ニュージーランド・ドルの今後の見通し

楽読
(ラクヨミ)
2016年1月8日
Vol.
1,050
ニュージーランド・ドルの今後の見通し
~景気や乳製品価格の持ち直しが押し上げ要因に~
ニュージーランド・ドル(以下、NZドル)は、ニュージーランドの主要な輸出品である乳製品の価格が2015年8月を底に
約4割上昇したことなどを背景に、昨夏以降、持ち直し傾向が続き、12月の米国の利上げ後も堅調に推移しました。し
かし、同年末からの原油価格の下落に続き、2016年初に中国の景気減速懸念が広がると、NZドルを含む資源国通
貨が売られ、逃避資金が安全資産とされる円や米ドルへ流れ込む展開となりました。
ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は、景気減速や原油価格の下落などの影響によりインフレ率が目標の前年比
1~3%の下限を下回ったことを主な理由として、2015年に4回の利下げを行ないました。しかし、12月は利下げを実
施したものの、同中銀総裁は声明にて、「今後は現在の金利水準でインフレ率の目標達成が見込める」と、当面、政
策金利を据え置きすることを示唆しました。この背景には、7-9月期実質GDP成長率が前期比+0.9%と加速したこと
、
数
、 費
期
民純
数
や、12月の企業景況感指数が前月から上昇したことに加え、消費拡大につながると期待される移民純流入数が12月
に過去最高を更新したことなど、足元の経済環境が改善傾向にあることが考えられます。
こうしたことから、ニュージーランドでは、国内景気や物価の回復が見込まれており、利下げは一巡したとみられます。
また、懸念される中国の景気減速については、中国当局が12月に財政出動や減税の拡大などで景気を下支えする
方針を示しており、今後、それに則った対応が行なわれると期待されます。さらに、原油価格は依然として軟調なが
ら、乳製品価格が落ち着きを見せていることも勘案すると、他の資源国通貨と同様にNZドルが足元で売られているこ
とは行き過ぎの感があり、市場の動揺が収まれば、NZドルは徐々に落ち着きを取り戻すと考えられます。また、今後
の米国の利上げは緩やかなペースで進むとの見方が強まっていることなどから、世界的な低金利傾向は今後も続くと
の米国の利上げは緩やかな
スで進むとの見方が強まっていることなどから、世界的な低金利傾向は今後も続くと
みられます。主要先進国の中でも相対的に高い水準にあるニュージーランドの金利は、足元で動揺している投資家心
理が落ち着きを取り戻せば、低金利国との金利差を見込んだ資金流入を後押しする材料になると考えられます。
ニュージーランドの政策金利と物価
(%)
ニュージーランド・ドルの推移
(2013年1-3月期~2017年10-12月期予想)
(米ドル)
0.95
4.5
政策金利
(月次ベース)
40
4.0
3.5
3.0
2.5
インフレ率目標中央値
2.0
95
0.85
90
0.80
85
0.75
80
0.65
0.5
0.60
75
NZドル高
70
65
NZドル安
0.55
13
14
15
16
17
(年)
100
0 90
0.90
1.0
0.0
(円)
対円(右軸)
0.70
消費者物価指数
(前年同期比)
1.5
対米ドル(左軸)
インフレ率目標レンジ
2015年12月時点の
ニュージーランド準備
銀行見通し
(2015年1月初~2016年1月7日)
60
15/1
15/3
15/5
15/7
15/9
15/11
16/1(年/月)
信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
※上記は過去のものおよび予想であり 将来の運用成果等を約束するものではありません
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