入っている。 両辺とも(長さ)の2乗の単位になる。 17 ストークスの定理の場合 A d l ( rot A ) d S C S 左辺は長さの積分なので、 単位は(Aの単位) ×m 右辺の面積積分の単位は、m2 rotA は微分が含まれているので、 単位は,(Aの単位)/m よって右辺の単位は (Aの単位)/m × m2 = (Aの単位)× 左辺の単位と等しくなる。 m になり、 18
© Copyright 2024 ExpyDoc