楽読 (ラクヨミ) 2015年12月28日 Vol. 1,046 過去の経験則から 2016年の日本株式市場を考える 2015年の日本株式市場は、米国の金融政策の見通しや中国の景気動向などに大きく左右される1年となりました が、好調な企業業績や日銀による量的金融緩和の継続などが下支えとなり、前年末からの日経平均株価の騰落率 は+8.2%(2015年12月28日時点)となりました。続く、2016年の日本株式市場はどのような動きになるのか、株式 市場ではこの時期、「十二支別」の過去のパフォーマンスを話題にすることがあります。 株式市場には古くから、「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ) 笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)跳ねる」という相場格言が あります。来年の干支である「申」は相場格言で「騒ぐ」です。前回の2004年はFRB(米連邦準備制度理事会)がIT バブル崩壊以降、初めて利上げを実施した年でした。なお、「申」年は1950年以降、5回ありましたが、年間の騰落 率がマイナスになったのは1992年の1回のみでした。また、平均の年間騰落率は+10.4%と十二支中、第7位と中 間程度ながら、申年からの4年間は投資パフォーマンスの勝率が良好となっており、今回に当てはめると、ちょうど 東京オリンピックが開催される2020年までの期間に該当します。 2016年の主要イベントに目を向けると、日本では7月に参議院選挙が予定されています。選挙に向けて、政府が1 億総活躍社会の実現を目指して掲げている諸政策が実行に移されれば、経済の持続的な成長期待から、日本株 式市場にとって好材料となりそうです。ただし、選挙後は2017年4月の消費税率引き上げを睨んだ動きとなる可能 性があることには注意が必要と思われます。海外では11月に米国で大統領選挙などが予定されています。米国の 経済規模は世界のGDP(国内総生産)の約20%を占め、最も大きいことから、選挙結果次第では日本株式市場に 影響が出る可能性が考えられます。また、米国の利上げの動向についても為替相場への影響には注視が必要と思 われます。2016年は相場格言の通り、騒ぐ年になるかどうか、日本株式市場の行方が注目されます。 十二支別の平均の年間騰落率(日経平均株価) (%) 35 30 25 28.0 23.8 20 16.4 10.4 9.8 7.7 10 5 16.2 15.0 13.4 15 1.8 0 -0.1 -5 -10 *2015年は12月28日までの値で計算 1950年~2015年* 東京 オリンピック -5.0 2020年 3勝2敗 3勝2敗 1勝5敗 4勝2敗 4勝2敗 4勝2敗 3勝3敗 2017年 2018年 2019年 4勝2敗 4勝1敗 4勝1敗 4勝1敗 4勝1敗 2016年 -15 子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 (勝敗は1950年~2015年までの干支ごとの年間パフォーマンスの騰落) ※信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 ※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘 資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建 資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付 目論見書)をご覧ください。 1/1
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