2016年8月25日 ご参考資料 156 今回のテーマ 米国の中堅企業向け融資を支えるBDC 他の資産に比べて利回りが高いBDCが、新たな投資先として 新人くん 日興アセットマネジメント の新人。営業推進部門に 配属され、投信や経済に ついて勉強中。 注目を集めています。その業態は銀行業務に似ていますが、 日本にはない米国特有の仕組みです。今回はBDCと、関係の 深いプライベート・エクイティについて調べてみました。 1.BDC(Business Development Companies) BDCとは、Business Development Companies のことで、事業 開発会社と訳されます。米国で、経済の中核を担う中堅企業(規模 が大企業と小企業の中間に位置する企業)などへの資金供給を目 的とした投資の仕組みで、1980年に制度が本格的にスタートしま した。 BDCは、複数(一般的に50社~200社程度)の未上場の中堅企 業などを中心に融資や投資を行ない、融資から得られる利子収入 や、株式投資から得られる配当収入や値上がり益などをその主な 収益源としています。また、取引先の経営に参画することでアドバ イス料を得ることもあります。 BDCは、収益の90%以上を配当として払い出すことで、実質的 に法人税が免除されているため、他の資産と比べて利回りが高い 傾向にあります。また、金融商品取引所に上場しているBDCは流 動性が高いほか、米国証券取引委員会(SEC)基準による情報開 示が義務付けられており、透明性が確保されています。なお、BDC による融資は、一般的に変動金利で行なわれるため、金利上昇局 面でも相対的に有利となっています。 足元で、BDCは約40社上 場しており、時価総額は約3 兆円と5年で約2倍に拡大 しました。(16年7月末時点、 ウェルズ・ファーゴBDCイン デックスベース) 。 (次のページヘ続きます) □当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料 ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リス クもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時に は、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。 (1/2) 近年、米国の主要銀行は、国際的な自己資本比率規制(バーゼ ルⅢ)を達成するために自己資本比率向上をめざしており、自己資 本の積み増しと並行してリスク資産である融資の見直しを進め、中 堅企業向け融資を抑制する傾向にあります。そのため、中堅企業 向けの融資シェアでは、BDCを含むノンバンクが約8割を占めるな ど、BDCによる中堅企業向け融資は拡大しています。 米国の景気回復が本格化しつつあるなか、中堅企業の業績拡大 や資金需要の増加が見込まれ、BDCの配当金の増加などを通じ て、価格上昇につながると期待されます。 2.プライベート・エクイティ プライベート・エクイティ(PE)とは、未上場企業の株式(未公開 株)をいい、未上場企業の株式の取得・引受を行なうファンドをPE ファンドと呼びます。 PEファンドは、一般に中長期での投資を主体として、企業に成長 資金を供給し、経営に関与して企業価値を高めたうえで、IPO(新 規株式公開)やM&A(合併・買収)などで収益を得ます。 PE投資に は、起業直後の新興企業に投資するベンチャー・キャピタル戦略 や、企業経営への参画を通じて、事業の拡大や再編などによる付 加価値向上を目的に投資するバイアウト戦略、事業の再生や解体 などを行なうディストレスト戦略などがあります。 米国では、中堅企業の市 場を「ミドル・マーケット」とい い、ハイイールド債の発行 やPEファンドによる投資、 BDCによる融資など、多様 な金融ビジネスが展開され ています。 近年、米国ではPEファンドへ資金が集まっており、 PEファンドの 手元資金(ドライパウダー)も高水準となっています。豊富な資金を 元手に、中堅企業などへの投資が拡大すれば、事業拡大やM&A の活発化などを通じて、企業の成長が促されると期待されます。 なお、M&Aなどの際には、企業の資金需要の拡大が見込まれ、 BDCにとっても大きなビジネスチャンスとなります。そのため、BDC が優良な融資案件を獲得するためには、PEファンドとの良好な関 係構築が重要なポイントとなっています。 米国では、PEファンドはBDCなどと協業して、米国経済のエンジ ンである中堅企業の成長に貢献しており、資金供給の担い手とし て、その社会的意義も高まっています。 日本では、未上場企業への資金供給は銀行融資が中心で すが、米国では異なるんですね。日本でもPEファンドが活 発化すれば、企業の成長がより促されるかもしれませんね。 □当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料 ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リス クもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時に は、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。 (2/2)
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