静岡大学 教育学部(教科教育学-音教・美術・保体、生涯教育

国語(現代文・古文・漢文)
静岡大学 教育学部(教科教育学-音教・美術・保体、生涯教育課程-生ス及び芸術
1/ 6
文化課程除く)
・人文社会科学部(社会学科・法学科)
<総括>
出題数
現代文 1題・古文 1題・漢文 1題
試験時間
80 分
今年は昨年同様評論が出題された。格差の拡大や排外主義が激化する現代において、共通の理念を保持しつ
つ対立を前提とした相互理解の可能性を論じた文章からの出題。字数はやや増加。昨年に比べると本文の内
容が読み取りやすかったが、記述問題はまとめづらかった。昨年まで出題されていた 300 字の意見論述が、
筆者の主張と意見論述とを各 150 字でまとめさせる設問に分かれた。
<本文分析>
大問番号
1
出
典
(作者)
「
「摩擦」の意味――知性的であるということについて」
(鷲田清一)
頻出度合
・的中等
頻出
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加) 昨年は 3530 字、今年は 3827 字で 297 字増加
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
<大問分析>
大問
ジャンル
設問
設問形式
1
評論
問一
漢 字 の 書 標準
き取り
難易度
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
問二
記述
標準
問四で答えるべき内容と重複する。
問三
記述
やや難
何を説明するかという解答の方向を見定めるのがや
や難しい。傍線部の直前をまとめるしかないだろう。
問四
抜き出し
やや難
問二で説明すべき内容と重複する。
問五
要 約 と 意 やや難
見論述
特に難しいものはない。
〔Ⅰ〕で「文章全体における筆者の主張」を「要約」
し、
〔Ⅱ〕で「筆者の主張」に対する受験生の「意見
や考え」を述べる。150 字以内でまとめるのがやや難
しい。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断してい
ます。
© 河合塾
2016 年
国語(現代文・古文・漢文)
静岡大学 教育学部(教科教育学-音教・美術・保体、生涯教育課程-生ス及び芸術
文化課程除く)
・人文社会科学部(社会学科・法学科)
2/ 6
<学習対策>
評論を中心に二次型の問題演習を行うこと。本文の正確な読解に基づいて、設問の要求を踏まえ、的確な解
答を作成するという、訓練を重ねてほしい。さらに、本文の要旨と意見論述とを各 150 字にまとめる訓練を
積んでおくこと。
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2016 年
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静岡大学 教育学部(教科教育学-音教・美術・保体、生涯教育課程-生ス及び芸術
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文化課程除く)
・人文社会科学部(社会学科・法学科)
<総括>
出題数
現代文 1題・古文 1題・漢文 1題
80 分
試験時間
江戸時代の国学者、賀茂真淵の紀行文『岡部日記』からの出題。昨年は有名な『枕草子』からの出題であっ
たが、今年は受験生にはなじみのない作品からの出題であった。本文量は昨年より 100 字余り増加している。
神社の呼び方について考察するという内容で、やや読みにくく解きづらい。設問数に変化はなく、設問内容
も昨年と同様で、単語の意味を答える問題、口語訳の問題、説明問題、それに文学史の問題であった。説明
問題は指示語の内容を示した上で解答するもので、しっかりとした読解力と記述力を必要とする。
<本文分析>
大問番号
2
出
典
(作者)
『岡部日記』
(賀茂真淵)
頻出度合
・的中等
稀
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加)昨年は 419 字、今年は 542 字で 123 字増加。
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
<大問分析>
大問
ジャンル
設問
設問形式
難易度
2
紀行文
問一
記述
易
問二
記述
やや難
問三
記述
標準
問四
客観
易
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
「おぼつかなき」と「あるなる」の口語訳。
「なる」
は伝聞の助動詞。
内容説明の問題。
「とまれかくまれ」の指示内容を示
した上での説明。傍線部を口語訳することが前提だ
が、まとめ方がやや難しい。
和歌の口語訳の問題。重要語や助動詞に気をつけて口
語訳する。
「まれに」
「なかなかに」
「けり(詠嘆)
」な
どがポイント。
文学史の問題。清少納言と鴨長明の著作を選ぶ。易し
い。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断してい
ます。
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2016 年
国語(現代文・古文・漢文)
静岡大学 教育学部(教科教育学-音教・美術・保体、生涯教育課程-生ス及び芸術
文化課程除く)
・人文社会科学部(社会学科・法学科)
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<学習対策>
静岡大の古文は、時に内容のつかみにくいものからの出題もあるが、標準的な文章からの出題が多い。設問
も、基本的な単語力、文法力が身についていれば解けるものから出題される。口語訳は、文脈の中での解答
を求めているので、傍線部中の重要語に注意しつつ、指示語の具体化などにも注意を払うこと。読解に必要
な単語力・文法力は多くの古文に当たる中で身につけていくのが一番である。和歌が関わることもあるが、
まずは落ち着いて口語訳しよう。説明問題に関しては、本文を読解することはもちろん、解答ポイントを見
つけ、過不足なくまとめる力が必要であるので、記述用問題集などを用いながら、読解力を高め、
「書く練習」
を怠らないことが大切である。
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2016 年
国語(現代文・古文・漢文)
静岡大学 教育学部(教科教育学-音教・美術・保体、生涯教育課程-生ス及び芸術
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文化課程除く)
・人文社会科学部(社会学科・法学科)
<総括>
出題数
現代文 1題・古文 1題・漢文 1題
試験時間
80 分
本文は、
『蒙求』
「閔損衣単」からの出題。実子と前妻の子である閔損とを差別していた後妻が、閔損の孝心
に触れて改心したという話。本文の文字数は昨年に比べやや増加した。設問は昨年と同じく三問で、すべて
記述式である。昨年と同じく口語訳・説明問題・書き下し文の問題が問われたが、今年はいずれも白文での
出題となった。
<本文分析>
大問番号
出
典
(作者)
3
『蒙求』
(唐・李瀚)
頻出度合
・的中等
頻出(2015 基礎シリーズ『漢文総合』第 3 講と同じ)
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加) 昨年は 83 字、今年は 96 字で 13 字増加。
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
<大問分析>
大問
3
ジャンル
史伝
設問
設問形式
難易度
問一
記述
やや易
問二
記述
標準
問三
記述
やや難
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
書き下し文の問題。
「令AV」は「AをしてVしむ」
と読む使役形。使役の対象「損」に「をして」をつ
ける。
「御」は「制御(あやつる)
」の意味の動詞で、
「車」は目的語。
指示内容の問題。後文に「欲遣後母」とあることか
ら、
「体寒失靷」の理由とあわせて、後妻が実子と前
妻の子である閔損とを差別していた、という内容を
まとめる。
現代語訳の問題。白文なので、傍線部が対句になっ
ていることに着目する。
「母」が「在(家にいる)
」
の場合に「一子」が「寒」となり、
「去(家を出る)
」
の場合に「三子」が「単」となると考えればよい。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断してい
ます。
© 河合塾
2016 年
国語(現代文・古文・漢文)
静岡大学 教育学部(教科教育学-音教・美術・保体、生涯教育課程-生ス及び芸術
文化課程除く)
・人文社会科学部(社会学科・法学科)
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<学習対策>
重要語や基本句形に習熟しておくとともに、内容的にまとまりのある文章を数多く読み、話の展開や主旨を
正確に把握する練習を積んでおくべきである。白文や返り点のみで問われることもあるので、返り点や送り
仮名がなくても対応できるだけの正確な知識と読解力を身につけておく必要がある。
© 河合塾
2016 年