2015年3月6日 楽読 (ラクヨミ) Vol.934 リスク資産に回帰しつつある欧州金融市場 欧州金融市場では2015年に入り、それまでの国債などの安全性資産を選好する動きから、株式やハイ・イー ルド社債などリスク資産への資金回帰がみられています。2014年の欧州は、年末にかけて、欧州主要国であ るドイツなどに景気鈍化がみられたことに加え、ウクライナ情勢の緊迫化、原油価格急落などが相次いだこと が嫌気され、国債や投資適格社債など比較的安全とされる資産が選好される傾向にありました。 2015年に入ると、ECB(欧州中央銀行)は1月22日、政策理事会で量的緩和の導入を決定しました。その内容 が、国債等の購入を月600億ユーロ相当の規模で、少なくとも2016年9月までの期間行なう、という市場予想を 上回るものだったことから歓迎ムードが高まり、流動性拡大に伴なう景気押し上げへの期待感とともに、ドイツ や英国では主要株価指数が最高値更新となりました。また、ECBによる国債買い入れを控えてユーロ圏主要 国の国債利回りが過去最低水準となるなか、運用先を求める資金が、利回り面での魅力が高まったハイ・イー ルド社債などにも流入するなど、リスク資産への回帰の動きが顕著となりました。 ファンダメンタルズ面でも欧州経済に明るさが戻り始めています。足元で、ドイツが堅調な内需やユーロ安に伴 なう輸出増を背景に、景気の底堅さを取り戻しつつあることから、ユーロ圏の2014年10-12月期GDPは前期比 +0.3%と、緩やかな加速がみられました。加えて、ECBの量的緩和実施の決定が追い風となって域内景況感も 改善ペースを幾分強めており、ECBは、3月5日に発表した景気見通しで、2015年と2016年の成長率を上方修 正してそれぞれ1.5%、1.9%としており、今後も緩やかな景気回復が進むと見込まれます。 なお、為替市場では、利上げ開始が見込まれる米国との金融政策の違いなどから、対米ドルではユーロが売 られやすい状況にあるものの、対円では、日銀の量的緩和を背景とした円安による下支え効果が期待されま す。こうしたなか、欧州景気の回復が力強さを増すとともに、欧州資産への投資魅力は一層高まっていくと考え られます。 欧州主要資産の騰落率 欧州の債券利回りの推移 (現地通貨ベース) (2013年1月末~2015年2月末) 8% 16% 12% 10% 8% 株式 ハイ・イールド社債 投資適格社債 国債 14% 2015年に入り、 資金流入などを受けて 株式やハイ・イールド社債が 選好されやすい状況に ハイ・イールド社債 6% 4.1% 4% 投資適格社債 2% 1.3% 0.5% 国債 6% 0% 13/1 4% 105 2% 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1(年/月) 100 足元で、景況感にも 緩やかな改善が続く 0% 2014/06/30 2014年前半 2014/12/31 2014年後半 2015/03/31 2015年前半 (3/5まで) 【国債】シティEMU国債インデックス【投資適格社債】バークレイズ汎欧州 投資適格社債インデックス【ハイ・イールド社債】バークレイズ汎欧州ハイ・ イールド社債インデックス【株式】ストックス・ヨーロッパ600指数 95 90 85 欧州委員会ほか、 13/1 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 ユーロ圏景況感指数の推移 (2013年1月~2015年2月) 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1(年/月) ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘 資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建 資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付 目論見書)をご覧ください。 1/1
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