地歴公民(日本史) 名古屋大学 文学部、情報文化学部(社会システム情報学科) (前期) 1 / 2 <全体分析> 試験時間 90 分 解答形式 論述式と記述式の併用だが論述式中心。論述式の解答分量は解答用紙の行数により指定している。 分量・難易(前年比較) 分量(減少・変化なし・増加) 難易(易化・変化なし・難化) 分量=問題4題で、それぞれに小問が配分されている(論述18問・記述6問) 。論述式の総行数は34 行(字数換算1190字程度)で、昨年より減少。 難易=昨年並み。設問間での難易度の差はあるが、全体には標準レベルといえる。 出題の特徴 昨年の時代ごとの3題構成から、4題構成となった。問題ⅠAは古代、Bは中世、問題Ⅱは中世から 近世、問題Ⅲは近世初期から近代、問題Ⅳは近世後期から現代までが出題された。また、例年史料や 図版の読解を要する問題が出題されている(今年は問題Ⅰ問2・3、問題Ⅱ問1・2・4、問題Ⅳ問 4) 。 その他トピックス 2016年度第2回名大オープン問題Ⅰ問3が本試問題Ⅱ問1に的中した。 2015 年度直前講習名大日本史テスト第2講問題Ⅰ問7が本試問題Ⅰ問5に的中した。 <大問分析> 番号 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 出題形式 論述式 出題分野・テーマ コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど) 古代・中世における 問1:国家が主導して行ったことを明記したい。 土地と銭貨をめぐる 問2:教科書に記載が無く、難しい。 経済 問3:史料に基づき賃租経営の方式の説明をすれば よい。 問4:日宋貿易で輸入銭が大量に入ってきたことが ポイント。 問5:代銭納の説明をすればよい。 論述式 中世・近世の公家と 問1:貞永式目が御家人を対象とし、公家法や律令 記述式 武家の関係 法に変更を迫るものではないことを指摘する。 問2:正式名称は雑訴決断所。鎌倉幕府の引付を引 継ぎ所領紛争の裁判などを担当した。 問3:警察権・裁判権・課税権などを指摘する。 問4:紫衣事件について説明すればよい。 問5: 「尊号一件」について説明する問題。 論述式 近世・近代の日英を 問1:基本問題であり、全問正解したい。 記 述 式 ( 空 中心とした対外関係 問2:ロシアの東アジア進出を警戒してイギリスが 欄補充) 日本に接近した点がポイント。 問3:義和団事件から北清事変とその結果を答えれ ばよい。 問4:中国・太平洋におけるドイツの権益を奪った ことを中心に書く。 問5:鈴木貫太郎内閣がポツダム宣言を受諾したこ とを想起したい。 論述式 近世後期から戦後に 問1:蘭学が実学中心に発展したこと、幕府も統制 かけての初等教育 下での受容を目指したことにふれたい。 問2:国定教科書制度か義務教育の無償化のどちら かを指摘すればよいだろう。 問3:決定的な違いは天皇主権と国民主権なのでそ れを軸にしたい。 問4:字数が厳しいので「展開」の要点をコンパク トにまとめる必要がある。 難易度 やや難 難 標準 やや易 やや易 やや易 やや易 やや易 標準 標準 易 やや易 標準 やや易 標準 標準 標準 やや易 やや難 ※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断し ています。 © 河合塾 2016 年 地歴公民(日本史) 名古屋大学 文学部、情報文化学部(社会システム情報学科) (前期) 2 / 2 <学習対策> 全体的には標準的な論述問題が中心だが、相当な歴史理解力・応用力の必要な設問もあり、単純な 歴史用語の暗記では対応できない。歴史的な背景や因果関係を意識した学習が必要である。また、 テーマに対して行数が少ない設問も多いので、設問の要求を確実に把握し、簡潔に表現する文章力 の養成も不可欠である。 © 河合塾 2016 年
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